3 / 11
王子とかいて『勘違い野郎』と読む③
しおりを挟む「全然濡れてないじゃないか」
そう言われてカチンときた。
首をかしげるユージーンの口調にはどこか責めるような響きがあったから。
「だって全然気持ちよくないんだもん」
「気持ちよくない?」
そんな馬鹿な、とつぶやきながら突然秘口に指を突っ込んできた。
一本だけだったけど、あたしはまだ全然濡れてないし興奮してないしでまったくほぐれていない。
ズキッと鋭い痛みにとっさに悲鳴をあげた。
「痛い!」
抗議に耳を貸さず、ユージーンは指を抜いてくれない。
遠慮も思いやりもなくぐいぐい中で動かされ、カッとなったあたしは思わずこめかみに「おらぁ!」と拳骨をお見舞いしていた。
突然の攻撃にユージーンは無様にベッドの上を転がった。
「ふがっ。……な、な、何をする!」
「それはこっちのセリフでしょ!?」
「僕はこの国の王子だぞっ!」
「はあ!?」
だからなんなのよ!
「痛いって言ってるのが聞こえなかったの!?」
「痛いはずないんだっ、きみの体がおかしいんだ!」
「はあああっ?」
乱れた着衣を直しつつ後ずさった。
ユージーンを睨み付けドアを指差した。
「出てって」
「シルビア」
「今すぐ出てって!」
「いやだね」
吐き捨てるように言うとユージーンが飛びかかってきた。
「ちょっと!」
ベッドに押し倒されて再びの馬乗り。
起き上がって押しやろうとすると、腕をひとまとめに掴まれ頭上で固定された。
反対の手で自身の下肢をくつろげ、ユージーンが下卑た笑みを浮かべた。
「きみが悪いんだぞシルビア。おとなしくしていないから……」
「やめてってば! ちょ」
「優しくしてほしかったら、ごめんなさいと言え」
「はあああ?」
こいつ何様なの!?
いや王子様ってのはこの際関係ない!
腕を拘束されつつも身をよじって抵抗した。
あきらめの悪いあたしに舌打ちしてユージーンがパンティの脇から指を突っ込む。
雑に布地をずらすと、屹立をソコにあてがった。
ブチッと頭の中で音がした。
「やめてって……言ってるでしょうがああああ!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
123
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる