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番外編
番外編 犬になったレイズン3(完)
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ハクラシスはまず、外から館の内部を調査し始めた。
レインは犯人たちが出入りしていると思われる、かつて館の使用人が使っていた扉の周囲を警戒している。だが向こう見ずに突撃することは悪手。中には入らず、まずは外からどこに人がいるかを調べることが先決だ。
これまでの経験上、犯人がいるなら1階。人質は地下か人目につきにくい収納部屋と相場が決まっている。
だからまず、犯人がどこにいるのかをしっかりと把握してから行動に移す。
——今回の事件は、おとぎ話を装った単純な誘拐事件だとハクラシスは考えていた。
金持ちの子供を誘拐し、犬をその子供に見立てて家に帰す。子供の好きなものは菓子だとか味の濃い飯や肉だとか単純だから、子供の好物はだいたい犬も好きだろうし、賢い犬なら名もすぐに覚えるだろう。そして犬にはたびたび家にある金品を持ち帰らせ、金になりそうだと分かった時点で犬に紙を持たせ、最終的に子供と身代金を交換し、子供を家に帰す。
帰した子供が口を割ると困るので、帰す前に薬か何かで一時的に意識を混濁させるか何かしているのだろう。
(子供だから家に帰したのかもしれないが、これがもし大人であったなら?)
もし本当にレイズンがこの事件の犯人に捕まっているとしたら、大人である彼を無事解放するだろうか。
一瞬、過去のあの事件のことが思い出された。髪が逆立つような怒りが込み上がり、どうにかなってしまいそうな感情を抑え込もうと、思わず足元にいたレインを抱き上げた。
「——大丈夫だ。大丈夫。よし捜査を続けるぞ」
そうして館を壁伝いに蜘蛛が這うようにして進み行き、とうとう人の声がする部屋を見つけた。やはり思った通り犯人は1階の部屋にいた。
それにしても誰も来ないと思っているのか、窓は塞がれているもののひび割れ穴が開き、中からは明かりも声も漏れてしまっている。
(杜撰なタイプの犯人だな)
何を言っているかまでは分からないが、漏れて聞こえる声からして、犯人は3人。これならハクラシス1人でも余裕で制圧できる人数だ。
いけると判断したハクラシスは、レインが警戒していたあの使用人の出入り口のほうに向かった。
犯人は相当間抜けなのか、扉には鍵すらかかっておらず、簡単に入り込むことができた。
(なんだあっけないな)
そっと犯人らがいる部屋近くまで足を忍ばせると、廊下に上機嫌な男たちの声が聞こえ始めた。用心しながら少しだけドアを開け、中の様子を見る。
「田舎の商人どもは、みんな単純で助かるな~!」
「犬を自分の子供だと普通信じるか? 金もすぐに持ってくるし、こんなラクな儲け方して大丈夫か心配になるな」
「でもそろそろここを引き上げねーと、役人に知らせる奴が出てきちまうぜ」
「そうだな、結構稼がせてもらったし、今いる子供を帰したらトンズラするか」
「あの犬、金持って帰ってくるかねー」
「家に結構金あるみたいだから、今頃かき集めてる頃だろーさ」
酒でも飲んでいるのか、ギャハハと大笑いする犯人らに呆れていると、突然足元にいたレインが「ウー」と低い唸り声をあげた。
静かにしろとハクラシスが慌てて静止しようとしたが、もう遅かった。
レインはこれまで聞いたことがないような声を出すと、ハクラシスが止めるのも聞かずに勢いよく中に突進してしまった。
「待て! レイズン!!」
「ひっ! なんだこのクソ犬!!」
「どこから入りやがった!!」
ハクラシスが飛び込むと、レインは1人の男の腕に噛みつき、腕にぶらんとぶら下がり、もう1人の男がレインをむしり取ろうとしているところだった。
「レイズンを離せ!!」
飛びかかろうとした瞬間、レインは壁に投げ飛ばされ「キャヒ」と鳴いた。
ハクラシスの頭にカッと血が上り、気がついた時には男たちは血だらけで床に転がっていた。
壁に投げつけられたレインも無事だったようで、誇らしげに1人の男を踏みつけていた。
「……しまった。捕縛するだけのつもりが、派手にやってしまった」
とりあえず、意識のある奴を無理やり立たせて、誘拐した子供たちのいる場所に案内させると、案の定子供たちは、キッチン横のひんやりとして狭く暗い貯蔵庫の中にいた。
「おい、子供はこれだけか」
「……全部で今は3人だ」
子供たちは3人。「ヨナスはいるか」と聞くと、1人の子供が震える声で「僕です」と答えた。すでに頭がぼんやりする薬を使われたのではと懸念していたが、はっきりとした受け答えに、無事だと判断したハクラシスは安堵した。母親の喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
しかしこの中には子供しかいない。
「大人は? 誘拐した者の中に大人もいるだろう! どこに隠した!」
「はぁ? 大人なんざ誘拐してねぇよ! 大人なんか誘拐したら、早々に足がついちまうじゃねえか」
「いないだと? まさかすでに殺したとか言うんじゃないだろうな!」
「ひっ! こ、殺すってなんのことだよ! 俺たちは金は奪うけど、殺しゃしねーよ」
「家に帰していない子もいたはずだ! その子らと一緒に殺して埋めたんじゃないだろうな!」
「大人は知らねーって! 親が金払わなかった子は、山に離したよ! 探せばどこかで生きてんじゃねーのか」
「子供を山に? なんて奴らだ……!」
ひとまず男らをその辺にあった布や紐でまとめて縛り上げ、身動きできないようにすると、残った子供らを連れて外に出た。
抱っこ布を回収後、街へ一緒に戻るよう促すと、最初ハクラシスに怯えていた子供らも、愛らしいレインがいたおかげで、次第に元気を取り戻し、胸を張って歩くレインの後をついて街まで戻ることができた。
そうしてハクラシスが子供らを連れて帰ると、街は大騒ぎになった。
ハクラシスはとりあえず街の男たちに自警団を結成するように伝えると、犯人の居場所と帰ってきていない子供らの捜索をするように告げた。
そして面倒なことになる前に、混乱に乗じてレインと馬に乗りこの街を出た。
「さて弱ったな」
てっきり誘拐事件に巻き込まれたと思っていたが、そうではなかったらしい。
もう日が暮れて、すっかり夜だというのに、やはり小屋は真っ暗なままで、レイズンは帰っていなかった。
小屋に戻るとレインを抱っこ布から出し、おかみさんから貰った燻製肉をやると、レインは美味そうに食んでいた。
(これが本当にレイズンであるならば、体はどうなったんだ。もし本当にこのままだったら、俺はどうしたらいい?)
ハクラシスは柔らかな毛に覆われたレインの背を撫でてやりながら、レイズンのことを考えていた。
朝ちゃんと話を聞いてやっていれば、こんなことにはならなかったのだ。出て行った時、すぐにでも追いかけていれば……。呑気にしていた自分を恨み、後悔ばかりが頭に浮かぶ。
「——お前を元に戻してやらないとな」
ハクラシスは、肉の余韻を楽しむにように自身の口の周りをぺろぺろと舐めるレインを抱っこ布に入れると、肩に提げた。
そしてランプの明かりを手に、西の山に向かった。
今日の事件の元になった妖精奇譚。ハクラシスはその話を思い出したのだ。
——妖精の庭には綺麗な花々が咲き乱れ、美味しい木の実や果実が実っている。もしそれを人間が断りもなく勝手に手折ったり、食べたりしたら、妖精たちは怒って、犬の姿に変えてしまう。
たしかそんな話だった。小さい頃に聞いた話だから、細かいことは忘れてしまったが、野山で見知らぬきれいな場所に出たら要注意だと、ハクラシスは父から教わっていた。
だがそれは、山で美しい場所に出たらそれは貴族が所有する土地に出たからであり、貴族の土地に無断で入ったら、刑罰が与えられるという教訓なのだとばかり思っていた。
レイズンが昨日採ってきた野いちご。レイズンはまるでそこはニンフが遊ぶ庭のようだと言った。それが本当に妖精の庭だったとしたら?
抱っこ布の中で揺られウトウトしているレインを、ハクラシスは手で撫でながら山へと入った。
レイズンが言っていた場所がどこか推測しながら、暗闇の中をランプだけを頼りに進んでいく。
この辺りは狩りでもよく来る場所だが、レイズンが言っていたような場所に出たことは一度もない。道に迷えば一巻の終わりだが、ハクラシスにはなぜだかそこに辿りつける、そんな確信めいたものがあった。
虫の声とレインの寝息を聞きながら、ハクラシスが1人山を歩いていると、急にレインの耳がピクピクと動き出し、「キャヒ」と言いながら、もがくようにしてハクラシスの懐から転がり出て、地面に降りた。
「どうしたレイズン」
急に走り出したレインを追うと、目の前に眩しいくらいに白く輝く花の野が現れた。
「これは……!」
そこには白い花だけではなく、レイズンが採ってきたのと同じ種類の真っ赤な野いちごが、しっかりと実っている。
「ここだ!」
白い花の中に駆け入ると、陣でも描かれたかのように草が刈り取られた場所に、レイズンが丸くなって寝ていた。
「レイズン!!」
駆け寄り抱き起こすが、レイズンは眠ったまま動かない。
「レイズン! レイズン!」
普通に息はある。だが何度呼びかけても動かないレイズンに不安になりながらも、ここがあの妖精奇譚の場所であると、確信した。
「妖精に許しを乞わなければ」
こういう場合、妖精に捧げ物をして許しを得ることが定説だ。
何かないかと抱っこ布を漁ると、肉屋のおかみさんから貰ったジャムの瓶と、酒屋で買った酒が出てきた。
ハクラシスは酒を出すことを躊躇しかけたが、背に腹は代えられない。これだけ珍しい酒なのだから妖精も満足してくれるだろう。
そう考え、甘いジャムと美味い酒の瓶を出し、恭しく供えた。
そして「庭を荒らし申し訳なかった。採ってしまったいちごを戻すことはできないが、こうして詫びの品を供えた。この子は返してもらうぞ」と告げ、背中に担いだ。
急いでこの場を去ろうと、白い花をかき分けようとしたその瞬間、足元にいたレインが、レイズンの寝ていた場所に飛び込んだ。
「レイズン!?」
それは一瞬の出来事だった。
いきなりパッと光が立ち込め、あまりの眩しさに目を閉じたハクラシスが、次に目を開けたとき、レイズンを背中に背負ったまま、何もないいつもの山の中で立ち尽くしていた。
「レイズン……? レイン……どこだレイン!」
虫の声が響く真っ暗な山の中で、レインを呼ぶが、あの愛らしい「ヒャン」という声は戻ってこなかった。
だがレインの代わりに、背中でレイズンが「んん……」と声を出し、もぞもぞと動いた。
「レイズン! 気が付いたか!」
「ん……あれ、ハクラシス?」
「俺がわかるか!?」
「ん……」
「……そうか。具合は悪くないか?」
「すごく眠い……」
「すぐに小屋に戻ろう。腹もすいてるだろう」
朝も少ししか食べていないはずだから、余計に力が出ないのだろうと、ハクラシスはレイズンを背負ったまま小屋へ戻る道を辿りはじめた。
「俺……さっきまで夢見てた」
「……どんな夢だ?」
「へへ、よく覚えてないんですけど、小さな犬になって、ハクラシスとなんだかすごい冒険をしたんです。すごく楽しかった」
「……そうか。小屋に戻ろうレイズン。さ、喋っていると、揺れて舌を噛むぞ」
「へへへ」
小屋に着いてからレイズンにスープを注いでやりながら、ハクラシスはもう一度その夢の話について尋ねた。だがレイズンの記憶はすでに曖昧になっていて、ぼんやりとしか覚えていないようだった。
だがハクラシスの肩には、レインを入れていた抱っこ布が下がっていたし、その中にはレインが肉屋のおかみさんから貰った燻製肉が入っていた。それがレインが存在したことの何よりの証拠だった。
「レインは俺に似てました?」
「似てたな。食い意地がはっていて、こう、手足が短いのに必死で、テーブルの上にあったジャムの瓶を取ろうとした」
「俺、そこまで食い意地はってませんし、手足は短くないです」
ブスくれたようにレイズンが言うと、ハクラシスは少し笑った。
「はは、そうだな。体型は似ていなかった。だが食い意地はそうだろう。おかげで妖精たちの野いちごに手を出した挙句犬にされた。でも愛らしかったな。毛の密度が高くて、ふわふわなんだ。……お前の髪の毛によく似ていた」
ハクラシスはベッドに腰掛け、気怠げに寝転ぶレイズンの頭を、レインにしたのと同じように優しく撫でると、「ヒャン」と鳴く代わりにレイズンはへへへと笑った。
「……朝はすまなかった。俺がちゃんとお前に向き合っていれば、こんな厄介事に巻き込まれなかったのに」
結局のところ、小さな街でおこった誘拐事件とレイズンが犬になったことは、まったくの無関係だった。ハクラシスにしてみればただの徒労ではあったのだが、まあ誘拐された子供たちを保護できたことを考えれば、役に立ててよかったといえる。あとは山に放置された子供らが無事であればいいのだが。
「勝手に飛び出した俺も悪かったんです。でも見たかったなぁ~。ハクラシスが小さいワンちゃんと活躍するところ」
「実際一緒にいたのはお前だからな」
「でも俺からは見えなかったし。楽しかったなーくらいで、もうあまり覚えてないですし」
「お前が行方不明になって、俺は肝が冷えたんだぞ」
「俺だって、まさかあそこか妖精の禁忌の庭だなんて知らなかったんですよ。勝手に迷いこまされて、あそこにあるものを採ったら犬になるだなんて、ひどい冗談ですよ!」
「まあな。ああいう存在はもともと理不尽なものだ。だが無事に見つけられてよかった」
ハクラシスは心底そう思いながら、レイズンの頭にキスをした。
あのまま居場所が分からなかったら、レイズンは一生犬のままだったかもしれない。そう思うとゾッとする。
「……そういえば、最近上の空だった理由を聞いてませんけど」
「……そうだな。元はと言えば、俺が隠し事をしていたのが悪かった」
「隠し事?」
「実はだな。俺の部屋を改築しようと思ってる」
「え? 改築?」
「ベッドが、ほら二人で寝るには狭いだろう。そろそろ大きなサイズにしなければと思って、街の家具職人に相談したんだ。そうしたら、今の部屋の大きさだと部屋がベッドで埋まるから、少し広くしたほうがいいと言われてな。それでプランを練っていた」
「ベッドを大きいものに変えるんですか!?」
レイズンが驚きの声を上げて、ガバッと起き上がった。
「ああ。今のベッドよりふた回りほど大きくなる」
「やったーーーー!!」
歓喜の声を上げて、レイズンはハクラシスに抱きついた。
「これで、どんなに寝相が悪くても落ちなくて済むぞ」
「でも今のベッドはどうするんです!? 俺のとお揃いのやつ」
今あるハクラシスのベッドは、レイズンがここに来たときに、部屋を増築するついでにレイズンのものと一緒に作ってもらったものだ。レイズンは、この2人揃いのベッドをことのほか気に入っていた。
新しく大きなベッドがくるのは嬉しいが、思い出深いベッドがなくなるのはやっぱり寂しい。
「まだ使えるし、廃棄は勿体ないからな。このベッドの使える部分を再利用して、作り替えてもらう予定だ。もちろんデザインもそのままで。改装が終わるまでは、しばらくお前の部屋で寝かることになるが……」
「全然問題ないですよ! それにベッドが大きくなるってことは、もうずっと毎日一緒に寝てもいいってことですよね! 俺、すっごい嬉しいです!」
「わ! こら、レイズン」
「へへ!」
まるでレインがそうしたように、レイズンはハクラシスの顔中にキスの雨を降らせると、ハクラシスも嫌がる素振りをしながらも、最後は2人でもつれあうようにベッドに倒れ込んだ。
翌日、そしてその後何度か、ハクラシスとレイズンはあの妖精の庭のあった場所へ足を運んだ。しかし結局それらしい場所の発見には至らず、レインの姿も見ることはなかった。
——だが時折、ハクラシスはあの薄茶の柔らかな毛の感触が恋しくなる。そんなときは、何気ない顔でレイズンの髪を撫でては、犬にしては変な鳴き声を持つあの愛らしい姿を密かに懐かしんだ。
そしてあの小さな街で起こった、子供が犬になって戻ってくる事件解決の噂は、この街にも広がった。事件解決に導いた男の素性は結局わからずじまいとのことだったが、その名も知れぬ子犬を連れた英雄の話を聞くたび、酒屋の店主だけは「まさかなぁ」という顔でハクラシスを見るのだった。
レインは犯人たちが出入りしていると思われる、かつて館の使用人が使っていた扉の周囲を警戒している。だが向こう見ずに突撃することは悪手。中には入らず、まずは外からどこに人がいるかを調べることが先決だ。
これまでの経験上、犯人がいるなら1階。人質は地下か人目につきにくい収納部屋と相場が決まっている。
だからまず、犯人がどこにいるのかをしっかりと把握してから行動に移す。
——今回の事件は、おとぎ話を装った単純な誘拐事件だとハクラシスは考えていた。
金持ちの子供を誘拐し、犬をその子供に見立てて家に帰す。子供の好きなものは菓子だとか味の濃い飯や肉だとか単純だから、子供の好物はだいたい犬も好きだろうし、賢い犬なら名もすぐに覚えるだろう。そして犬にはたびたび家にある金品を持ち帰らせ、金になりそうだと分かった時点で犬に紙を持たせ、最終的に子供と身代金を交換し、子供を家に帰す。
帰した子供が口を割ると困るので、帰す前に薬か何かで一時的に意識を混濁させるか何かしているのだろう。
(子供だから家に帰したのかもしれないが、これがもし大人であったなら?)
もし本当にレイズンがこの事件の犯人に捕まっているとしたら、大人である彼を無事解放するだろうか。
一瞬、過去のあの事件のことが思い出された。髪が逆立つような怒りが込み上がり、どうにかなってしまいそうな感情を抑え込もうと、思わず足元にいたレインを抱き上げた。
「——大丈夫だ。大丈夫。よし捜査を続けるぞ」
そうして館を壁伝いに蜘蛛が這うようにして進み行き、とうとう人の声がする部屋を見つけた。やはり思った通り犯人は1階の部屋にいた。
それにしても誰も来ないと思っているのか、窓は塞がれているもののひび割れ穴が開き、中からは明かりも声も漏れてしまっている。
(杜撰なタイプの犯人だな)
何を言っているかまでは分からないが、漏れて聞こえる声からして、犯人は3人。これならハクラシス1人でも余裕で制圧できる人数だ。
いけると判断したハクラシスは、レインが警戒していたあの使用人の出入り口のほうに向かった。
犯人は相当間抜けなのか、扉には鍵すらかかっておらず、簡単に入り込むことができた。
(なんだあっけないな)
そっと犯人らがいる部屋近くまで足を忍ばせると、廊下に上機嫌な男たちの声が聞こえ始めた。用心しながら少しだけドアを開け、中の様子を見る。
「田舎の商人どもは、みんな単純で助かるな~!」
「犬を自分の子供だと普通信じるか? 金もすぐに持ってくるし、こんなラクな儲け方して大丈夫か心配になるな」
「でもそろそろここを引き上げねーと、役人に知らせる奴が出てきちまうぜ」
「そうだな、結構稼がせてもらったし、今いる子供を帰したらトンズラするか」
「あの犬、金持って帰ってくるかねー」
「家に結構金あるみたいだから、今頃かき集めてる頃だろーさ」
酒でも飲んでいるのか、ギャハハと大笑いする犯人らに呆れていると、突然足元にいたレインが「ウー」と低い唸り声をあげた。
静かにしろとハクラシスが慌てて静止しようとしたが、もう遅かった。
レインはこれまで聞いたことがないような声を出すと、ハクラシスが止めるのも聞かずに勢いよく中に突進してしまった。
「待て! レイズン!!」
「ひっ! なんだこのクソ犬!!」
「どこから入りやがった!!」
ハクラシスが飛び込むと、レインは1人の男の腕に噛みつき、腕にぶらんとぶら下がり、もう1人の男がレインをむしり取ろうとしているところだった。
「レイズンを離せ!!」
飛びかかろうとした瞬間、レインは壁に投げ飛ばされ「キャヒ」と鳴いた。
ハクラシスの頭にカッと血が上り、気がついた時には男たちは血だらけで床に転がっていた。
壁に投げつけられたレインも無事だったようで、誇らしげに1人の男を踏みつけていた。
「……しまった。捕縛するだけのつもりが、派手にやってしまった」
とりあえず、意識のある奴を無理やり立たせて、誘拐した子供たちのいる場所に案内させると、案の定子供たちは、キッチン横のひんやりとして狭く暗い貯蔵庫の中にいた。
「おい、子供はこれだけか」
「……全部で今は3人だ」
子供たちは3人。「ヨナスはいるか」と聞くと、1人の子供が震える声で「僕です」と答えた。すでに頭がぼんやりする薬を使われたのではと懸念していたが、はっきりとした受け答えに、無事だと判断したハクラシスは安堵した。母親の喜ぶ顔が目に浮かぶようだ。
しかしこの中には子供しかいない。
「大人は? 誘拐した者の中に大人もいるだろう! どこに隠した!」
「はぁ? 大人なんざ誘拐してねぇよ! 大人なんか誘拐したら、早々に足がついちまうじゃねえか」
「いないだと? まさかすでに殺したとか言うんじゃないだろうな!」
「ひっ! こ、殺すってなんのことだよ! 俺たちは金は奪うけど、殺しゃしねーよ」
「家に帰していない子もいたはずだ! その子らと一緒に殺して埋めたんじゃないだろうな!」
「大人は知らねーって! 親が金払わなかった子は、山に離したよ! 探せばどこかで生きてんじゃねーのか」
「子供を山に? なんて奴らだ……!」
ひとまず男らをその辺にあった布や紐でまとめて縛り上げ、身動きできないようにすると、残った子供らを連れて外に出た。
抱っこ布を回収後、街へ一緒に戻るよう促すと、最初ハクラシスに怯えていた子供らも、愛らしいレインがいたおかげで、次第に元気を取り戻し、胸を張って歩くレインの後をついて街まで戻ることができた。
そうしてハクラシスが子供らを連れて帰ると、街は大騒ぎになった。
ハクラシスはとりあえず街の男たちに自警団を結成するように伝えると、犯人の居場所と帰ってきていない子供らの捜索をするように告げた。
そして面倒なことになる前に、混乱に乗じてレインと馬に乗りこの街を出た。
「さて弱ったな」
てっきり誘拐事件に巻き込まれたと思っていたが、そうではなかったらしい。
もう日が暮れて、すっかり夜だというのに、やはり小屋は真っ暗なままで、レイズンは帰っていなかった。
小屋に戻るとレインを抱っこ布から出し、おかみさんから貰った燻製肉をやると、レインは美味そうに食んでいた。
(これが本当にレイズンであるならば、体はどうなったんだ。もし本当にこのままだったら、俺はどうしたらいい?)
ハクラシスは柔らかな毛に覆われたレインの背を撫でてやりながら、レイズンのことを考えていた。
朝ちゃんと話を聞いてやっていれば、こんなことにはならなかったのだ。出て行った時、すぐにでも追いかけていれば……。呑気にしていた自分を恨み、後悔ばかりが頭に浮かぶ。
「——お前を元に戻してやらないとな」
ハクラシスは、肉の余韻を楽しむにように自身の口の周りをぺろぺろと舐めるレインを抱っこ布に入れると、肩に提げた。
そしてランプの明かりを手に、西の山に向かった。
今日の事件の元になった妖精奇譚。ハクラシスはその話を思い出したのだ。
——妖精の庭には綺麗な花々が咲き乱れ、美味しい木の実や果実が実っている。もしそれを人間が断りもなく勝手に手折ったり、食べたりしたら、妖精たちは怒って、犬の姿に変えてしまう。
たしかそんな話だった。小さい頃に聞いた話だから、細かいことは忘れてしまったが、野山で見知らぬきれいな場所に出たら要注意だと、ハクラシスは父から教わっていた。
だがそれは、山で美しい場所に出たらそれは貴族が所有する土地に出たからであり、貴族の土地に無断で入ったら、刑罰が与えられるという教訓なのだとばかり思っていた。
レイズンが昨日採ってきた野いちご。レイズンはまるでそこはニンフが遊ぶ庭のようだと言った。それが本当に妖精の庭だったとしたら?
抱っこ布の中で揺られウトウトしているレインを、ハクラシスは手で撫でながら山へと入った。
レイズンが言っていた場所がどこか推測しながら、暗闇の中をランプだけを頼りに進んでいく。
この辺りは狩りでもよく来る場所だが、レイズンが言っていたような場所に出たことは一度もない。道に迷えば一巻の終わりだが、ハクラシスにはなぜだかそこに辿りつける、そんな確信めいたものがあった。
虫の声とレインの寝息を聞きながら、ハクラシスが1人山を歩いていると、急にレインの耳がピクピクと動き出し、「キャヒ」と言いながら、もがくようにしてハクラシスの懐から転がり出て、地面に降りた。
「どうしたレイズン」
急に走り出したレインを追うと、目の前に眩しいくらいに白く輝く花の野が現れた。
「これは……!」
そこには白い花だけではなく、レイズンが採ってきたのと同じ種類の真っ赤な野いちごが、しっかりと実っている。
「ここだ!」
白い花の中に駆け入ると、陣でも描かれたかのように草が刈り取られた場所に、レイズンが丸くなって寝ていた。
「レイズン!!」
駆け寄り抱き起こすが、レイズンは眠ったまま動かない。
「レイズン! レイズン!」
普通に息はある。だが何度呼びかけても動かないレイズンに不安になりながらも、ここがあの妖精奇譚の場所であると、確信した。
「妖精に許しを乞わなければ」
こういう場合、妖精に捧げ物をして許しを得ることが定説だ。
何かないかと抱っこ布を漁ると、肉屋のおかみさんから貰ったジャムの瓶と、酒屋で買った酒が出てきた。
ハクラシスは酒を出すことを躊躇しかけたが、背に腹は代えられない。これだけ珍しい酒なのだから妖精も満足してくれるだろう。
そう考え、甘いジャムと美味い酒の瓶を出し、恭しく供えた。
そして「庭を荒らし申し訳なかった。採ってしまったいちごを戻すことはできないが、こうして詫びの品を供えた。この子は返してもらうぞ」と告げ、背中に担いだ。
急いでこの場を去ろうと、白い花をかき分けようとしたその瞬間、足元にいたレインが、レイズンの寝ていた場所に飛び込んだ。
「レイズン!?」
それは一瞬の出来事だった。
いきなりパッと光が立ち込め、あまりの眩しさに目を閉じたハクラシスが、次に目を開けたとき、レイズンを背中に背負ったまま、何もないいつもの山の中で立ち尽くしていた。
「レイズン……? レイン……どこだレイン!」
虫の声が響く真っ暗な山の中で、レインを呼ぶが、あの愛らしい「ヒャン」という声は戻ってこなかった。
だがレインの代わりに、背中でレイズンが「んん……」と声を出し、もぞもぞと動いた。
「レイズン! 気が付いたか!」
「ん……あれ、ハクラシス?」
「俺がわかるか!?」
「ん……」
「……そうか。具合は悪くないか?」
「すごく眠い……」
「すぐに小屋に戻ろう。腹もすいてるだろう」
朝も少ししか食べていないはずだから、余計に力が出ないのだろうと、ハクラシスはレイズンを背負ったまま小屋へ戻る道を辿りはじめた。
「俺……さっきまで夢見てた」
「……どんな夢だ?」
「へへ、よく覚えてないんですけど、小さな犬になって、ハクラシスとなんだかすごい冒険をしたんです。すごく楽しかった」
「……そうか。小屋に戻ろうレイズン。さ、喋っていると、揺れて舌を噛むぞ」
「へへへ」
小屋に着いてからレイズンにスープを注いでやりながら、ハクラシスはもう一度その夢の話について尋ねた。だがレイズンの記憶はすでに曖昧になっていて、ぼんやりとしか覚えていないようだった。
だがハクラシスの肩には、レインを入れていた抱っこ布が下がっていたし、その中にはレインが肉屋のおかみさんから貰った燻製肉が入っていた。それがレインが存在したことの何よりの証拠だった。
「レインは俺に似てました?」
「似てたな。食い意地がはっていて、こう、手足が短いのに必死で、テーブルの上にあったジャムの瓶を取ろうとした」
「俺、そこまで食い意地はってませんし、手足は短くないです」
ブスくれたようにレイズンが言うと、ハクラシスは少し笑った。
「はは、そうだな。体型は似ていなかった。だが食い意地はそうだろう。おかげで妖精たちの野いちごに手を出した挙句犬にされた。でも愛らしかったな。毛の密度が高くて、ふわふわなんだ。……お前の髪の毛によく似ていた」
ハクラシスはベッドに腰掛け、気怠げに寝転ぶレイズンの頭を、レインにしたのと同じように優しく撫でると、「ヒャン」と鳴く代わりにレイズンはへへへと笑った。
「……朝はすまなかった。俺がちゃんとお前に向き合っていれば、こんな厄介事に巻き込まれなかったのに」
結局のところ、小さな街でおこった誘拐事件とレイズンが犬になったことは、まったくの無関係だった。ハクラシスにしてみればただの徒労ではあったのだが、まあ誘拐された子供たちを保護できたことを考えれば、役に立ててよかったといえる。あとは山に放置された子供らが無事であればいいのだが。
「勝手に飛び出した俺も悪かったんです。でも見たかったなぁ~。ハクラシスが小さいワンちゃんと活躍するところ」
「実際一緒にいたのはお前だからな」
「でも俺からは見えなかったし。楽しかったなーくらいで、もうあまり覚えてないですし」
「お前が行方不明になって、俺は肝が冷えたんだぞ」
「俺だって、まさかあそこか妖精の禁忌の庭だなんて知らなかったんですよ。勝手に迷いこまされて、あそこにあるものを採ったら犬になるだなんて、ひどい冗談ですよ!」
「まあな。ああいう存在はもともと理不尽なものだ。だが無事に見つけられてよかった」
ハクラシスは心底そう思いながら、レイズンの頭にキスをした。
あのまま居場所が分からなかったら、レイズンは一生犬のままだったかもしれない。そう思うとゾッとする。
「……そういえば、最近上の空だった理由を聞いてませんけど」
「……そうだな。元はと言えば、俺が隠し事をしていたのが悪かった」
「隠し事?」
「実はだな。俺の部屋を改築しようと思ってる」
「え? 改築?」
「ベッドが、ほら二人で寝るには狭いだろう。そろそろ大きなサイズにしなければと思って、街の家具職人に相談したんだ。そうしたら、今の部屋の大きさだと部屋がベッドで埋まるから、少し広くしたほうがいいと言われてな。それでプランを練っていた」
「ベッドを大きいものに変えるんですか!?」
レイズンが驚きの声を上げて、ガバッと起き上がった。
「ああ。今のベッドよりふた回りほど大きくなる」
「やったーーーー!!」
歓喜の声を上げて、レイズンはハクラシスに抱きついた。
「これで、どんなに寝相が悪くても落ちなくて済むぞ」
「でも今のベッドはどうするんです!? 俺のとお揃いのやつ」
今あるハクラシスのベッドは、レイズンがここに来たときに、部屋を増築するついでにレイズンのものと一緒に作ってもらったものだ。レイズンは、この2人揃いのベッドをことのほか気に入っていた。
新しく大きなベッドがくるのは嬉しいが、思い出深いベッドがなくなるのはやっぱり寂しい。
「まだ使えるし、廃棄は勿体ないからな。このベッドの使える部分を再利用して、作り替えてもらう予定だ。もちろんデザインもそのままで。改装が終わるまでは、しばらくお前の部屋で寝かることになるが……」
「全然問題ないですよ! それにベッドが大きくなるってことは、もうずっと毎日一緒に寝てもいいってことですよね! 俺、すっごい嬉しいです!」
「わ! こら、レイズン」
「へへ!」
まるでレインがそうしたように、レイズンはハクラシスの顔中にキスの雨を降らせると、ハクラシスも嫌がる素振りをしながらも、最後は2人でもつれあうようにベッドに倒れ込んだ。
翌日、そしてその後何度か、ハクラシスとレイズンはあの妖精の庭のあった場所へ足を運んだ。しかし結局それらしい場所の発見には至らず、レインの姿も見ることはなかった。
——だが時折、ハクラシスはあの薄茶の柔らかな毛の感触が恋しくなる。そんなときは、何気ない顔でレイズンの髪を撫でては、犬にしては変な鳴き声を持つあの愛らしい姿を密かに懐かしんだ。
そしてあの小さな街で起こった、子供が犬になって戻ってくる事件解決の噂は、この街にも広がった。事件解決に導いた男の素性は結局わからずじまいとのことだったが、その名も知れぬ子犬を連れた英雄の話を聞くたび、酒屋の店主だけは「まさかなぁ」という顔でハクラシスを見るのだった。
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ご感想ありがとうございます!
今回の番外編も最後までお楽しみいただけたようで、とても嬉しいです。
動物ネタ書くか迷っていたネタだったので、ホッといたしました。
また次に番外編を書くことになれば、その時もどうぞよろしくお願いいたします🙇
お久しぶりです(*^^*)わ~い!!番外編ありがとうございます✨ハクラシスがお尻に敷かれてるwレーズン、ワンちゃんに変身!?どうなるんでしょう?更新、楽しみです。
久々の更新に、早々のご感想をありがとうございます!
すっかり慣れた生活に、ちょっとした事件発生です笑
主人公不在ですが、お楽しみいただけると幸いです!
レイズン、相変わらず可愛くて(*´▽`*)ハクラシスちょっといけずで、にまにましながら読ませていただきました(^-^ゞこのカップル大好きですo(*⌒―⌒*)o
きかる様、感想ありがとうございます!
連載終了後もこうして読み返して頂けるのは、本当にありがたいことですね。嬉しすぎてレイズンとハクラシスが私の中で小躍りしております。
今年中には続きを更新しようと思っていますので、またそのときにはよろしくお願いします!