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陽太郎と斗貴哉の夜の生活

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 結婚から半年過ぎて、ようやくこの顔にも見慣れてきた。けど、やっぱきれいだし見惚れる。 

 線の細いこの顔がアルファだなんてやっぱ信じらんねーけど、下半身はしっかりアルファしてるから、納得するしかない。 
  

「本当にここでいいんですか? ソファしかないですよ」 

「ん、ここでいい。眠くなったら斗貴哉が運んで」 

「ふふ、甘えん坊さんですね」 

「ん……」 


 斗貴哉の顔がまた近づいて、俺の頬に口付けた。 

 それから耳朶を噛み、首筋に唇を這わしながら、器用に俺の服を脱がせていく。 


 この部屋は斗貴哉の匂いが濃い。 

 ソファに寝転ぶと、布地に染み付いた斗貴哉の香りが匂い立つ。 

 これまで他人の匂いなんか臭いとしか思わなかったけど、斗貴哉の匂いは好きだ。 

 涼やかなハーブが混じったような、ちょっと渋めのお香のような匂い。ほんの少し甘い匂いが混じってるのもいい。 


 俺はその匂いを胸いっぱいに吸い込み、ほーっと息を吐いた。 


「俺、斗貴哉の匂い好き」 

「また、かわいいことを言って」 


 上から流れ落ちる斗貴哉の髪からも、洗髪剤のいい匂いがして、もっと嗅ぎたいって斗貴哉の首を抱きしめてキスをせがんだ。 

 貪るようなキスして、俺が斗貴哉の匂いに酔っている間に、斗貴哉の舌は首筋を這い、胸を愛撫する。 


「ん……、はぁ……」 


 胸の先をやんわりと舌先で転がされると、なんだか下半身がジンジンして、つい声が漏れる。 

 男も胸が感じるなんか、知らなかったんだよな、俺。 

 最初斗貴哉に触られた時はどう反応したらいいかわかんなかったけど、今はもう結構気持ちいい。 

 多分これでもう俺のペニスはガン勃ち。 


「斗貴哉ぁ、後ろ……」 

「はいはい」 


 自分から片足をソファの背もたれにかけ斗貴哉を誘うと、ひやっと冷たい指が胸から脇腹を伝って、太ももから尻の割れ目を辿る。 


「——気付いてます? 最近少しここが濡れてるのを」 


 斗貴哉の指がツプッと穴の中に差し込まれ、俺の口から少しだけ息が漏れる。 


「ん……、うそばっか」 

「嘘じゃないですよ。もしかしてオメガの兆候が出てませんか」 

「出てないし」 

「あれから陽太郎さんのペニス、亀頭球が出ないんですよ」 

「……発情してないだけだし」 


 大人になると亀頭球が出るという話だけど、あの初夜の日に初めて発現して以降、その亀頭球すら消えてしまっていた。 


「さっきからなんだよ。やりたくないなら、俺もう部屋に戻る」 

「ふふ、陽太郎さんの、そういうところも可愛くて好きですよ」 

「ん……、あ、あ、斗貴哉……そこ…………あっ」 


 部屋に戻るなんて、本気じゃないことなどすぐに見透かされて、斗貴哉の指が器用に俺の中で動き回る。そしてすぐに俺が一番感じやすいところにたどり着き、やんわりと擦り上げられる。 


「あ、あ、ん……斗貴哉、前も触って……」 

「まだだめです。今いっちゃったら、後ろでできないでしょう? それとも、今日は後ろではしない?」 

「あ……、す、すぐにイカないようにすっからぁ……。前も触って……」 

「本当にすぐにいっちゃダメですよ」 

「ん、わかったから……はや……あっ! ん、斗貴哉ぁ……あっ、そこ、気持ちい……」 


 ゆっくりと同じところを擦られ、前も同じリズムで扱かれると、頭が快感に支配され何も考えられなくなる。 

 斗貴哉とやるようになるまではいつも1人でやってたわけだけど、もうそれだけじゃ満足できないくらい、斗貴哉に開発されてしまった気がする。 

 斗貴哉の長い指が俺の中を優しく押し広げ、俺の昂りがピークに近づいてきた時、指が抜けて変わりに熱く硬いものが押し当てられる。 


「んっ、く…………あ、あ、ああっ!」 


 先ほどまでの指など比べ物にならないくらい、デカくて太いものが中に入り込むのがわかる。内臓が押し上げられ、入っているのに出そうな感覚。 

 そしてあの硬く膨らんだ亀頭球がグリッと俺の中にあるシコリの部分を抉ると、俺の喉からが「ひっ」という悲鳴が漏れ、体が反射的に反り返る。 


「斗貴哉……斗貴哉ぁ……」 

「かわいい陽太郎さん……。好きですよ」 


 しがみつくように斗貴哉の背中に腕を回すと、斗貴哉が耳元で愛を囁き、耳朶を噛んで首に痛みと共に跡を残す。 

 そこからはもう斗貴哉に翻弄され、体は斗貴哉の匂いのするソファに押しつけられたまま、斗貴哉が俺の中にすべての欲望をぶちまけ終わるまで、俺の意識は恍惚の海の中に沈んでいく。 
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