君たちが贈る明日へ

 いじめをきっかけに引きこもりになった今宮戒斗は、家族とも上手くいかず、通院先の主治医にも本音を話せず、孤独に耐える辛い心の内を『カイト』と名乗り、ブログで吐き出しながら生きていた。
 そんなある日。カイト宛てに『ユウト』と名乗る人物から一件のコメントが届く。
 一方のユウトは、自身の願いを叶える為だけに、戒斗とコンタクトを取っていた。ユウトとしてカイトと接触する悠斗だが、彼には大きな秘密があった。
 また、戒斗の友人である高遠絵美は、同級生の些細な一言がきっかけで摂食障害となり、自傷行為の末に入退院を繰り返していた。家族関係に悩み、辛い現実から逃げる為に理想の自分である『幸子』という偽名を使い、存在しない日常をブログに綴ることで心のバランスを保っていた。
 各々が秘密を抱えながら、現実とネットの狭間を生きる日々。しかし、些細なことから三人の秘密が暴かれていく。
 そして、家族を巻き込みながらそれぞれの秘密や本心と向き合う時。人生の再生と希望への道筋が見え始めたのである。
24h.ポイント 49pt
0
小説 16,609 位 / 193,786件 現代文学 143 位 / 8,335件

あなたにおすすめの小説

幼妻は、白い結婚を解消して国王陛下に溺愛される。

秋月乃衣
恋愛
旧題:幼妻の白い結婚 13歳のエリーゼは、侯爵家嫡男のアランの元へ嫁ぐが、幼いエリーゼに夫は見向きもせずに初夜すら愛人と過ごす。 歩み寄りは一切なく月日が流れ、夫婦仲は冷え切ったまま、相変わらず夫は愛人に夢中だった。 そしてエリーゼは大人へと成長していく。 ※近いうちに婚約期間の様子や、結婚後の事も書く予定です。 小説家になろう様にも掲載しています。

呼吸の狭間で、君に触れた

月森優月
恋愛
 藤原美羽は進学校に通う高校一年生。今まで「優等生」としてそつなく何でもこなしてきたが、高校に入ってから色々なことが上手くいかなくなり、パニック障害と適応障害を発症してしまう。「普通」を必死に装いながらも、段々彼女のおかしさに気付くクラスメイトが増えていく。  ある日電車の中で発作を起こし、動けなくなってしまった美羽を助けたのは、通信制高校に通う少年、柏木悠真だった。彼は自由な校風の中自分のペースで生きていることを知る。  そして彼にも、普通に生きられないハンデを密かに抱えていた。  悠真の言葉や存在が、少しずつ美羽を変えていく。 「壊れたままでも、生きていけるのかもしれない」 そう思えるようになったとき、美羽は初めて自分の本当の気持ちを伝えたいと思うようになった。 これは、「普通」になれなかった二人が、壊れたままでも共に歩んでいく物語。

UlysseS ButTerflY NigHt

二色燕𠀋
現代文学
幸せの蝶は、切ない青さを知る。 ※天獄 とご一緒にどうぞ

命の音が聴こえない

月森優月
現代文学
何も聞こえない。私の世界から音が消えた。 その理由が精神的なものだなんて、認めたくなかった。 「生きてる意味ってあるのかな」 心の中で声が聞こえる。それは本当に私の声なのだろうか。 心の奥に眠る、かすかな命の音。 その音に気付いた時、私の世界は少しずつ動き出す。 これは、何も聞こえない世界で足掻く少女の再生の物語。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

79ページ、49ページ

クイン
ライト文芸
49歳ニートの息子が突然の作家志望宣言。 79歳の母は息子を支えるため、切磋琢磨するお話

裏切りのあとに咲く花

cocoro
恋愛
親に捨てられ、中高時代を施設で過ごした主人公は、 深い孤独の中で唯一無二の大親友と出会う。 彼女は、いじめられていた主人公を救い、支えとなる存在だった。 しかし20歳のとき、その親友が主人公の彼氏を奪った ――「ごめん」という一言だけを残して。 愛と裏切り、友情と葛藤の中で心が壊れていく主人公。 過去の思い出と向き合いながら、大人になるための痛みと成長を描く。 心に傷を抱えた全ての人に贈る、再生の物語。

スルドの声(嚶鳴2) terceira homenagem

桜のはなびら
現代文学
何かを諦めて。 代わりに得たもの。 色部誉にとってそれは、『サンバ』という音楽で使用する打楽器、『スルド』だった。 大学進学を機に入ったサンバチーム『ソール・エ・エストレーラ』で、入会早々に大きな企画を成功させた誉。 かつて、心血を注ぎ、寝食を忘れて取り組んでいたバレエの世界では、一度たりとも届くことのなかった栄光。 どれだけの人に支えられていても。 コンクールの舞台上ではひとり。 ひとりで戦い、他者を押し退け、限られた席に座る。 そのような世界には適性のなかった誉は、サンバの世界で知ることになる。 誉は多くの人に支えられていることを。 多くの人が、誉のやろうとしている企画を助けに来てくれた。 成功を収めた企画の発起人という栄誉を手に入れた誉。 誉の周りには、新たに人が集まってくる。 それは、誉の世界を広げるはずだ。 広がる世界が、良いか悪いかはともかくとして。