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安寿姫と厨子王丸をモデルにした話
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安寿姫と厨子王丸の話には、山椒大夫という男が登場します。
この話にも、安寿姫と厨子王丸と山椒大夫のような人物が登場します。
この登場人物は「菊」と「千代丸」と「幸助」と言います。
幸助は、色々な仕事に手を広げ、大金持ちになった男で、今風に言えば事業家です。
幸助の事業の一つに、「人買い」がありました。
父親が脳溢血で突然倒れてしまい、菊と千代丸は借金のカタに売り飛ばされてしまったのです。
幸助は千代丸を、稚児として生臭坊主に売ろうとしたのですが買い手が付かず、菊もまだ女としては幼いので売るにはまだ年数がかかるため、二人は過酷な肉体労働をさせられました。
でも千代丸は、辛抱できず逃げ出してしまいました。
手下たちは、菊を折檻してどこへ逃げたのかを聞き出そうとしましたが、菊は絶対に口を割ろうとしませんでした。
お金儲けが第一の幸助は、菊を上半身裸にして水を何度もぶっかけました。
それでも菊は、じっと耐え忍びました。
業を煮やした幸助は、菊を素っ裸にして水風呂に漬け、上から頭を押さえつけて息ができないようにしました。
5分経っても、幸助は頭を押さえつけたままです。
「親方、それじゃせっかくの商売道具が駄目になっちゃいますぜ。」
たまりかねた手下が止めたので、幸助は手を放しました。
「ぷはー!」と、菊が顔を上げて息を吐き出しました。とんでもない肺活量です。
「確かにおめえの言う通り、商売道具を玉無しにしちゃあいけねえ。おめえたちも、絶対この娘に傷をつけるんじゃねえぞ!ただし、毎日水責めだ。」
と、幸助は怒鳴りましたが、お前が言うなです。
こうして、幸助の菊に対する水風呂責めは毎日行われました。
菊は全く音を上げません。
それどころか、息の続く時間がだんだん長くなっていきました。
幸助はそんな菊の様子を、じっと見つめていました。
菊の肉体労働は毎日続いていました。
「どうせ脱がされるのだから、素っ裸のまま働かせようぜ。」
と、『しげを』と言う性分の嫌な奴が言い出しましたが、兄貴分の佐兵衛治が、
「裸のままで働かせると、あちこち体に傷がついて、値が下がる。」
と言って、水風呂が終わったら、着物を着せるようにしました。
それでもしげをは、幸助や佐兵衛治が見ていないところで、時々わざと菊に倒れ掛かったり、菊の胸や尻を触ったりして、嫌がらせばかりしました。
そうして、だんだん季節が寒くなっていきました。
『今日の水風呂はこたえるだろうな。』と、佐兵衛治は心配しました。
しかし、その日幸助は、
「今日は俺の部屋に来てくれ。」
と、菊を呼びつけました。
二人が部屋に入ると、幸助は内から錠をかけて、
「裸になって、そこに座れ。」
と、菊に言いました。
どんな酷いことをされるのだろうと、菊はびくびくしていましたが、言われるとおりに裸になって座ると、
「耳かきをしてくれ。」
と言って、幸助は横になって菊の腿に頭を乗せました。
菊は懸命に耳かきをしました。
「こんなにとれましたよ。」
と言って、菊が耳くそを見せると幸助は、
「どおりで、耳が遠いと思ったわけだ。これから毎日してくれ。」
と言いました。
それから菊の肉体労働は軽くなり、幸助の身の回りの世話が増えました。
一方朝の耳かきは、毎日行われました。
ある朝のこと、菊がいつものように裸で耳かきを手に持って正座をしておりますと、突然背後から幸助が抱きついてきました。
『今度こそ、酷い目に遭わされる!』
と、びくっとした菊でしたが、幸助はじっと菊の背中にしばらく抱きついたままでした。
その後、菊はいつものように幸助に耳かきをしてやりました。
別の日の朝、幸助はいつもとは反対側の向きになって、菊のお腹の方を向いて耳かきをしてもらいました。
「菊はおっ母のようだ。」
と言って、幸助は菊の腰に腕を回して、菊のお腹に顔をくっ付けてきました。
まるで幼児のようでした。
「おまえ、その耳かきを匕首に替えて、俺の耳を突き刺せば、殺すことだってできるんだぞ。」
と、幸助が言うと、
「あ、そんなこと考えてもみなかった。」
と、菊が言いましたので、幸助は声を出して笑いました。菊もつられて笑いました。
ある日、耳かきが終わって、
「何か辛いことはないか。」
と、幸助が聞きますと、菊は着物を着ながら、
「しげをはいつも私の体に悪さをする。勘弁してほしい。」
と言いましたところ、幸助は長脇指を手に持って出て行きました。
「ぎゃあー!」
と、しげをの凄まじい悲鳴が聞こえました。
驚いて菊が表に出てみると、しげをが血まみれになって、のた打ち回っておりました。
「失せろ!」
と、幸助が怒鳴りつけまして、しげをは苦しみ悶えながら門から外へ転がるように出て行きました。
地面には、しげをの右腕が落ちておりました。
幸助は、ある時神妙な顔つきになって、
「俺は、菊と婚約をしようと思う。」
と、佐兵衛治に言いました。佐兵衛治は、
『商売物に手を出しちゃあならねえが、女房にするというのなら仕方あるまい。』
と呟きました。
婚約と言っても、幸助の一方的な取り決めでしたが。
菊が16歳になった時、二人は祝言を行ないました。
倍以上も歳の違う夫婦でした。
幸助はそれから15年ほど夫婦で暮らした後、病でぽっくり亡くなりました。
菊はすっかり貫禄が付いてしまって、誰もが認める女親方となりました。
1年後、菊は佐兵衛治の紹介で若い男を亭主にもらいましたが、仕事は全て菊が仕切っておりました。
人買いに売られそうになった菊は、いつの間にか人買いの親方になったのです。
やがて菊は人買いを止め、口入屋稼業を始め、ますます繁盛しました。
この話にも、安寿姫と厨子王丸と山椒大夫のような人物が登場します。
この登場人物は「菊」と「千代丸」と「幸助」と言います。
幸助は、色々な仕事に手を広げ、大金持ちになった男で、今風に言えば事業家です。
幸助の事業の一つに、「人買い」がありました。
父親が脳溢血で突然倒れてしまい、菊と千代丸は借金のカタに売り飛ばされてしまったのです。
幸助は千代丸を、稚児として生臭坊主に売ろうとしたのですが買い手が付かず、菊もまだ女としては幼いので売るにはまだ年数がかかるため、二人は過酷な肉体労働をさせられました。
でも千代丸は、辛抱できず逃げ出してしまいました。
手下たちは、菊を折檻してどこへ逃げたのかを聞き出そうとしましたが、菊は絶対に口を割ろうとしませんでした。
お金儲けが第一の幸助は、菊を上半身裸にして水を何度もぶっかけました。
それでも菊は、じっと耐え忍びました。
業を煮やした幸助は、菊を素っ裸にして水風呂に漬け、上から頭を押さえつけて息ができないようにしました。
5分経っても、幸助は頭を押さえつけたままです。
「親方、それじゃせっかくの商売道具が駄目になっちゃいますぜ。」
たまりかねた手下が止めたので、幸助は手を放しました。
「ぷはー!」と、菊が顔を上げて息を吐き出しました。とんでもない肺活量です。
「確かにおめえの言う通り、商売道具を玉無しにしちゃあいけねえ。おめえたちも、絶対この娘に傷をつけるんじゃねえぞ!ただし、毎日水責めだ。」
と、幸助は怒鳴りましたが、お前が言うなです。
こうして、幸助の菊に対する水風呂責めは毎日行われました。
菊は全く音を上げません。
それどころか、息の続く時間がだんだん長くなっていきました。
幸助はそんな菊の様子を、じっと見つめていました。
菊の肉体労働は毎日続いていました。
「どうせ脱がされるのだから、素っ裸のまま働かせようぜ。」
と、『しげを』と言う性分の嫌な奴が言い出しましたが、兄貴分の佐兵衛治が、
「裸のままで働かせると、あちこち体に傷がついて、値が下がる。」
と言って、水風呂が終わったら、着物を着せるようにしました。
それでもしげをは、幸助や佐兵衛治が見ていないところで、時々わざと菊に倒れ掛かったり、菊の胸や尻を触ったりして、嫌がらせばかりしました。
そうして、だんだん季節が寒くなっていきました。
『今日の水風呂はこたえるだろうな。』と、佐兵衛治は心配しました。
しかし、その日幸助は、
「今日は俺の部屋に来てくれ。」
と、菊を呼びつけました。
二人が部屋に入ると、幸助は内から錠をかけて、
「裸になって、そこに座れ。」
と、菊に言いました。
どんな酷いことをされるのだろうと、菊はびくびくしていましたが、言われるとおりに裸になって座ると、
「耳かきをしてくれ。」
と言って、幸助は横になって菊の腿に頭を乗せました。
菊は懸命に耳かきをしました。
「こんなにとれましたよ。」
と言って、菊が耳くそを見せると幸助は、
「どおりで、耳が遠いと思ったわけだ。これから毎日してくれ。」
と言いました。
それから菊の肉体労働は軽くなり、幸助の身の回りの世話が増えました。
一方朝の耳かきは、毎日行われました。
ある朝のこと、菊がいつものように裸で耳かきを手に持って正座をしておりますと、突然背後から幸助が抱きついてきました。
『今度こそ、酷い目に遭わされる!』
と、びくっとした菊でしたが、幸助はじっと菊の背中にしばらく抱きついたままでした。
その後、菊はいつものように幸助に耳かきをしてやりました。
別の日の朝、幸助はいつもとは反対側の向きになって、菊のお腹の方を向いて耳かきをしてもらいました。
「菊はおっ母のようだ。」
と言って、幸助は菊の腰に腕を回して、菊のお腹に顔をくっ付けてきました。
まるで幼児のようでした。
「おまえ、その耳かきを匕首に替えて、俺の耳を突き刺せば、殺すことだってできるんだぞ。」
と、幸助が言うと、
「あ、そんなこと考えてもみなかった。」
と、菊が言いましたので、幸助は声を出して笑いました。菊もつられて笑いました。
ある日、耳かきが終わって、
「何か辛いことはないか。」
と、幸助が聞きますと、菊は着物を着ながら、
「しげをはいつも私の体に悪さをする。勘弁してほしい。」
と言いましたところ、幸助は長脇指を手に持って出て行きました。
「ぎゃあー!」
と、しげをの凄まじい悲鳴が聞こえました。
驚いて菊が表に出てみると、しげをが血まみれになって、のた打ち回っておりました。
「失せろ!」
と、幸助が怒鳴りつけまして、しげをは苦しみ悶えながら門から外へ転がるように出て行きました。
地面には、しげをの右腕が落ちておりました。
幸助は、ある時神妙な顔つきになって、
「俺は、菊と婚約をしようと思う。」
と、佐兵衛治に言いました。佐兵衛治は、
『商売物に手を出しちゃあならねえが、女房にするというのなら仕方あるまい。』
と呟きました。
婚約と言っても、幸助の一方的な取り決めでしたが。
菊が16歳になった時、二人は祝言を行ないました。
倍以上も歳の違う夫婦でした。
幸助はそれから15年ほど夫婦で暮らした後、病でぽっくり亡くなりました。
菊はすっかり貫禄が付いてしまって、誰もが認める女親方となりました。
1年後、菊は佐兵衛治の紹介で若い男を亭主にもらいましたが、仕事は全て菊が仕切っておりました。
人買いに売られそうになった菊は、いつの間にか人買いの親方になったのです。
やがて菊は人買いを止め、口入屋稼業を始め、ますます繁盛しました。
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