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第52話 両手に花⁉レオンの長い夜!其の一
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リリカとステラを抱えたまま、レオンは自分の部屋にたどり着く。部屋の中に入っても、二人はしっかりと彼にしがみつき、まったく離れる気配がない。彼は、絡んだ尻尾にどう対処していいのかもわからず、ただ困惑するばかりだった。
「はぁ…どうするんだ、これ…」
レオンはため息をつきながら、二人を抱えたままベッドに腰を下ろした。リリカもステラも、ぐっすりと眠り込んでいるようで、やさしい寝息を立てていた。二人とも完全に脱力しており、その無防備さにレオンは顔が赤くなった。
「これじゃあ、僕が動けないじゃないか…」
レオンが頭を抱えていると、扉が軽くノックされ、セルフィが入ってきた。彼女もまだバスタオル一枚の姿で、顔がほんのりと赤くなっている。湯あたりしたのか、少し酔っているようにも見える。
「ふぅ、猫耳はばれてないようね…一応、支配人には後で話をするわ」
セルフィはニヤニヤしながらベッドに近づく。何かがおかしい、とレオンは感じた。セルフィの様子が少し変だった。目がとろんとしており、どこかふわふわとした足取りで近づいてくる。
「セルフィさん、もしかして…酔ってます?」
レオンが心配そうに尋ねると、セルフィはクスっと笑って答えた。
「酔ってなんかないわよ。だけど、もしかしたらクルージングの時に間違えて果樹酒を飲んだかもしれないわね」
セルフィは肩をすくめながら、さらに言葉を続けた。
「でも、今のところ任務はちゃんとこなしてるわ。これが六光の騎士ってとこよ」
一応酔っている自覚はあるようだ。確かに、今のところセルフィは状況を把握し、指示を出しているが、そのバスタオル姿にレオンは気づいてしまった。
「あの…セルフィさん、そろそろ服を着た方がいいんじゃないですか?」
レオンは、少し遠慮がちに言った。セルフィは自分の格好を見下ろして、驚いたような表情を浮かべた。
「あぁ、そうだったわね…」
バスタオル一枚で支配人に話しに行こうとしていた自分にようやく気づいたセルフィは、顔をさらに赤らめる。
「なんか急に恥ずかしくなってきたわ…着替えてくるわね」
そう言うと、セルフィはバスタオルをぎゅっと締め直し、部屋から出て行った。レオンは彼女が去った後、再び自分の状況を見下ろした。彼も腰にタオルを巻いただけで、上半身は裸のまま。そして、リリカとステラが彼にしっかりとしがみついたままだ。
「なんでこんな状況になったんだ…」
レオンは頭を抱えつつ、二人が完全に安心しきっている様子を見て、少しだけ微笑んだ。しかし、それも束の間、再び現実が押し寄せてきた。
「この格好、どうしよう…」
両腕に抱かれたリリカとステラは、依然として彼の首に手を回し、穏やかな寝息を立てていた。絡まった尻尾がまるで離れるつもりはないかのように、しっかりと彼の腰に巻きついている。
「まったく…本当にどうすればいいんだ…?」
レオンは困惑しつつも、二人を無理に離すことはできないと考え、そっと彼女たちの体を支え続けた。
その時、部屋の扉が再び開き、今度は着替えを済ませたセルフィが支配人を連れて戻ってきた。セルフィはバスローブ姿で、しっかりとした態度で支配人に説明をしていた。
「すみません、支配人さん。この状況で、どうすればいいか…」
レオンが支配人に助けを求めるような表情を向けると、支配人は少し困ったように眉をひそめながら答えた。
「うーん…無理に引き離すと、尻尾を痛めてしまう可能性があります。おそらく湯あたりと疲労が重なった結果です。このまま寝かせておいた方が良いでしょう」
「そ、そうですか…」
レオンはため息をつきながら、どうすることもできない自分の状況を再確認した。
レオンは頭を抱えながら呟いた。自分がこのまま二人を抱きかかえた状態で夜を過ごすという現実が、じわじわと迫ってくるのを感じた。
「長い夜になりそうだな…」
セルフィはそんなレオンの困った表情を見て、微笑みながら肩をすくめた。
「まあ、頑張ってね、レオン。あなたなら何とかできるわよ」
「そ、そんな無責任なこと言わないでよ…」
レオンはもう一度ため息をついたが、どうしようもない状況に逆らうことはできなかった。リリカとステラが穏やかに寝息を立てているのを見ると、彼女たちを無理に動かすこともできない。
「仕方ない、今日はもうこのまま寝るしかないか…」
レオンはそう心の中で決め、二人を優しく抱きしめながら、自分も少しずつ目を閉じた。湯あたりと疲れが重なって、すぐに眠りに落ちていく彼の耳には、まだ微かに二人の寝息が聞こえていた。
こうして、レオンの長い夜が静かに始まったのだった――。
「はぁ…どうするんだ、これ…」
レオンはため息をつきながら、二人を抱えたままベッドに腰を下ろした。リリカもステラも、ぐっすりと眠り込んでいるようで、やさしい寝息を立てていた。二人とも完全に脱力しており、その無防備さにレオンは顔が赤くなった。
「これじゃあ、僕が動けないじゃないか…」
レオンが頭を抱えていると、扉が軽くノックされ、セルフィが入ってきた。彼女もまだバスタオル一枚の姿で、顔がほんのりと赤くなっている。湯あたりしたのか、少し酔っているようにも見える。
「ふぅ、猫耳はばれてないようね…一応、支配人には後で話をするわ」
セルフィはニヤニヤしながらベッドに近づく。何かがおかしい、とレオンは感じた。セルフィの様子が少し変だった。目がとろんとしており、どこかふわふわとした足取りで近づいてくる。
「セルフィさん、もしかして…酔ってます?」
レオンが心配そうに尋ねると、セルフィはクスっと笑って答えた。
「酔ってなんかないわよ。だけど、もしかしたらクルージングの時に間違えて果樹酒を飲んだかもしれないわね」
セルフィは肩をすくめながら、さらに言葉を続けた。
「でも、今のところ任務はちゃんとこなしてるわ。これが六光の騎士ってとこよ」
一応酔っている自覚はあるようだ。確かに、今のところセルフィは状況を把握し、指示を出しているが、そのバスタオル姿にレオンは気づいてしまった。
「あの…セルフィさん、そろそろ服を着た方がいいんじゃないですか?」
レオンは、少し遠慮がちに言った。セルフィは自分の格好を見下ろして、驚いたような表情を浮かべた。
「あぁ、そうだったわね…」
バスタオル一枚で支配人に話しに行こうとしていた自分にようやく気づいたセルフィは、顔をさらに赤らめる。
「なんか急に恥ずかしくなってきたわ…着替えてくるわね」
そう言うと、セルフィはバスタオルをぎゅっと締め直し、部屋から出て行った。レオンは彼女が去った後、再び自分の状況を見下ろした。彼も腰にタオルを巻いただけで、上半身は裸のまま。そして、リリカとステラが彼にしっかりとしがみついたままだ。
「なんでこんな状況になったんだ…」
レオンは頭を抱えつつ、二人が完全に安心しきっている様子を見て、少しだけ微笑んだ。しかし、それも束の間、再び現実が押し寄せてきた。
「この格好、どうしよう…」
両腕に抱かれたリリカとステラは、依然として彼の首に手を回し、穏やかな寝息を立てていた。絡まった尻尾がまるで離れるつもりはないかのように、しっかりと彼の腰に巻きついている。
「まったく…本当にどうすればいいんだ…?」
レオンは困惑しつつも、二人を無理に離すことはできないと考え、そっと彼女たちの体を支え続けた。
その時、部屋の扉が再び開き、今度は着替えを済ませたセルフィが支配人を連れて戻ってきた。セルフィはバスローブ姿で、しっかりとした態度で支配人に説明をしていた。
「すみません、支配人さん。この状況で、どうすればいいか…」
レオンが支配人に助けを求めるような表情を向けると、支配人は少し困ったように眉をひそめながら答えた。
「うーん…無理に引き離すと、尻尾を痛めてしまう可能性があります。おそらく湯あたりと疲労が重なった結果です。このまま寝かせておいた方が良いでしょう」
「そ、そうですか…」
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レオンはそう心の中で決め、二人を優しく抱きしめながら、自分も少しずつ目を閉じた。湯あたりと疲れが重なって、すぐに眠りに落ちていく彼の耳には、まだ微かに二人の寝息が聞こえていた。
こうして、レオンの長い夜が静かに始まったのだった――。
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