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番外編
番外編SS レイズンの夜 / ハクラシスの朝
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小屋に戻ってきてから、レイズンは一人寝をすると決まって怖い夢を見た。
はっきりとした夢ではないが、寝覚めがひどく悪い。
あの過去の事件の夢でもなく、なんというかすごく心が不安になるような夢だ。
そう、まるでハクラシスがいなくなってしまうのではという、そんな恐怖。
おそらくハクラシスが魔獣討伐で負傷した時のことが、小さな棘としてちょっと心に引っかかっているのだろうと思う。
こんな夢、そのうち見なくなるだろうとは思うが、ここの生活にすっかり戻りきるまでは続くのだろう。
そしてこの日の夜もレイズンは一人寝で、やはり怖い夢を見ていた。
夢は暗闇。それしか分からない。
強い不安感にもがいて目を開けると、そのぼんやりとした暗い天井に、一瞬まだ騎士団の寮にいるのかと錯覚し、ハクラシスがいない不安がさらに強く襲いかかる。
……しばらくし目が暗闇に慣れ、ここが小屋の自分の部屋だと分かると、レイズンはようやく安堵しベッドの中でホッと息をついた。
小屋に戻ったばかりの頃は二人一緒に寝ていたのだが、ずっと一緒だと狭いベッドではゆっくり寝られないだろうと、ハクラシスが一緒に寝る日を週に三日までと決めたのだ。
勿論それは最近寝相が悪く、寝返りを打つたびにハクラシスを起こしてしまうレイズンが悪いのだが。
だがこんなに夢見が悪くては、ゆっくりなど寝ていられない。
すぐにでもハクラシスの顔が見たくなったレイズンは、おもむろに布団から這い出して、上掛けを腕に抱えると、足音を立てないよう気をつけながら裸足でハクラシスの部屋に向かった。
ハクラシスが起きないようそろっとドアを開け、ベッドを見た。
いつものようにハクラシスが布団にくるまった状態で、ベッドを半分空けて壁のほうに向かって寝ている。
スースーと寝息が聞こえ、なんだかすごくホッとして、レイズンから不安な心がすーっときれいに消え去った。
レイズンは布団をかぶると空いた側にごろんと寝転がり、ハクラシスの背中にもぞもぞと顔を寄せた。
いつものハクラシスの匂いがする。
(へへ)
グリグリと顔をすり寄せ胸いっぱいに匂いを吸い込むと、なんだか嬉しくて一人でニヤニヤした。
寝顔が見たくなって、そっと体を起こして上から覗き込むと、暗闇の中眼帯を外した横顔がぼんやりと見える。
スースーという寝息の途中で、一瞬止まる時があって、それが面白くてしばらく眺めていると、ふあ~とレイズンの口から欠伸が出た。
(もう寝よう)
レイズンはチュッとハクラシスの頬に口付けると、背中にしがみつくようにして寝転がり、目を瞑った。
もうレイズンの心には、不安はかけらも残っていない。
それからしばらくしてこの部屋には、それまで聞こえていたハクラシスの寝息にかぶるようにして、レイズンの寝息が聞こえ始めた。
◇◇
一人寝をし始めてから、レイズンが朝方ベッドに潜り込んでくるようになった。
狭いベッドに体の大きな男二人では、体を伸ばしてゆっくりも寝ていられないだろうと、二人で寝る日を制限したのだが……。
ハクラシスはまだ少し暗いうちに起きると、後ろでスピスピと寝息を立てるレイズンを見て、頬を緩めた。
この小屋に戻ってからというもの、ほぼ毎日のように二人は共寝をし、体を重ねている。
勿論ハクラシスは未だに不能のままだが、あの張型を使ってみたりと、セックスの真似事のようなことはできている。
だがさすがに毎日のようにやるのは駄目だろう。
だんだんと歯止めが効かなくなってきている気がして、ハクラシスはベッドの狭さを理由に共寝の日を減らしてみたのだが、若いレイズンにはちょっと物足りなかったのかもしれない。
一人寝の日にはレイズンは決まってベッドに潜り込んでくるようになり、最近ではいつでもレイズンが寝に来られるよう、ハクラシスはベッドを半分空けて寝るようにしていた。
(甘やかし過ぎか)
一度だけ、レイズンが夜中に部屋に忍び込んで来たことに気付いて起きたことがある。
レイズンはそっと狭いベッドに潜り込み、しがみつくように寝転がり、グリグリと背中に顔をすり寄せていた。
そして寝る前に頬にキスをして、またしがみつくように寝転がり、眠るのだ。
あまりに愛らしくて、レイズンが寝入るまで寝たふりをしてしまった。
寂しくて部屋にくるレイズンには気の毒だが、こんな風にされていると思うと、一人寝の日が楽しみになってしまう。
日が昇りカーテンの隙間から光が差し込み、薄暗い部屋の中を照らす。
レイズンの顔にも真っ白な光の筋がかかり、眠ったまま眩しそうに眉間にシワを寄せた。
顔にかからないようカーテンを直してやるとそのシワが緩み、締まりのない表情になるのもまた愛らしく、いつまでも眺めていたくなる。
それなら毎日一緒に寝ればいいのにと思うかもしれないが、やはり狭いベッドで男二人体を小さくして眠るには限界がある。
寝返りをするのにも気を使うようでは、そのうち寝不足で体を悪くするだろう。
(この問題は、いずれ解決しないといけないな)
隣で布団にくるまり口を開けて寝ているレイズンの頬を、ハクラシスは優しく指で撫でた。
レイズンが少し微笑んだように見え、ハクラシスも目を細めた。
(さてと、そろそろ起きなければ)
明日はうまい朝飯を作るんだと昨晩レイズンが張り切っていたが、さていつ起こそうかと、幸せそうに眠るレイズンを見ながら考えた。
夜中に起きたくらいだから、たぶん寝不足に違いない。このまましばらく寝かせてやりたいが……。
「おい、レイズン! 起きないか! もう朝だぞ」
ハクラシスが意を決して布団をはぐと、丸まって寝ていたレイズンはその勢いでゴロンとベッドに転がりでた。
「ひゃっ」
「ほらもう朝だ! 朝飯を作るんじゃなかったのか? のんびりしているとすぐに昼だぞ」
「ふわー……もう朝ですか~……」
レイズンはうーんと伸びをすると、大きな欠伸をした。
それからまだ開ききらない目が布団を抱えるハクラシスを捉えると、へへへと笑った。
「おはようございます」
「目が覚めたか? おはようレイズン。……なんだその顔は」
目をつむったまま唇を尖らせて、こちらに手を伸ばすレイズンに、ハクラシスがわざとらしく眉を寄せた。
「ほら、キスですよ、朝のキス!」
おどけたようにキスをねだるレイズンに、ハクラシスの頬は思わず緩みそうになるが、すぐに気を引き締め、ゴホンと咳払いした。
「ほら、これでいいだろう」
頬に軽くチュッと挨拶程度に口づけると、レイズンが「ちぇっ」と拗ねたふりをしながらも、へへへと楽しそうだ。
「ちゃんとしたキスが欲しければ、しっかりと働け!」
「了解です! 小隊長殿!」
騎士団での上官からの号令のように冗談めかせば、レイズンも調子を合わせ、ヨレヨレの寝巻き姿のままその場でビシッと敬礼をしてみせた。
「よし、では3分後にキッチンだ。さっさと着替えて用意をしろ!」
「はっ」
キス欲しさにか、起き抜けでもレイズンは号令にきびきびと反応し、ハクラシスから自分が持ち込んだ上掛けを受け取ると、バタバタと自分の部屋に戻っていった。
「朝から飽きないな」
レイズンの背中を見送りながら、ハクラシスは堪えていた笑いをこっそり吹き出した。
はっきりとした夢ではないが、寝覚めがひどく悪い。
あの過去の事件の夢でもなく、なんというかすごく心が不安になるような夢だ。
そう、まるでハクラシスがいなくなってしまうのではという、そんな恐怖。
おそらくハクラシスが魔獣討伐で負傷した時のことが、小さな棘としてちょっと心に引っかかっているのだろうと思う。
こんな夢、そのうち見なくなるだろうとは思うが、ここの生活にすっかり戻りきるまでは続くのだろう。
そしてこの日の夜もレイズンは一人寝で、やはり怖い夢を見ていた。
夢は暗闇。それしか分からない。
強い不安感にもがいて目を開けると、そのぼんやりとした暗い天井に、一瞬まだ騎士団の寮にいるのかと錯覚し、ハクラシスがいない不安がさらに強く襲いかかる。
……しばらくし目が暗闇に慣れ、ここが小屋の自分の部屋だと分かると、レイズンはようやく安堵しベッドの中でホッと息をついた。
小屋に戻ったばかりの頃は二人一緒に寝ていたのだが、ずっと一緒だと狭いベッドではゆっくり寝られないだろうと、ハクラシスが一緒に寝る日を週に三日までと決めたのだ。
勿論それは最近寝相が悪く、寝返りを打つたびにハクラシスを起こしてしまうレイズンが悪いのだが。
だがこんなに夢見が悪くては、ゆっくりなど寝ていられない。
すぐにでもハクラシスの顔が見たくなったレイズンは、おもむろに布団から這い出して、上掛けを腕に抱えると、足音を立てないよう気をつけながら裸足でハクラシスの部屋に向かった。
ハクラシスが起きないようそろっとドアを開け、ベッドを見た。
いつものようにハクラシスが布団にくるまった状態で、ベッドを半分空けて壁のほうに向かって寝ている。
スースーと寝息が聞こえ、なんだかすごくホッとして、レイズンから不安な心がすーっときれいに消え去った。
レイズンは布団をかぶると空いた側にごろんと寝転がり、ハクラシスの背中にもぞもぞと顔を寄せた。
いつものハクラシスの匂いがする。
(へへ)
グリグリと顔をすり寄せ胸いっぱいに匂いを吸い込むと、なんだか嬉しくて一人でニヤニヤした。
寝顔が見たくなって、そっと体を起こして上から覗き込むと、暗闇の中眼帯を外した横顔がぼんやりと見える。
スースーという寝息の途中で、一瞬止まる時があって、それが面白くてしばらく眺めていると、ふあ~とレイズンの口から欠伸が出た。
(もう寝よう)
レイズンはチュッとハクラシスの頬に口付けると、背中にしがみつくようにして寝転がり、目を瞑った。
もうレイズンの心には、不安はかけらも残っていない。
それからしばらくしてこの部屋には、それまで聞こえていたハクラシスの寝息にかぶるようにして、レイズンの寝息が聞こえ始めた。
◇◇
一人寝をし始めてから、レイズンが朝方ベッドに潜り込んでくるようになった。
狭いベッドに体の大きな男二人では、体を伸ばしてゆっくりも寝ていられないだろうと、二人で寝る日を制限したのだが……。
ハクラシスはまだ少し暗いうちに起きると、後ろでスピスピと寝息を立てるレイズンを見て、頬を緩めた。
この小屋に戻ってからというもの、ほぼ毎日のように二人は共寝をし、体を重ねている。
勿論ハクラシスは未だに不能のままだが、あの張型を使ってみたりと、セックスの真似事のようなことはできている。
だがさすがに毎日のようにやるのは駄目だろう。
だんだんと歯止めが効かなくなってきている気がして、ハクラシスはベッドの狭さを理由に共寝の日を減らしてみたのだが、若いレイズンにはちょっと物足りなかったのかもしれない。
一人寝の日にはレイズンは決まってベッドに潜り込んでくるようになり、最近ではいつでもレイズンが寝に来られるよう、ハクラシスはベッドを半分空けて寝るようにしていた。
(甘やかし過ぎか)
一度だけ、レイズンが夜中に部屋に忍び込んで来たことに気付いて起きたことがある。
レイズンはそっと狭いベッドに潜り込み、しがみつくように寝転がり、グリグリと背中に顔をすり寄せていた。
そして寝る前に頬にキスをして、またしがみつくように寝転がり、眠るのだ。
あまりに愛らしくて、レイズンが寝入るまで寝たふりをしてしまった。
寂しくて部屋にくるレイズンには気の毒だが、こんな風にされていると思うと、一人寝の日が楽しみになってしまう。
日が昇りカーテンの隙間から光が差し込み、薄暗い部屋の中を照らす。
レイズンの顔にも真っ白な光の筋がかかり、眠ったまま眩しそうに眉間にシワを寄せた。
顔にかからないようカーテンを直してやるとそのシワが緩み、締まりのない表情になるのもまた愛らしく、いつまでも眺めていたくなる。
それなら毎日一緒に寝ればいいのにと思うかもしれないが、やはり狭いベッドで男二人体を小さくして眠るには限界がある。
寝返りをするのにも気を使うようでは、そのうち寝不足で体を悪くするだろう。
(この問題は、いずれ解決しないといけないな)
隣で布団にくるまり口を開けて寝ているレイズンの頬を、ハクラシスは優しく指で撫でた。
レイズンが少し微笑んだように見え、ハクラシスも目を細めた。
(さてと、そろそろ起きなければ)
明日はうまい朝飯を作るんだと昨晩レイズンが張り切っていたが、さていつ起こそうかと、幸せそうに眠るレイズンを見ながら考えた。
夜中に起きたくらいだから、たぶん寝不足に違いない。このまましばらく寝かせてやりたいが……。
「おい、レイズン! 起きないか! もう朝だぞ」
ハクラシスが意を決して布団をはぐと、丸まって寝ていたレイズンはその勢いでゴロンとベッドに転がりでた。
「ひゃっ」
「ほらもう朝だ! 朝飯を作るんじゃなかったのか? のんびりしているとすぐに昼だぞ」
「ふわー……もう朝ですか~……」
レイズンはうーんと伸びをすると、大きな欠伸をした。
それからまだ開ききらない目が布団を抱えるハクラシスを捉えると、へへへと笑った。
「おはようございます」
「目が覚めたか? おはようレイズン。……なんだその顔は」
目をつむったまま唇を尖らせて、こちらに手を伸ばすレイズンに、ハクラシスがわざとらしく眉を寄せた。
「ほら、キスですよ、朝のキス!」
おどけたようにキスをねだるレイズンに、ハクラシスの頬は思わず緩みそうになるが、すぐに気を引き締め、ゴホンと咳払いした。
「ほら、これでいいだろう」
頬に軽くチュッと挨拶程度に口づけると、レイズンが「ちぇっ」と拗ねたふりをしながらも、へへへと楽しそうだ。
「ちゃんとしたキスが欲しければ、しっかりと働け!」
「了解です! 小隊長殿!」
騎士団での上官からの号令のように冗談めかせば、レイズンも調子を合わせ、ヨレヨレの寝巻き姿のままその場でビシッと敬礼をしてみせた。
「よし、では3分後にキッチンだ。さっさと着替えて用意をしろ!」
「はっ」
キス欲しさにか、起き抜けでもレイズンは号令にきびきびと反応し、ハクラシスから自分が持ち込んだ上掛けを受け取ると、バタバタと自分の部屋に戻っていった。
「朝から飽きないな」
レイズンの背中を見送りながら、ハクラシスは堪えていた笑いをこっそり吹き出した。
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