42 / 198
第42話 一つ屋根の下⁉ 騎士見習いの試練!其の一
しおりを挟む
酒場での楽しい時間の後、ステラとセルフィはすっかり酔いつぶれてしまった。
レオンとリリカはどうにか二人を支えながら、警護所長のオーエンたち自警団の助けも借りて宿に着くことができた。
しかし、なぜかセルフィが予約していたのは一部屋のみで、他に空いている部屋もなかった。
「なんで一部屋だけなんだ…...」
レオンは困惑しながら部屋に入ると、四つのベッドが並び、簡素な浴室が備え付けられていた。
着替えも用意されているが、これではプライベートな空間はほとんどないに等しい。
「どうしてこうなったんだ…...」
美少女3人、それも上官であり国の伝説級の存在である彼女たちと同室とは、レオンにとって信じがたい状況だった。
彼はまだ見習いの騎士であり、これほどの大物たちと一つ屋根の下で過ごすことになるとは思ってもみなかった。
「宿の主人の微妙な態度もこれが理由か…...」
レオンはため息をつきながら、一番端のベッドをキープすることにした。
自分の隣では、すでにステラが寝息を立てており、そのまた隣にリリカ、セルフィが並んでいる。
セルフィは完全に酔いつぶれており、リリカはそんな状況でも両手に花とばかりにステラとセルフィの頭を撫でている。
「リリカさん、楽しそうですね…...」
レオンは自分に言い聞かせた。この状況も仕事の一環だ。
彼女たちを守るのが自分の使命だと。
その時、リリカがふとレオンのベッドに腰掛けた。
「ねえレオン、お風呂、お先にどうぞ!今日も一日疲れたでしょう」
「え、リリカ様、いいんですか?そんな…...」
「遠慮してるの?気にしないで、わたしのんびりだから、どうぞどうぞ!」
リリカの無邪気な笑顔にレオンはお言葉に甘え、先にお風呂に入ることにした。
浴室に入ると、一日の疲れが一気に癒えるような温かさが体に染み渡った。
風呂から上がったレオンがベットに戻ると、今度はリリカがお風呂に入っていった。
しばらくして浴室から出てきたリリカの姿に、レオンは思わず目を疑った。
「いや~、お風呂上がりはまだ暑いね、レオン」
リリカは平然と、上は首にタオルを掛けただけで下はパンティのみの格好で現れた。
無防備すぎる姿に、レオンは仰天し、顔を赤らめて目を逸らした。
「リリカさん! ちゃんと服を着てください!」
リリカは全く気にする様子もなく、酔いつぶれているステラとセルフィに目を向けた。
そして、セルフィを起こそうと試みたが、まったく反応がない。
「無理ね。レオン、セルフィのニーハイと靴を脱がせてあげて。それから足を洗って、顔も軽く拭いてあげてね」
レオンは一瞬ためらったが、リリカの命令には逆らえなかった。
命令だと自分に言い聞かせ、セルフィのニーハイソックスをゆっくりと脱がせ、彼女を抱きかかえて足をぬるま湯に浸した。
「大丈夫、大丈夫…これは任務の一環だ…...」
セルフィの足を優しく洗い、再び抱きかかえてベッドに戻した。
顔を軽く拭いて毛布をかけてあげると、セルフィは安らかな寝顔を見せた。
リリカはその手際の良さに感心し、次にステラの方を指差した。
「レオン、ステラもお願いしていい?」
「えっ…...ステラ様もですか!?」
レオンは戸惑った。
セルフィは幼馴染みだからまだなんとか対応できたが、ステラは王国の第一王子であるアレクのお気に入りと噂されている。
万が一、何かあったら大問題だ。
「これが…...命令なのか…...」
レオンはもう一度自分に言い聞かせ、ステラのブーツを脱がせ、セルフィと同じように足をぬるま湯に浸して洗い始めた。
ステラの足は柔らかくシルクのような肌触り、透き通るような白い肌、彼の手に触れるたびに心臓が高鳴った。
彼女の寝顔は本当に美しく、彼はその顔を見ないように努めながら作業を続けた。
「ステラ様、失礼いたします…...」
足を洗い終えると、レオンは慎重に彼女をベッドに戻し、顔を軽く拭いてあげた。
毛布をかけた後も、ステラの穏やかな寝息は続いていた。
レオンはほっと息をつきながら、リリカに振り向いた。
「ありがとうね、レオン。あなたって本当に頼りになるね」
リリカはニッコリと笑いかける。レオンはその笑顔に一瞬救われたような気がしたが、同時に複雑な感情が胸に湧き上がった。
「いえ…...これも任務のうちですから」
レオンはそう言って、自分のベッドに戻った。
彼は今日の出来事を思い返しながら、これからどうすればいいのかを考えていた。
自分が未熟な見習い騎士であることを痛感しながらも、彼女たちのそばにいることの責任を強く感じていた。
「俺にできることは何だろう…...」
レオンは自問しながら、ようやく目を閉じた。
美少女たちとの一つ屋根の下での夜は、緊張感とともに過ぎていったが、レオンにとっては大きな一歩でもあった。
「明日もきっと、大変だろうな…...」
そう思いながら、レオンは少しずつ眠りに落ちていった。
彼の心には、まだまだ乗り越えなければならない壁が多く存在していたが、その一つ一つを乗り越えていく覚悟が芽生えていた。この夜が、レオンにとって新たな決意のきっかけになることを感じながら、彼は静かに眠りについた――。
レオンとリリカはどうにか二人を支えながら、警護所長のオーエンたち自警団の助けも借りて宿に着くことができた。
しかし、なぜかセルフィが予約していたのは一部屋のみで、他に空いている部屋もなかった。
「なんで一部屋だけなんだ…...」
レオンは困惑しながら部屋に入ると、四つのベッドが並び、簡素な浴室が備え付けられていた。
着替えも用意されているが、これではプライベートな空間はほとんどないに等しい。
「どうしてこうなったんだ…...」
美少女3人、それも上官であり国の伝説級の存在である彼女たちと同室とは、レオンにとって信じがたい状況だった。
彼はまだ見習いの騎士であり、これほどの大物たちと一つ屋根の下で過ごすことになるとは思ってもみなかった。
「宿の主人の微妙な態度もこれが理由か…...」
レオンはため息をつきながら、一番端のベッドをキープすることにした。
自分の隣では、すでにステラが寝息を立てており、そのまた隣にリリカ、セルフィが並んでいる。
セルフィは完全に酔いつぶれており、リリカはそんな状況でも両手に花とばかりにステラとセルフィの頭を撫でている。
「リリカさん、楽しそうですね…...」
レオンは自分に言い聞かせた。この状況も仕事の一環だ。
彼女たちを守るのが自分の使命だと。
その時、リリカがふとレオンのベッドに腰掛けた。
「ねえレオン、お風呂、お先にどうぞ!今日も一日疲れたでしょう」
「え、リリカ様、いいんですか?そんな…...」
「遠慮してるの?気にしないで、わたしのんびりだから、どうぞどうぞ!」
リリカの無邪気な笑顔にレオンはお言葉に甘え、先にお風呂に入ることにした。
浴室に入ると、一日の疲れが一気に癒えるような温かさが体に染み渡った。
風呂から上がったレオンがベットに戻ると、今度はリリカがお風呂に入っていった。
しばらくして浴室から出てきたリリカの姿に、レオンは思わず目を疑った。
「いや~、お風呂上がりはまだ暑いね、レオン」
リリカは平然と、上は首にタオルを掛けただけで下はパンティのみの格好で現れた。
無防備すぎる姿に、レオンは仰天し、顔を赤らめて目を逸らした。
「リリカさん! ちゃんと服を着てください!」
リリカは全く気にする様子もなく、酔いつぶれているステラとセルフィに目を向けた。
そして、セルフィを起こそうと試みたが、まったく反応がない。
「無理ね。レオン、セルフィのニーハイと靴を脱がせてあげて。それから足を洗って、顔も軽く拭いてあげてね」
レオンは一瞬ためらったが、リリカの命令には逆らえなかった。
命令だと自分に言い聞かせ、セルフィのニーハイソックスをゆっくりと脱がせ、彼女を抱きかかえて足をぬるま湯に浸した。
「大丈夫、大丈夫…これは任務の一環だ…...」
セルフィの足を優しく洗い、再び抱きかかえてベッドに戻した。
顔を軽く拭いて毛布をかけてあげると、セルフィは安らかな寝顔を見せた。
リリカはその手際の良さに感心し、次にステラの方を指差した。
「レオン、ステラもお願いしていい?」
「えっ…...ステラ様もですか!?」
レオンは戸惑った。
セルフィは幼馴染みだからまだなんとか対応できたが、ステラは王国の第一王子であるアレクのお気に入りと噂されている。
万が一、何かあったら大問題だ。
「これが…...命令なのか…...」
レオンはもう一度自分に言い聞かせ、ステラのブーツを脱がせ、セルフィと同じように足をぬるま湯に浸して洗い始めた。
ステラの足は柔らかくシルクのような肌触り、透き通るような白い肌、彼の手に触れるたびに心臓が高鳴った。
彼女の寝顔は本当に美しく、彼はその顔を見ないように努めながら作業を続けた。
「ステラ様、失礼いたします…...」
足を洗い終えると、レオンは慎重に彼女をベッドに戻し、顔を軽く拭いてあげた。
毛布をかけた後も、ステラの穏やかな寝息は続いていた。
レオンはほっと息をつきながら、リリカに振り向いた。
「ありがとうね、レオン。あなたって本当に頼りになるね」
リリカはニッコリと笑いかける。レオンはその笑顔に一瞬救われたような気がしたが、同時に複雑な感情が胸に湧き上がった。
「いえ…...これも任務のうちですから」
レオンはそう言って、自分のベッドに戻った。
彼は今日の出来事を思い返しながら、これからどうすればいいのかを考えていた。
自分が未熟な見習い騎士であることを痛感しながらも、彼女たちのそばにいることの責任を強く感じていた。
「俺にできることは何だろう…...」
レオンは自問しながら、ようやく目を閉じた。
美少女たちとの一つ屋根の下での夜は、緊張感とともに過ぎていったが、レオンにとっては大きな一歩でもあった。
「明日もきっと、大変だろうな…...」
そう思いながら、レオンは少しずつ眠りに落ちていった。
彼の心には、まだまだ乗り越えなければならない壁が多く存在していたが、その一つ一つを乗り越えていく覚悟が芽生えていた。この夜が、レオンにとって新たな決意のきっかけになることを感じながら、彼は静かに眠りについた――。
10
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~
すなる
ファンタジー
追記《イラストを追加しました。主要キャラのイラストも可能であれば徐々に追加していきます》
猫を庇って死んでしまった男は、ある願いをしたことで何もない世界に転生してしまうことに。
不憫に思った神が特例で加護の力を授けた。実はそれはとてつもない力を秘めた創造神の加護だった。
何もない異世界で暮らし始めた男はその力使って第二の人生を歩み出す。
ある日、偶然にも生前助けた猫を加護の力で召喚してしまう。
人が居ない寂しさから猫に話しかけていると、その猫は加護の力で人に進化してしまった。
そんな猫との共同生活からはじまり徐々に動き出す異世界生活。
男は様々な異世界で沢山の人と出会いと加護の力ですべてを解決しながら第二の人生を謳歌していく。
そんな男の人柄に惹かれ沢山の者が集まり、いつしか男が作った街は伝説の都市と語られる存在になってく。
(
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
貞操逆転世界に無職20歳男で転生したので自由に生きます!
やまいし
ファンタジー
自分が書きたいことを詰めこみました。掲示板あり
目覚めると20歳無職だった主人公。
転生したのは男女の貞操観念が逆転&男女比が1:100の可笑しな世界だった。
”好きなことをしよう”と思ったは良いものの無一文。
これではまともな生活ができない。
――そうだ!えちえち自撮りでお金を稼ごう!
こうして彼の転生生活が幕を開けた。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる