番い【つがい】さがし※完結※

Lynx🐈‍⬛

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京、高校入学

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 4月、京のM高の入学式が終わり、発登校日。
 那由多と同じ市の別区にある高校だが、那由多と京の高校は同じ路線だった事もあり、登校も途中迄一緒になった。
 自宅からの最寄り駅は少し遠く、朝は駅迄両親の何方かに送ってもらっていた。

「行ってきます。」
「行ってきます。」
「気をつけろよ~。」
「は~い。」

 電車を乗り継いで登校時間は1時間半。
 同じ中学出身の見知った人達もちらほら乗る電車内で、乗った時点で同級生が居ないのを確認した那由多は京に話かける。

「京、このアプリダウンロードしておいてくれ、ラ○ンだと父さん達にバレる。俺と京だけの連絡ツールで使いたい。」
「…………これ?」
「ソシャゲ用のアプリなんだ。ソシャゲなんてしないけど、無料通話出来るから。」
「…………ちょっと待って……………はい、登録したよ。」
「コレ俺のIDな………。これからはこっちで2人のチャットしたり、電話しよう。」
「………な、何かドキドキするよ。」
「………実は俺も。」

 那由多はちょっと歯に噛んだ顔をした。
 少し顔を赤らめ、照れた顔は兄の顔ではない。
 その兄の顔に、京も益々ドキドキしていた。

「京、電車降りたら、俺達は彼氏彼女な。」

 那由多は、チャットで書込みをする。
 京もそれを見て、返事をした。

「うん♡」

 と………。
 その内見知った人は居なくなり、那由多と京は手を繋いで座る。
 傍から見たら、県内屈指の進学校に通うカップルにしか見えない。

「じゃ、俺ここで降りるから。」
「うん、気を付けてね。」
「気を付けるのは、京だろ?他の男に靡くなよ。」
「靡かないもん!」
「じゃ、また後でな。」
「行ってらっしゃい。」

 那由多は京と分かれて、アプリを起動し、書込みをした。

 ♫♫

「外で、俺を呼ぶ時は名前で呼べよ。」
「分かった~、那由多♡」

 そんなやり取りも新鮮だった。
 帰宅した家では仲の良い兄妹でいよう。
 だけど、親や知り合いが居ない時間は恋人同士でいたい。
 そう、心に誓った2人だった。
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