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第116話 目覚めたら宴会⁉レオンの災難!

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「うう……」レオンはうっすらと目を開け、見慣れた天井をぼんやりと見つめた。自分が自室のベッドに横たわっていることに気づき、軽く頭を振りながら呟いた。

「ここは……俺の部屋?」

 その声に答えるように、柔らかな声が響いた。

「そうよ、気分はどう?」

 とセルフィが優しい笑顔でレオンを見つめていた。

「ああ、そうか。リリカ様との試合で……また気を失ったんだな……」

 レオンは少しばかりの苦笑いを浮かべながら、ぼんやりとした記憶を取り戻し始めた。

「そう、試合が終わった後、すぐにステラ様が治癒魔法を使ってあなたの魔力を回復してくれたわ。もう大丈夫よ」

 セルフィがそう言いながらレオンに安心するよう促した。

 その瞬間、キッチンの方からステラとリリカの笑い声が聞こえてきた。

 軽やかな笑い声が家中に響き渡り、レオンは少し驚いた顔をしながら

「みんな、すごく楽しそうだな……」と呟いた。

「おばさんはすっかりチャチャに夢中よ。『可愛い』って何度も言ってたわ。でも、変身した姿を見たらびっくりするでしょうね」

 セルフィは微笑みながら肩をすくめた。

「そうかもな……親父なんか腰を抜かしそうだ」

 レオンは少し笑いながら返したが、試合のことを思い出すと急に表情が曇った。

「それにしても、やっぱりリリカ様は強いな……魔法を使ってないのに、俺は全然駄目だったよ」

 その言葉に、セルフィは優しく微笑んで答えた。

「それはそうよ。猫耳魔法大隊で一番強いんだもの」

「え?リリカ様は、ステラ様より強いのか?」

 レオンは驚いた顔でセルフィを見つめた。

「そうよ。ステラ様が言ってたの。本気のリリカには誰も勝てないって。だから、あの二人がこうやって雑談してるのを見ると、ちょっと信じられないでしょ?」

 セルフィはそう言って笑った。

「次元が違いすぎて、俺の両親とあの二人が雑談で盛り上がるなんて、正直信じられないよ……」

 レオンは首を振りながら、妙な違和感を感じていた。

「それでも、振り回されてるけど楽しいわ、すごく。それでね、レオン? ちょうどいい機会だから、私たちのことをおじさんとおばさんにちゃんと報告しようと思うの。どうかしら?」

 セルフィは真剣な表情でレオンに提案した。

「そうだな……ステラ様とリリカ様にも一緒に聞いてもらおう」

 レオンはそう言いながら、少し緊張した表情を浮かべた。

 しかし、セルフィは少し困ったように笑って言った。

「あの、レオン?怒らないでね。実は……もう、ステラ様とリリカ様には私たちのことがバレちゃってるの」

「ええ!?  もうバレてるって?」

 レオンは驚いて目を大きく見開いた。

「さすが猫神様だ……隠し事は無意味だな」

 レオンは急に納得した様子で頷き、ふっと笑みを浮かべた。

「じゃあ、親父たちを驚かせてやろうか」

 そう言うと、レオンはセルフィの手を取り、軽く抱き寄せた。

 二人はしばらく見つめ合い、そっとキスを交わした。

「じゃあ、行きましょうか」

 とセルフィが微笑みながら言い、二人は手を取り合ってキッチンへと向かった。

 キッチンの扉を開けた瞬間、突然ハントが勢いよくレオンに飛びかかってきた。

「やるじゃないか、レオン!さすが俺の息子だ!」

「はあ!?  どうしたんだ、親父? 酔っ払ってるのか?」

 レオンは驚きつつも、少し不安そうに問いかけた。

「おや、レオンお目覚めかしら?」

 ステラが、レオンに抱き着いて笑顔で出迎えた。

 その隣では、リリカがセルフィに抱きついて

「どこ行ってたの、セルフィ~!」

 と泣きながら甘えていた。

「ええ?リリカ様?」

 セルフィは驚きつつも、なんとかリリカを引き離そうとするが、リリカはなかなか離れない。

 その時、セリアが少し困ったように笑いながら説明した。

「実はね、ハントが飲んでた果実酒をステラ様とリリカ様が飲んじゃったのよ」

「ええ!? それはまずいんじゃないか……」

 レオンは頭を抱えた。

 ステラやリリカが酔って甘え上戸になって、大変な目にあったのは記憶に新しい。

 ハントは大声で笑いながら「ステラ様もリリカ様も、なかなか酒豪だな! なあレオン?」

 と叫び、果実酒の瓶を振り回していた。

 レオンはため息をつきながら、肩をすくめて言った。

 「これは厄介なことになったな……」

 キッチンではハントが奇妙な踊りを披露し始め、ステラとリリカもそれを真似て踊り出す。

 見ていたセルフィとセリアも思わず笑い出し、キッチンは笑い声で溢れた。

「俺も一緒に踊ろうかな……」

 レオンは呟きながら、セルフィと顔を見合わせて微笑んだ。

 ステラとリリカが自分の両親と笑い合う光景に、最初は戸惑うレオン。だがハントの嬉しそうな顔を見て、こんな賑やかな日常も悪くないと思い始めるレオンだった――。
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