41 / 41
コウの失踪4※
しおりを挟む
「画策……?」
「ああ。日中はずっと見合い相手といるように言われたり、その……夜、部屋を一緒にされたり、とかな。俺はもう決めた相手がいるからってはっきり言ったんだが、裕福な街の男にいいように弄ばれているんだろうって思ったらしく、もうあっちへは戻らず今ここで結婚しろってうるさくてな」
「な、なんだと——」
弄ぶだと!?
俺がコウさんを弄ぶはずなどない!
しかも好みのタイプの女性と同衾までさせられたとは……!
「へ、部屋を一緒にとは、その、大丈夫だったのか」
「あ、当たり前だ! ——あちらも気の毒がってくれてな。他にお相手がいるなら仕方がない、私のことは気にするなと言ってくれた。気立のいいお嬢さんで、セイドリックと出会う前だったなら、躊躇せず結婚していただろうな」
——なんだかそれを聞いて、俺はちょっと落ち込んだ。
相手は若く容姿のいい働き者の男を婿にできると聞いて、村に来たはずだ。
事実コウさんは顔もいいし、働き者で、きっと本人を見て期待したに違いない。
でも実際は、同性の恋人がいて、結婚を拒否していると分かって、かなりショックだっただろう。
いつも振られてばかりの俺だから、その気持ちはよく分かる。
これが俺だったら、俺もその女性のように『気にするな』と言ってしまっただろう。
ましてや『今の恋人がいなかったら、あなたと結婚していた』と言われたら、相手を憎んでしまいそうだ。
「セイドリック、すまなかった。こんな話で」
「いや、いい。コウさんが黙って行った理由が分かったからな」
「本当ならもっと早く余裕を持って帰る予定だったんだが、村で引き止められて遅くなってしまった」
そう、きっとスムーズにいっていれば、俺にこんなバレ方はしなかっただろう。
そういうことなら尚更言って欲しかったと、思う俺は心が狭い男だろうか。
「……いや、本当にいいんだ。それよりどうやって納得してもらったんだ?」
「実はこの腕輪が役に立った。相手とのつながりの証拠となるようなものを見せろと言われて、この腕輪を見せたんだ。さすが親父たちはいろいろな街で仕事をしてきただけあって、この腕輪の意味にもすぐに気がついたよ。すごい効力だったぞ」
コウさんはそう言って腕輪をさすりながら、嬉しそうに笑った。
「——と、いうことは、その、コウさんは俺との……」
そう、その腕輪を出してきたということは、その、俺のプロポーズは……。
「ああ。返事が遅くなってすまかった。俺はお前とずっと一緒にいたい。愛してる。セイドリック」
その返事を聞いて俺は椅子から立ち上がり、コウさんの元へと駆け寄ると、椅子から立ち上がりかけたコウさんを、無我夢中でしがみつくように抱きしめた。
「プロポーズのことは、先に親父を納得させてから返事をしたかった。結局あんたから貰ったものに頼ってしまったけどな。返事が遅くなってすまなかったな。……なんだ、セイドリック。泣いてるのか?」
泣いている? 俺が?
ああ、そうかもしれない。俺から流れ出る涙で、洗ったばかりのコウさんの髪がまた濡れている。
目を開けると、涙の視界にコウさんの笑顔がぼやけて見えた。
顔を傾けるとコウさんが目を閉じて、そっと唇に口付けると、コウさんがもっとだ足りないぞと言わんばかりに吸い付いてきて、舌が俺の口に滑り込んでくるのを、俺は夢中で吸い上げた。
コウさんの舌からはほんのりとお茶の味がして、ああコウさんさんだって、コウさんとこれからもずっと一緒にいられるんだと、嬉しさが実感となって込み上げる。
「ん……セイドリック、待たせてすまなかった」
「いつまでも待つつもりだった。次は俺も一緒に村に行こう」
しゃぶりつくように口付けし、体を弄ると、もうすでに股間が硬い。
「あー……久々だしな。あっちにいる時もセイドリックのことばかり考えていた」
はにかむように笑うコウさんがさらに愛しい。
下履きの中に手を入れ、尻を掴むと「ん……」とコウさんが体を捻り、俺の股間に腰を押し付ける。
俺のモノももうすっかり準備万端で、正直いってガチガチだ。
堪らずすぐそばの壁にコウさんを押し付け深く口付けると、コウさんが俺の腰に足を巻きつけ、股間を密着させてきた。
「な、すぐしたい。ダメか?」
ダメな訳がない!!
コウさんの下履きを尻からずらし脱がせると、俺は自分の下履きから勃ち上がったモノを取り出し、グッと押し当てた。
ヌルッと先端が入り込み、コウさんの口から息が漏れる。
コウさんを壁に押し付けたまま、下から押し上げるようにして挿入すると、俺の肩に置かれた手に力が入るのを感じた。
「ふ————あ、……ああっ」
先はすぐに入ったが、途中からはひどく狭く、そこをこじ開けるように何度も下から突き上げ、そのたびにコウさんは「あっ、あっ」と高い声をあげ、俺の肩にしがみつく。
尻の入り口が柔らかい。
コウさんはさっき俺が悶々としている間、1人で後ろをほぐしたのだろうか。
ずっと何もしていなかったにしては、やけに柔らかかった。俺が見ていない間にやったんだろうと思うと、ひどく興奮する。コウさんが俺とすることを想像しながら、後ろをいじるなんて。
「あ、ひっ——あ、ああ————!」
あまりの興奮に、一度大きく抜いて下から思い切り突き上げると、コウさんは悲鳴のような声をあげ、身悶えつつ中を締め上げた。
「ッく——」
「セイドリック——あ、すご————うあっ」
「コウさん、コウさん……!」
そのまま腰を抱え上げ、下から容赦なく何度も激しく突き上げると、コウさんが耐えるように俺の首にしがみつき、耳元で「イク、イク」と吐息ともつかぬ声を漏らす。
コウさんのうねった肉壁は俺のモノにしっかりと絡みつき、吐息とともにキュウキュウと締め付けてくる。それはまるで早く中に子種を注げといわんばかりで、俺は早く出したい衝動に駆られるがなんとか耐えてみせる。
「セ、セイドリック……」
まるでのぼせたように上気した顔は艶かしく、コウさんがこんなとろけたような表情を見せるのは俺だけ——。
「セイドリ——んんっ!」
しゃぶりつくように口付けし、コウさんの一番感じやすい場所を狙ってカリを擦らせた。
その瞬間、コウさんの腹がブルブルッと震え、これまでにないくらいの締め付けに襲われた。
コウさんの口からが涎とともに「あ……あ……」と細い声が漏れ、体が一気に弛緩する。コウさんの体が崩れ落ちそうになるのを、俺は抱き止めたまま、中に勢いよく射精した。
ああ、こんなに幸せなことってあるだろうか。
俺の贈った腕輪をはめ、コウさんは俺に愛していると言ってくれた。
時折ピクピクと痙攣するように、俺の吐精に反応するこの体が、愛おしくて堪らない。
肩で息をするので精一杯のコウさんの体を支えたまま、俺は近くの椅子に座った。
まだ俺のモノはコウさんの中に挿入ったままで、時折中が少し萎えかけた俺のモノを撫でるように締め付けてくる、その余韻を愉しむ。
「コウさん、愛している」
抱きしめたコウさんからは、イッたばかりのドキドキと早鐘のような振動が伝わってくる。
そして俺の股間は、コウさんの尻から垂れてくるもので滑っていくのを感じ、再び突き上げたい衝動に駆られる。
「ん、セイドリック。は——……俺も、愛してる」
コウさんはそんな俺の気持ちを知ってか、ゆっくりと腰を上げると、熱のこもった目で俺に微笑み、自ら腰を沈めた——。
ーーーーーーー
これでこちらのお話は最後となります。
完結後、久々の更新となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
「ああ。日中はずっと見合い相手といるように言われたり、その……夜、部屋を一緒にされたり、とかな。俺はもう決めた相手がいるからってはっきり言ったんだが、裕福な街の男にいいように弄ばれているんだろうって思ったらしく、もうあっちへは戻らず今ここで結婚しろってうるさくてな」
「な、なんだと——」
弄ぶだと!?
俺がコウさんを弄ぶはずなどない!
しかも好みのタイプの女性と同衾までさせられたとは……!
「へ、部屋を一緒にとは、その、大丈夫だったのか」
「あ、当たり前だ! ——あちらも気の毒がってくれてな。他にお相手がいるなら仕方がない、私のことは気にするなと言ってくれた。気立のいいお嬢さんで、セイドリックと出会う前だったなら、躊躇せず結婚していただろうな」
——なんだかそれを聞いて、俺はちょっと落ち込んだ。
相手は若く容姿のいい働き者の男を婿にできると聞いて、村に来たはずだ。
事実コウさんは顔もいいし、働き者で、きっと本人を見て期待したに違いない。
でも実際は、同性の恋人がいて、結婚を拒否していると分かって、かなりショックだっただろう。
いつも振られてばかりの俺だから、その気持ちはよく分かる。
これが俺だったら、俺もその女性のように『気にするな』と言ってしまっただろう。
ましてや『今の恋人がいなかったら、あなたと結婚していた』と言われたら、相手を憎んでしまいそうだ。
「セイドリック、すまなかった。こんな話で」
「いや、いい。コウさんが黙って行った理由が分かったからな」
「本当ならもっと早く余裕を持って帰る予定だったんだが、村で引き止められて遅くなってしまった」
そう、きっとスムーズにいっていれば、俺にこんなバレ方はしなかっただろう。
そういうことなら尚更言って欲しかったと、思う俺は心が狭い男だろうか。
「……いや、本当にいいんだ。それよりどうやって納得してもらったんだ?」
「実はこの腕輪が役に立った。相手とのつながりの証拠となるようなものを見せろと言われて、この腕輪を見せたんだ。さすが親父たちはいろいろな街で仕事をしてきただけあって、この腕輪の意味にもすぐに気がついたよ。すごい効力だったぞ」
コウさんはそう言って腕輪をさすりながら、嬉しそうに笑った。
「——と、いうことは、その、コウさんは俺との……」
そう、その腕輪を出してきたということは、その、俺のプロポーズは……。
「ああ。返事が遅くなってすまかった。俺はお前とずっと一緒にいたい。愛してる。セイドリック」
その返事を聞いて俺は椅子から立ち上がり、コウさんの元へと駆け寄ると、椅子から立ち上がりかけたコウさんを、無我夢中でしがみつくように抱きしめた。
「プロポーズのことは、先に親父を納得させてから返事をしたかった。結局あんたから貰ったものに頼ってしまったけどな。返事が遅くなってすまなかったな。……なんだ、セイドリック。泣いてるのか?」
泣いている? 俺が?
ああ、そうかもしれない。俺から流れ出る涙で、洗ったばかりのコウさんの髪がまた濡れている。
目を開けると、涙の視界にコウさんの笑顔がぼやけて見えた。
顔を傾けるとコウさんが目を閉じて、そっと唇に口付けると、コウさんがもっとだ足りないぞと言わんばかりに吸い付いてきて、舌が俺の口に滑り込んでくるのを、俺は夢中で吸い上げた。
コウさんの舌からはほんのりとお茶の味がして、ああコウさんさんだって、コウさんとこれからもずっと一緒にいられるんだと、嬉しさが実感となって込み上げる。
「ん……セイドリック、待たせてすまなかった」
「いつまでも待つつもりだった。次は俺も一緒に村に行こう」
しゃぶりつくように口付けし、体を弄ると、もうすでに股間が硬い。
「あー……久々だしな。あっちにいる時もセイドリックのことばかり考えていた」
はにかむように笑うコウさんがさらに愛しい。
下履きの中に手を入れ、尻を掴むと「ん……」とコウさんが体を捻り、俺の股間に腰を押し付ける。
俺のモノももうすっかり準備万端で、正直いってガチガチだ。
堪らずすぐそばの壁にコウさんを押し付け深く口付けると、コウさんが俺の腰に足を巻きつけ、股間を密着させてきた。
「な、すぐしたい。ダメか?」
ダメな訳がない!!
コウさんの下履きを尻からずらし脱がせると、俺は自分の下履きから勃ち上がったモノを取り出し、グッと押し当てた。
ヌルッと先端が入り込み、コウさんの口から息が漏れる。
コウさんを壁に押し付けたまま、下から押し上げるようにして挿入すると、俺の肩に置かれた手に力が入るのを感じた。
「ふ————あ、……ああっ」
先はすぐに入ったが、途中からはひどく狭く、そこをこじ開けるように何度も下から突き上げ、そのたびにコウさんは「あっ、あっ」と高い声をあげ、俺の肩にしがみつく。
尻の入り口が柔らかい。
コウさんはさっき俺が悶々としている間、1人で後ろをほぐしたのだろうか。
ずっと何もしていなかったにしては、やけに柔らかかった。俺が見ていない間にやったんだろうと思うと、ひどく興奮する。コウさんが俺とすることを想像しながら、後ろをいじるなんて。
「あ、ひっ——あ、ああ————!」
あまりの興奮に、一度大きく抜いて下から思い切り突き上げると、コウさんは悲鳴のような声をあげ、身悶えつつ中を締め上げた。
「ッく——」
「セイドリック——あ、すご————うあっ」
「コウさん、コウさん……!」
そのまま腰を抱え上げ、下から容赦なく何度も激しく突き上げると、コウさんが耐えるように俺の首にしがみつき、耳元で「イク、イク」と吐息ともつかぬ声を漏らす。
コウさんのうねった肉壁は俺のモノにしっかりと絡みつき、吐息とともにキュウキュウと締め付けてくる。それはまるで早く中に子種を注げといわんばかりで、俺は早く出したい衝動に駆られるがなんとか耐えてみせる。
「セ、セイドリック……」
まるでのぼせたように上気した顔は艶かしく、コウさんがこんなとろけたような表情を見せるのは俺だけ——。
「セイドリ——んんっ!」
しゃぶりつくように口付けし、コウさんの一番感じやすい場所を狙ってカリを擦らせた。
その瞬間、コウさんの腹がブルブルッと震え、これまでにないくらいの締め付けに襲われた。
コウさんの口からが涎とともに「あ……あ……」と細い声が漏れ、体が一気に弛緩する。コウさんの体が崩れ落ちそうになるのを、俺は抱き止めたまま、中に勢いよく射精した。
ああ、こんなに幸せなことってあるだろうか。
俺の贈った腕輪をはめ、コウさんは俺に愛していると言ってくれた。
時折ピクピクと痙攣するように、俺の吐精に反応するこの体が、愛おしくて堪らない。
肩で息をするので精一杯のコウさんの体を支えたまま、俺は近くの椅子に座った。
まだ俺のモノはコウさんの中に挿入ったままで、時折中が少し萎えかけた俺のモノを撫でるように締め付けてくる、その余韻を愉しむ。
「コウさん、愛している」
抱きしめたコウさんからは、イッたばかりのドキドキと早鐘のような振動が伝わってくる。
そして俺の股間は、コウさんの尻から垂れてくるもので滑っていくのを感じ、再び突き上げたい衝動に駆られる。
「ん、セイドリック。は——……俺も、愛してる」
コウさんはそんな俺の気持ちを知ってか、ゆっくりと腰を上げると、熱のこもった目で俺に微笑み、自ら腰を沈めた——。
ーーーーーーー
これでこちらのお話は最後となります。
完結後、久々の更新となりましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
53
この作品の感想を投稿する
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる