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「——……ひぃん!!」
「痛くないように、潤滑油を使っただけですよ」
やたら滑りのよくなった斗貴哉様の指が、俺の中で動き回る。
内側を擦り上げながら、指が何度も出し挿れされ、そのなんとも言えない気持ち悪さに、腰を浮かせたり捻ったりしてみるが、なんの効果もない。
俺はそれに耐えようと体を固くしていたが、指が2本になる頃には、だんだんと気持ち悪さは薄れ、頭がぼーっとし始めた。
(あ——なんだこれ。腹の奥がじんじんしてくる)
斗貴哉様の指がゆっくりと抜き差しされ、時折折り中の敏感なところを抉るように擦りあげる。
その度に俺の口からは悲鳴のような声が漏れ、こみ上げる快感にどうしようもなく体を反らし、腰を揺らした。
俺の頭は完全に快楽に支配され、もうイクこと以外何も考えられなくなっていた。
「あっ、あっ、そこ、指、そこイイ……っ斗貴哉、様……」
「ふふ、可愛いな陽太郎さん。ここも良くなってきました? でもイクのはまだだめ。今日は初夜ですからね。まだまだこれからですよ。——ああ、そうだ話の続きを。そう、なぜアルファがアルファを誘惑するのかってところまででしたよね」
斗貴哉様が俺に話しかけている。
でも俺の意識は斗貴哉様の指に翻弄され、頭に入ってこない。
「あっあっ……いい、そこ…………あっ」
「強いアルファを確実に生むには、やはりアルファ同士が1番でしょう? でも女性のアルファが少ない中、アルファ同士が結ばれることも、アルファ同士が子供を作ることもかなり難しい。ああ陽太郎さんのご両親はアルファ同士でしたね。とても珍しいのですよ、アルファ同士で二人も子供をもうけることは。さぞ、仲がよろしいのでしょうね」
「は————…………あっ」
羨ましいと、斗貴哉様が耳元で囁く。
耳朶に吐息がかかり、やんわりと滑った舌と歯の感触がして、背筋から腹にかけて痺れるような快感が走った。
「——ひっ! やだっもうっ~~! 後ろやだっ! 離してくれって……離せ!」
耳を噛まれてちょっと覚醒した俺は、これまで味わったことのない得体の知れない快楽に怖くなって、その強い体の下から抜け出ようと必死でもがいた。
「陽太郎さんは元気ですね。あー……でも涙が。初めてだし、怖いのは当たり前ですよね。ごめんなさい。怖がらせて。大丈夫ですよ、痛くしませんから」
斗貴哉様が俺の頬に手を添え、チュッと音を立ててキスをする。
俺は瞬間ギュッと目をつむり、次に開けたとき、俺のまつ毛は涙の雫で濡れていて、そこでようやく、恐怖からか、はたまた不本意な快楽のせいか、自分が泣いていたことに気がついた。
「ふふ、普段強がってる子が泣く姿もまた愛らしいですね。——私はね、陽太郎さん。狙ったアルファの男をオメガにすることができるんですよ。こうして相手を発情状態にさせて、相手がイクときに首筋を噛むんです。そうやって相手をアルファからオメガに転換させることができるんですよ」
「——うそ、なにそれ……」
俺の口から引きつった声が出る。
斗貴哉様の言っている意味が、うまく理解できない。
アルファをオメガにだって?
「嘘じゃないですよ。それが花咲家の擬態オメガだけに与えられた能力なんです。といっても、まだ私も試したことはないので半信半疑ですが。でも同じ擬態オメガだった祖父はこうやってアルファの男を妻にし、孕ませました。あなたを発情させられたということは、可能なはずです。私が産むはずだった子を、あなたが産むんですよ、陽太郎さん」
俺に覆いかぶさるようにして、斗貴哉様はとても美しく笑った。その微笑みは恐ろしいほどに美しく、そしてあまりに妖艶で、斗貴哉様から垂れ下がる絹のような艶やかな黒髪は、まるで俺を閉じ込める鋼の檻のようだった。
「い、いやだ……! 俺はオメガになんかならない……!」
「——ああ、かわいい陽太郎さん。その表情は本当にそそりますね。見てください。私のものもこんなに」
「——ひ」
俺の上で膝立ちになった斗貴哉様がガウンの裾を広げると、そこには線の細い斗貴哉様とはひどく不釣り合いな、あまりに太く長い、それこそ肉棒と呼ぶのに相応しい巨大なものがそそり勃っていた。
「や、やだ……」
「ほら、陽太郎さん。触ってみて。ね、ここ膨らんでるでしょう? 私も発情してるんですよ」
俺の手を無理やり掴んで、やや上気した顔の斗貴哉様は発情したアルファの証を触らせた。
コリッとした膨らみが指に触る。亀頭球だ。人のを見るのも初めてだし、訳分かんなくて信じられないけど、本当に斗貴哉様はアルファなんだと、さっきの話は本当なんだと、はっきりと自覚させられ、俺の目にまた涙がじんわり滲むのを感じた。
「これがあなたの中に入ると、もっと大きく膨らむんです。あなたがオメガになれば、延々と種付けできますね」
「……そんなデカイやつ、入らない」
泣いているせいで、鼻がグズッと音をたてる。
「大丈夫。さっきしっかり慣らしましたから。……ねえ、陽太郎さん。私はもう我慢できないんです。ああ、これからあなたの中に挿入れるかと思うと私は……」
「やっ………………ひっ——んん…………!」
斗貴哉様からのキスに、口を閉じて拒絶を試みたものの、ペニスをいきなり握られた俺は思わず声を上げ、そこに舌がスルリと滑り込んできた。
口内を探り舌を絡み取られ、強く吸われているとまた頭がぼんやりとしてくる。
恐怖と快感が俺の中でせめぎ合う。
泣くほど怖いのに、差し出された舌に抵抗できず、導かれるようについ舌を絡めてしまう。
「ん——……もしかして、こういうキスも初めてだった? ぎこちないのも初々しくて可愛いね。ああ嬉しいな、陽太郎さんの初めてをたくさん貰えて」
——完全に斗貴哉様にのまれていた俺は、もうただ夢中で斗貴哉様の舌を吸い、自ら腰を振って硬くなったペニスを斗貴哉様のペニスに擦りつけていた。
「痛くないように、潤滑油を使っただけですよ」
やたら滑りのよくなった斗貴哉様の指が、俺の中で動き回る。
内側を擦り上げながら、指が何度も出し挿れされ、そのなんとも言えない気持ち悪さに、腰を浮かせたり捻ったりしてみるが、なんの効果もない。
俺はそれに耐えようと体を固くしていたが、指が2本になる頃には、だんだんと気持ち悪さは薄れ、頭がぼーっとし始めた。
(あ——なんだこれ。腹の奥がじんじんしてくる)
斗貴哉様の指がゆっくりと抜き差しされ、時折折り中の敏感なところを抉るように擦りあげる。
その度に俺の口からは悲鳴のような声が漏れ、こみ上げる快感にどうしようもなく体を反らし、腰を揺らした。
俺の頭は完全に快楽に支配され、もうイクこと以外何も考えられなくなっていた。
「あっ、あっ、そこ、指、そこイイ……っ斗貴哉、様……」
「ふふ、可愛いな陽太郎さん。ここも良くなってきました? でもイクのはまだだめ。今日は初夜ですからね。まだまだこれからですよ。——ああ、そうだ話の続きを。そう、なぜアルファがアルファを誘惑するのかってところまででしたよね」
斗貴哉様が俺に話しかけている。
でも俺の意識は斗貴哉様の指に翻弄され、頭に入ってこない。
「あっあっ……いい、そこ…………あっ」
「強いアルファを確実に生むには、やはりアルファ同士が1番でしょう? でも女性のアルファが少ない中、アルファ同士が結ばれることも、アルファ同士が子供を作ることもかなり難しい。ああ陽太郎さんのご両親はアルファ同士でしたね。とても珍しいのですよ、アルファ同士で二人も子供をもうけることは。さぞ、仲がよろしいのでしょうね」
「は————…………あっ」
羨ましいと、斗貴哉様が耳元で囁く。
耳朶に吐息がかかり、やんわりと滑った舌と歯の感触がして、背筋から腹にかけて痺れるような快感が走った。
「——ひっ! やだっもうっ~~! 後ろやだっ! 離してくれって……離せ!」
耳を噛まれてちょっと覚醒した俺は、これまで味わったことのない得体の知れない快楽に怖くなって、その強い体の下から抜け出ようと必死でもがいた。
「陽太郎さんは元気ですね。あー……でも涙が。初めてだし、怖いのは当たり前ですよね。ごめんなさい。怖がらせて。大丈夫ですよ、痛くしませんから」
斗貴哉様が俺の頬に手を添え、チュッと音を立ててキスをする。
俺は瞬間ギュッと目をつむり、次に開けたとき、俺のまつ毛は涙の雫で濡れていて、そこでようやく、恐怖からか、はたまた不本意な快楽のせいか、自分が泣いていたことに気がついた。
「ふふ、普段強がってる子が泣く姿もまた愛らしいですね。——私はね、陽太郎さん。狙ったアルファの男をオメガにすることができるんですよ。こうして相手を発情状態にさせて、相手がイクときに首筋を噛むんです。そうやって相手をアルファからオメガに転換させることができるんですよ」
「——うそ、なにそれ……」
俺の口から引きつった声が出る。
斗貴哉様の言っている意味が、うまく理解できない。
アルファをオメガにだって?
「嘘じゃないですよ。それが花咲家の擬態オメガだけに与えられた能力なんです。といっても、まだ私も試したことはないので半信半疑ですが。でも同じ擬態オメガだった祖父はこうやってアルファの男を妻にし、孕ませました。あなたを発情させられたということは、可能なはずです。私が産むはずだった子を、あなたが産むんですよ、陽太郎さん」
俺に覆いかぶさるようにして、斗貴哉様はとても美しく笑った。その微笑みは恐ろしいほどに美しく、そしてあまりに妖艶で、斗貴哉様から垂れ下がる絹のような艶やかな黒髪は、まるで俺を閉じ込める鋼の檻のようだった。
「い、いやだ……! 俺はオメガになんかならない……!」
「——ああ、かわいい陽太郎さん。その表情は本当にそそりますね。見てください。私のものもこんなに」
「——ひ」
俺の上で膝立ちになった斗貴哉様がガウンの裾を広げると、そこには線の細い斗貴哉様とはひどく不釣り合いな、あまりに太く長い、それこそ肉棒と呼ぶのに相応しい巨大なものがそそり勃っていた。
「や、やだ……」
「ほら、陽太郎さん。触ってみて。ね、ここ膨らんでるでしょう? 私も発情してるんですよ」
俺の手を無理やり掴んで、やや上気した顔の斗貴哉様は発情したアルファの証を触らせた。
コリッとした膨らみが指に触る。亀頭球だ。人のを見るのも初めてだし、訳分かんなくて信じられないけど、本当に斗貴哉様はアルファなんだと、さっきの話は本当なんだと、はっきりと自覚させられ、俺の目にまた涙がじんわり滲むのを感じた。
「これがあなたの中に入ると、もっと大きく膨らむんです。あなたがオメガになれば、延々と種付けできますね」
「……そんなデカイやつ、入らない」
泣いているせいで、鼻がグズッと音をたてる。
「大丈夫。さっきしっかり慣らしましたから。……ねえ、陽太郎さん。私はもう我慢できないんです。ああ、これからあなたの中に挿入れるかと思うと私は……」
「やっ………………ひっ——んん…………!」
斗貴哉様からのキスに、口を閉じて拒絶を試みたものの、ペニスをいきなり握られた俺は思わず声を上げ、そこに舌がスルリと滑り込んできた。
口内を探り舌を絡み取られ、強く吸われているとまた頭がぼんやりとしてくる。
恐怖と快感が俺の中でせめぎ合う。
泣くほど怖いのに、差し出された舌に抵抗できず、導かれるようについ舌を絡めてしまう。
「ん——……もしかして、こういうキスも初めてだった? ぎこちないのも初々しくて可愛いね。ああ嬉しいな、陽太郎さんの初めてをたくさん貰えて」
——完全に斗貴哉様にのまれていた俺は、もうただ夢中で斗貴哉様の舌を吸い、自ら腰を振って硬くなったペニスを斗貴哉様のペニスに擦りつけていた。
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