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裸の王様の模倣犯の末路
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「裸の王様」は有名な話です。
さて、世の中には似たような悪巧みをする輩が度々いるものです。
この小国にも、「裸の王様」を騙した悪者の真似をして、一儲けしようとした詐欺師がやって来て、王様をまんまと騙しました。
「この着物は、心の汚いものには見えないのです。」と。
王様は詐欺師の話をすっかり信用してしまい、この着物を披露するため、パレードを行いました。
王様は王冠を被っただけで、素っ裸でした。
侍女たちは、無いはずのマントを、まるであるかのように、手に捧げ持つふりをしていました。
心の汚いものと言われないようにするためです。
そして、みにくく垂れた王様の尻を見ないように、下を向いて歩いておりました。
民たちも、王様の姿を見て唖然としましたが、心の汚いものと言われてはいけないので、
「おー。」とか「あー。」とか「ふぇー。」とか、適当な言葉でごまかしてました。
ところで王様は毎日ご馳走ばかり食べていて、大変なメタボ腹だったので、立っている大人の目線からは、王様の下腹部についてるものが良く見えませんでした。
「王様のイチモツは、そこだけ見えないようになっているのかね。」
「あれ、あんたもそう思うかね。やはりそうだよな。」
と、民たちは少し不思議に思い、ひそひそ話しました。
それを聞いて、子供たちが大人たちをかき分け近くまで寄って、しゃがみ込んで王様を下から覗き込んで、しっかりと見定めました。
「王様のおちんちん、ついてるよ。小さいけどついてるよ。」
「割礼してないよ。皮を被っているよ。」
いたずらな男の子たちが、次々に叫びました。
王様はユダヤ教徒ではないので、割礼をしていないのはその通りなのですが、大事なところを『小さい』と子供たちに言いふらされたので、俄かに恥ずかしくなってしまいました。
まだ心が汚れていないはずの幼子たちが、皆口々に王様は裸だと素直に叫んだわけです。
王様は召使の前掛けを取ってそれを腰に巻き付け、さっさとお城へ逃げ帰ってしまいました。
とんまなのは詐欺師たちで、さっさとずらかっていれば良かったのですが、パレードまで付いてきていたので、百卒長に捕まえられてしまいました。
民の前で恥ずかしい恰好を曝け出したのと、詐欺師にまんまと引っかかったことで、王様は恥ずかしくてふさぎ込んでしまい、部屋の中に閉じこもってしまいました。
それを良いことに、王様反対派の連中が、
「あんなとんまな詐欺師に騙されるなんて、王には知恵がないのか」だとか、
「あのメタボ腹は、国王としてふさわしくない」だとか、
「王はパレードで冠だけを被っていたが、あそこも被っていた」
などと、非難を書いたビラを撒きました。
詐欺師たちは、首をはねられてしまいました。
無いものを有ると言う詐欺師は、とても罪深いのです。
そしてその手口で、たくさんのお金をだまし取ることは、許しがたい罪悪なのです。
首をはねられても、仕方ありません。
けれども今の世の中は、こういう詐欺師たちを野放しにして首をはねないので、騙される人がたくさんいるわけです。
さて、世の中には似たような悪巧みをする輩が度々いるものです。
この小国にも、「裸の王様」を騙した悪者の真似をして、一儲けしようとした詐欺師がやって来て、王様をまんまと騙しました。
「この着物は、心の汚いものには見えないのです。」と。
王様は詐欺師の話をすっかり信用してしまい、この着物を披露するため、パレードを行いました。
王様は王冠を被っただけで、素っ裸でした。
侍女たちは、無いはずのマントを、まるであるかのように、手に捧げ持つふりをしていました。
心の汚いものと言われないようにするためです。
そして、みにくく垂れた王様の尻を見ないように、下を向いて歩いておりました。
民たちも、王様の姿を見て唖然としましたが、心の汚いものと言われてはいけないので、
「おー。」とか「あー。」とか「ふぇー。」とか、適当な言葉でごまかしてました。
ところで王様は毎日ご馳走ばかり食べていて、大変なメタボ腹だったので、立っている大人の目線からは、王様の下腹部についてるものが良く見えませんでした。
「王様のイチモツは、そこだけ見えないようになっているのかね。」
「あれ、あんたもそう思うかね。やはりそうだよな。」
と、民たちは少し不思議に思い、ひそひそ話しました。
それを聞いて、子供たちが大人たちをかき分け近くまで寄って、しゃがみ込んで王様を下から覗き込んで、しっかりと見定めました。
「王様のおちんちん、ついてるよ。小さいけどついてるよ。」
「割礼してないよ。皮を被っているよ。」
いたずらな男の子たちが、次々に叫びました。
王様はユダヤ教徒ではないので、割礼をしていないのはその通りなのですが、大事なところを『小さい』と子供たちに言いふらされたので、俄かに恥ずかしくなってしまいました。
まだ心が汚れていないはずの幼子たちが、皆口々に王様は裸だと素直に叫んだわけです。
王様は召使の前掛けを取ってそれを腰に巻き付け、さっさとお城へ逃げ帰ってしまいました。
とんまなのは詐欺師たちで、さっさとずらかっていれば良かったのですが、パレードまで付いてきていたので、百卒長に捕まえられてしまいました。
民の前で恥ずかしい恰好を曝け出したのと、詐欺師にまんまと引っかかったことで、王様は恥ずかしくてふさぎ込んでしまい、部屋の中に閉じこもってしまいました。
それを良いことに、王様反対派の連中が、
「あんなとんまな詐欺師に騙されるなんて、王には知恵がないのか」だとか、
「あのメタボ腹は、国王としてふさわしくない」だとか、
「王はパレードで冠だけを被っていたが、あそこも被っていた」
などと、非難を書いたビラを撒きました。
詐欺師たちは、首をはねられてしまいました。
無いものを有ると言う詐欺師は、とても罪深いのです。
そしてその手口で、たくさんのお金をだまし取ることは、許しがたい罪悪なのです。
首をはねられても、仕方ありません。
けれども今の世の中は、こういう詐欺師たちを野放しにして首をはねないので、騙される人がたくさんいるわけです。
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