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第115話 猫耳戦闘訓練⁉リリカVSレオン!

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 ステラたちは、レオンの家で昼食を終えると、レオンの希望で彼の新たに発現した魔法「ウォーターブレード」の特訓を始めることになった。

 レオンにとって、この力をコントロールし、実戦でどこまで通用するかを試す絶好の機会であった。

 しかし、ステラが指名した相手はリリカ――その実力はステラ以上であり、レオンにとっては非常に大きな試練となる。

 ステラは試合の前に、リリカに「光の首輪」をつけた。

「これでリリカの魔力は完全に封印されたわ。彼女が暴走したら、この場にいるみんなが危険にさらされるからね」

 とステラが説明する。

 リリカは笑いながら首輪を触り、軽く確認していた。

「ホントだ、全然魔法が使えない!でも、ハンディにはならないよ」

 とリリカは自信満々に言う。

 それを聞いたハントは驚き、困惑した表情を浮かべる。

「リリカ様はそんなにも強いのですか?」

「見えないでしょう?」

 とステラは微笑みながら答える。

「彼女は一見、十五歳くらいの少女に見えるけれど、天真爛漫な見た目とは裏腹に、その戦闘能力は私よりも上。この子が本気になったら、誰もかなわないわ」

 ハントは半信半疑のまま、戦いを見守るしかなかった。

「さて、リリカ様、準備はいいですか?」

 とレオンが剣を握りしめ、緊張感を漂わせながら尋ねる。

「もちろん!いつでもかかってきていいよ、レオン!」

 とリリカは軽く笑って構える。

 ステラは大きく息を吸い、試合の合図を出した。

 「始め!」

 その瞬間、レオンは全力で魔力を放出し、剣にウォーターブレードを纏わせた。

 剣は霧に包まれ、青白く輝き、レオン全力の魔力が込められている。

 そのまま彼はリリカに向かって踏み込み、剣を振り下ろした。

 まさに電光石火の一撃がリリカの脳天に突き刺さった。

「きゃあ!」

 セリアは驚きの声を上げ、ハントも思わず叫んだ。

「いわんこっちゃない!リリカ様、大丈夫ですか!?」

 しかし、セルフィは冷静にハントを落ち着かせる。

「大丈夫ですよ、当たっていません。あれは残像です」

「残像? 魔法も使わずに?そんなことができるのか?」

 とハントは驚きを隠せなかった。

「リリカ様は純粋な戦闘能力だけなら、ステラ様以上かもしれません。魔力が封印されていても、彼女の実力は桁違いです」

 とセルフィが説明する。

 一方、レオンは一瞬で決まったと思った攻撃が外れたことに気づき、驚愕していた。

「消えた……?」

 リリカの動きはレオンの目には捉えられず、彼女の姿は忽然と消えたかのようだった。

 その瞬間、背後からリリカの優しい声が聞こえた。

 「頑張って、レオン!」

 レオンはとっさに後ろを振り返ったが、そこには誰もいない。

 再び、焦燥感が彼を襲う。

「どこだ、リリカ様は……?」

 リリカは素早い動きで、レオンの視界の外に常に移動していた。

 レオンは必死になってリリカを追おうとするが、そのスピードに全く追いつけなかった。

「らちがあかない……」

 レオンは深く息をつき、ふと閃いたように片手を地面に触れ、水の魔法陣を展開させた。

 魔法陣を使ってリリカの気配を探る作戦だ。

「イメージはできてる。頼む、うまくいってくれ!」

 レオンは心の中で叫んだ。

「やるわね」

 とステラは感心した様子で見守っている。

 レオンは魔法陣から反応を得ると、素早くリリカに向かって攻撃を仕掛けた。

 剣が青い光を放ちながら、リリカに迫る。

「おっと!」

 リリカはその攻撃を軽々と避けた。

「やるじゃん、レオン!」

 レオンは一瞬、満足げに笑みを浮かべ思った。

「リリカ様はこの魔法陣に気が付いていない。気配さえ分かれば勝機はある!」

 レオンは次の気配を察知し、思い切り踏み込んだ。

 だが、リリカはその攻撃もスルリとかわし、すぐに体勢を整え再び彼の背後に回り込んだ。

「でも、まだまだね!」

 レオンは彼女の気配をとらえるが、次々と攻撃をかわされ、徐々に疲労がたまっていく。

 ウォーターブレードと魔法陣の同時展開は彼に大きな負荷をかけていた。

「くっ……もう限界だ……」

 レオンは最後の力を振り絞り、ある技に挑むことを決意した。

 彼は目の前にいるリリカにウォーターブレードを放ち、さらに水の槍を展開し、全力で放出した。

「これで決める……!」

 そう呟くとレオン魔力が底をつき、意識がとびそうになるのをぐっとこらえる。

 だが、リリカはその渾身の水の槍を片手で軽々と弾き返した。

「すごい技だね。レオン」

 とリリカは微笑みながら言った。

 レオンはついに力尽き、意識がもうろうとし倒れ込んだ。

「レオン!」

 ハントとセリアが同時に叫び、彼のもとへ駆け寄ろうとした。

 だが、その瞬間、リリカが瞬時に移動し、レオンを支えた。

「大丈夫、頑張ったねレオン、合格だよ」

 と優しく言いながら彼を抱きかかえた。

 レオンは薄れゆく意識の中で微かに笑い

「やっぱり……敵いませんね、リリカ様」

 と囁き、そのまま気を失った。

 レオンの新たな力、水魔法「ウォーターブレード」。彼は全力でリリカに挑むものの、リリカの圧倒的な強さの前に破れる。リリカとの試合を通じて、己の弱点を見極め、さらなる高みを目指すレオンであった――。
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