65 / 99
第8章 決戦の刻
四話 進軍開始
しおりを挟む
ーー広大な森を見渡せる崖の上。其処に大勢の黒装束を纏った者達が集結していた。
「あの森の奥深くに夜摩一族。そして光界玉が隠されている……か」
そう呟くのは長い黒髪を全て後ろに結い上げ、綺麗に整えられた顎髭が熟練の剣士を思わせる、狂座第二十四軍団長クウガ。
「ククク、いよいよ我等の出番ですなアザミ様」
同じく黒装束を纏い、顔には奇妙な眼帯。両腕に装着した鈎爪を舌なめずりし笑うのは、狂座第三十七軍団長ショウキ。
「何でも特異点が居るとの事ですね」
長身痩躯、長い黒髪を靡かせ、腰に差した鍔元から鞘に至るまで漆黒の刀を携えて森を見ているのは、狂座第八軍団長リト。
そして、その中心に立つ人物ーーアザミ。
当主直属部隊のアザミを筆頭に軍団長三名、一般兵卒から選りすぐられた精鋭四十八名、総勢五十二名が此処に集結していた。
「ああ、奇襲を仕掛ける。目的は光界玉及び特異点の首。その他邪魔な者は皆殺しにして構わん」
アザミの言葉に全体の士気が一気に上がる。歓声を上げる者も居た程だ。
「総員、サーモの電源は落としておけ。情報は全てこちらにある以上、最早無意味だ」
アザミがそう伝えると、統率が取れているが如く、一斉に全員が腕に装着したサーモの電源を落とす。
必要無いのは勿論だが、特異点との遭遇で全員のサーモが裏コード移行の警告音を鳴らされたら、全軍の士気が乱されかねないとアザミは判断したからだ。
アザミは恐ろしい迄に冷酷で、冷静だった。誰もがその佇まいに畏怖と尊敬の念を抱いている。
アザミは全員を見回し、高らかに告げる。
「総員、進軍開始」
「あの森の奥深くに夜摩一族。そして光界玉が隠されている……か」
そう呟くのは長い黒髪を全て後ろに結い上げ、綺麗に整えられた顎髭が熟練の剣士を思わせる、狂座第二十四軍団長クウガ。
「ククク、いよいよ我等の出番ですなアザミ様」
同じく黒装束を纏い、顔には奇妙な眼帯。両腕に装着した鈎爪を舌なめずりし笑うのは、狂座第三十七軍団長ショウキ。
「何でも特異点が居るとの事ですね」
長身痩躯、長い黒髪を靡かせ、腰に差した鍔元から鞘に至るまで漆黒の刀を携えて森を見ているのは、狂座第八軍団長リト。
そして、その中心に立つ人物ーーアザミ。
当主直属部隊のアザミを筆頭に軍団長三名、一般兵卒から選りすぐられた精鋭四十八名、総勢五十二名が此処に集結していた。
「ああ、奇襲を仕掛ける。目的は光界玉及び特異点の首。その他邪魔な者は皆殺しにして構わん」
アザミの言葉に全体の士気が一気に上がる。歓声を上げる者も居た程だ。
「総員、サーモの電源は落としておけ。情報は全てこちらにある以上、最早無意味だ」
アザミがそう伝えると、統率が取れているが如く、一斉に全員が腕に装着したサーモの電源を落とす。
必要無いのは勿論だが、特異点との遭遇で全員のサーモが裏コード移行の警告音を鳴らされたら、全軍の士気が乱されかねないとアザミは判断したからだ。
アザミは恐ろしい迄に冷酷で、冷静だった。誰もがその佇まいに畏怖と尊敬の念を抱いている。
アザミは全員を見回し、高らかに告げる。
「総員、進軍開始」
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
雨降る朔日
ゆきか
キャラ文芸
母が云いました。祭礼の後に降る雨は、子供たちを憐れむ蛇神様の涙だと。
せめて一夜の話し相手となりましょう。
御物語り候へ。
---------
珠白は、たおやかなる峰々の慈愛に恵まれ豊かな雨の降りそそぐ、農業と医学の国。
薬師の少年、霜辻朔夜は、ひと雨ごとに冬が近付く季節の薬草園の六畳間で、蛇神の悲しい物語に耳を傾けます。
白の霊峰、氷室の祭礼、身代わりの少年たち。
心優しい少年が人ならざるものたちの抱えた思いに寄り添い慰撫する中で成長してゆく物語です。
創作「Galleria60.08」のシリーズ作品となります。
2024.11.25〜12.8 この物語の世界を体験する展示を、箱の中のお店(名古屋)で開催します。
絵:ゆきか
題字:渡邊野乃香
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる