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第113話 レオン覚醒⁉ 親子の絆!

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 ルクス・マギナ遺跡の攻略任務が四日後に決まり、メンバーの役割も着々と整っていた。

「これでメンバーと日程は決まりね」

 とステラが確認した。

「うん、でも……レオンはどうするの?」

 とリリカが不意に口を開いた。

 ステラは一瞬驚いた表情を見せ

「そういえば、レオンのことをすっかり忘れていたわ」

 と言いながら、セルフィの方を見た。

 セルフィは少し困った顔をしながら

「彼は行く気満々なんですけど……やはり足手まといになるかもしれません」

 と言った。

 その時、メルヴィルが少し考えた後に言った。

「そうね、今回は前線での戦いがメインだし、後方支援も特に必要ないわ。残念だけど、レオンには今回は参加を見送ってもらった方が良さそうね」

 セルフィは少し肩を落としながらも

「はい、私から彼に伝えておきます」

 と答えた。

「いえ、まだ結論を出すには早いわ。私の推測が正しければ……」

 とステラは意味深に言った。

 その頃、レオンは実家に戻って療養中だった。

 前日、ついにセルフィに告白し、見事に彼女のハートを射止めたばかり。

 幸せの絶頂だった。

 レオンの父親ハントは元騎士で、今は王宮から依頼される剣や槍の修理を生業としていた。

 母親のセリアは趣味で畑をやっており、レオンもよく手伝わされていた。この日も朝から畑で働いていた。

「母さん、一応俺は療養中なんだけど……」

 とレオンは苦笑しながらつぶやいた。

「何を言ってるんだい?そんなに元気に動けるんだったら、療養なんか必要ないじゃないか。本当に死にかけたのかい?」

 と母親は笑いながら言った。

 その時、家の中から父親が出てきた。

「ガレッドさんから依頼された剣の修理が終わった。研ぐ前にチェックしておきたい。10本分だ。立会いを頼むよ」

 と言った。

「ああ、わかったよ父さん。母さんの野菜を運んだらすぐに行くよ」

 とレオンは応じ、畑の作業を終えると父親の仕事場に向かった。

 父親のハントは元騎士として培った技術を駆使し、剣のバランスや握りやすさを念入りにチェックしていた。彼の口癖は「良い剣は体の一部になる」。

 その技術は騎士たちの間で高く評価されている。

 ハントは、息子レオンにもこの技術を受け継がせたいと考えていたが、彼が騎士になりたいという夢を持っていたため、口には出せずにいた。

 幼少期に発覚したレオンの魔法を使えない病気「マナ核不全症」という。

 「マナ核」(魔法を生成する臓器)が正常に機能せず、魔力を作り出すことができない疾患だ。

 魔力がなければ騎士になるのは絶望的だ。

 治療法もなく、父親としてはその限界を理解していたものの、レオンの夢を応援し続けてきた。

 さっそく、レオンとハントは剣の立会いを始めた。

 父ハントは土の属性を持ち、魔法の力を使って剣を強化していたが、最近の剣術においては、レオンの方が力をつけていた。

 父親は魔法でレオンの剣技をカバーしていたが、剣技だけでは息子にかなわなくなってきていた。

「レオン、また腕を上げたな。もう魔法なしじゃ勝てそうにないよ」

 と、父親は息を切らしながら笑った。

「よし、あと二本の剣をチェックすれば納品だ。さあ、来いレオン!」

「おうよ!」

 とレオンは自信満々に剣を振りかぶり、父親に向かって力強く振り下ろした。

 その瞬間、信じられないことが起こった。

 「バキッ!」

 レオンの剣が、父親の強化された剣をへし折ってしまったのだ。

「えっ!?」

 と驚く父親。

「す、すまん、弁償するよ……」

 とレオンも驚きつつ謝ったが、父親は冷静に言った。

 「いや、それよりも……お前の剣を見てみろ」

 「え……?」

 レオンは自分の剣を見つめると、剣が青い光で覆われていることに気づいた。

「お前、いつからこんなことができるようになったんだ?」

 と父親が尋ねた。

「いや、こんなの初めてだ……」

 とレオンは驚きながら剣に触れた。すると、びしゃっと水が滴り落ちた。

「水か……?水の魔法か……?」と父親が呟く。

 その瞬間、レオンはハッと気づいた。

「そうか……これは……ステラ様の気配を感じる。これは……ステラ様の水魔法に違いない!」

 レオンはこみ上げる嬉しさを必死にこらえた。

「ついに魔法が使えるようになったのかレオン?病気が治ったのか?しかし、なぜ突然?」

 レオンよりも興奮気味にハントが言った。

 レオン自身もまだ理解していなかった。

 ただ確かなのは、自分の身体に何か重大な変化が起こっているということだった。

 「親父!この魔法の力が本当に自分のものなのか確かめたい!」

 彼は今まで、魔法を使えないという自分の限界に悩み続けてきた。

 しかし、この出来事で、その限界が打ち破られたのかもしれないという希望が芽生えた。

「俺も……ついに魔法が使えるようになったのか……?」とレオンは静かに呟いた。

 レオンの魔法の力を試すため、父親が軽い魔法を使って対戦を行った。

 水の魔法が発現したばかりのレオンは、まだその力をうまくコントロールできていなかったが、父親の攻撃に対して自然と反応し、剣から放たれる水の波が相手の動きを封じた。

「すごいな……お前、本当に魔法が使えるようになったんだな……」

 と父親が驚きの声を漏らした。

「うん、俺にも魔法が……!」

 とレオンは信じられない気持ちで、手に持つ剣を見つめた。

 レオンは新たな決意を胸に抱いていた。彼は今、セルフィや仲間たちと共に戦うために、さらに自分の力を磨く必要があると感じていた。これから始まる大きな戦いに向けて、レオンの新たな力が試される時が来るのであった――。
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