10 / 10
10 しょうじょとたたかいまえ
しおりを挟む
さて、私は今、生まれて初めての男を見ているということなのだが、
「また、ここから逃げるつもりか!?」
記念すべき第一号がこんなのとは...。
味方ではないことは...確かだ。仮にやつが味方だったとしても何か嫌だ。
キラちゃんは...、まだしゃべれないみたいだ。私を殺すとかといっていたし、複雑な事情があるのかもしれない。
思えば、おかしい点はいくつかあった。
いかだから、そこまで離れていない場所でいきなり溺れて見つかったし、そのあと普通に泳いでたし。
こんな見え透いた演技に騙されるなんて、もしかしなくても私、いくらなんでもちょろすぎるかなあ。
でも...。
隣で泣きながら、こちらに向かって何かを伝えようとしているキラを見ていたら、騙されてる、なんて思っていた心はなくなっていた。何を伝えようとしているのかはわからない。しかし、今私がとるべき行動はわかった。
私は体制を整えると、キッと、男をにらみ直した。
後ろでキラちゃんの緊張が途切れる音がした。
それを聞いて、私も安堵を浮かべる。男もこちらがにらんでいることに気づいたらしく、にらみ返してきた。
全身で悪を表現したかのような服装の男。
顔は適度に剃られた黒ひげに包まれており、深くかぶった帽子のせいで顔は詳しくみえない。
手には長い棒のようなものを持っている。武器だろうか?
第一印象は海賊だ。
この男以外には、人の姿はみえない。もしかしてひとりぼっちだろうか。こんなに大きな船を一人で使うなんて、かわいそうな。
と思ったら、中からぞろぞろ出てきた。
男ばかりで構成された乗組員を合わせるともう海賊にしかみえない。
「死にたくなかったら、いかだごと全部おいてけ!」
本物のかたでしたか。
もちろん返事は「NO」だ。
相手がこちらの命を狙っているのならば、なにしてもいいだろう。
触手を出すのもこんな状況ならばしょうがない。
バックに渦巻いている複雑ななにかを考えるより先に、
まずはこいつらを何とかしますか!
「また、ここから逃げるつもりか!?」
記念すべき第一号がこんなのとは...。
味方ではないことは...確かだ。仮にやつが味方だったとしても何か嫌だ。
キラちゃんは...、まだしゃべれないみたいだ。私を殺すとかといっていたし、複雑な事情があるのかもしれない。
思えば、おかしい点はいくつかあった。
いかだから、そこまで離れていない場所でいきなり溺れて見つかったし、そのあと普通に泳いでたし。
こんな見え透いた演技に騙されるなんて、もしかしなくても私、いくらなんでもちょろすぎるかなあ。
でも...。
隣で泣きながら、こちらに向かって何かを伝えようとしているキラを見ていたら、騙されてる、なんて思っていた心はなくなっていた。何を伝えようとしているのかはわからない。しかし、今私がとるべき行動はわかった。
私は体制を整えると、キッと、男をにらみ直した。
後ろでキラちゃんの緊張が途切れる音がした。
それを聞いて、私も安堵を浮かべる。男もこちらがにらんでいることに気づいたらしく、にらみ返してきた。
全身で悪を表現したかのような服装の男。
顔は適度に剃られた黒ひげに包まれており、深くかぶった帽子のせいで顔は詳しくみえない。
手には長い棒のようなものを持っている。武器だろうか?
第一印象は海賊だ。
この男以外には、人の姿はみえない。もしかしてひとりぼっちだろうか。こんなに大きな船を一人で使うなんて、かわいそうな。
と思ったら、中からぞろぞろ出てきた。
男ばかりで構成された乗組員を合わせるともう海賊にしかみえない。
「死にたくなかったら、いかだごと全部おいてけ!」
本物のかたでしたか。
もちろん返事は「NO」だ。
相手がこちらの命を狙っているのならば、なにしてもいいだろう。
触手を出すのもこんな状況ならばしょうがない。
バックに渦巻いている複雑ななにかを考えるより先に、
まずはこいつらを何とかしますか!
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1巻重版)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる