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第5章 仮初めの日常
四話 第十二遊撃師団長
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ーー狂座第十二遊撃師団長、及び光界玉探索先鋒隊隊長のガイラは焦っていた。
闇の中視界も効かず、更には周り一面の森林地帯で、自分が今何処に居るのかさえ分からなくなる。
“とても厄介だ……”
夜の闇に紛れて奇襲を掛けるつもりが、このままでは朝になってしまうという焦り。
“ーーというより目的地に辿り着けるのかさえ定かでは無いな……”
「ちっ……森ごと焼き掃えばいいものを」
苛立だしく吐き捨てる様に呟くガイラだが、本部から下された最優先任務は光界玉奪取にある。
この地の殲滅では無い。
勿論、目的を達成したら一族郎党、この地ごと抹消する事になるのは当然事項。
ガイラの焦りはもう一つあった。第十八遊撃師団長シオンの生体反応が消失した事だ。
これは即ち、シオンが殺されたという事の証明と言っていい。
「まさかシオンが殺されるとはな……」
“我々師団長を殺せる程の者が、この地にはいる……”
ガイラは辺りが漆黒の道中、その心中を紡ぎ出す。
“ーー否、油断しただけなのかもしれない。シオンは自分の能力に過信し過ぎるきらいがあった。だが俺は奴とは違うーー俺はどんな弱者も全力で捻り潰す!”
本部からはシオンの予期せぬ死亡からか、戦闘を避けろという指令が追加されていた。
歩み進めるガイラは、その事に対して納得いかない様に、口に溜まった唾液を“ぺっ”と吐き捨てた。
――全く馬鹿げてる!
人間ごときに我々が闘いを避けるだと?
シオンを殺した奴を捜し出して殺すのが、俺にとっては最優先だ!
敵討ち?
冗談じゃない! 師団長同士とはいえ、俺達は仲良しこよしの集まりでは無い。
常にお互い蹴落とし合い、貪欲に上を目指す。だから我々狂座は強い。
俺は必ず戦価を挙げてみせる!
奴の分まで上に上がってみせる!
シオンよ……地獄から俺の活躍を見てるがいいーー
ガイラは一人突き進み、森の中心部まで辿り着こうとしていた。
闇の中視界も効かず、更には周り一面の森林地帯で、自分が今何処に居るのかさえ分からなくなる。
“とても厄介だ……”
夜の闇に紛れて奇襲を掛けるつもりが、このままでは朝になってしまうという焦り。
“ーーというより目的地に辿り着けるのかさえ定かでは無いな……”
「ちっ……森ごと焼き掃えばいいものを」
苛立だしく吐き捨てる様に呟くガイラだが、本部から下された最優先任務は光界玉奪取にある。
この地の殲滅では無い。
勿論、目的を達成したら一族郎党、この地ごと抹消する事になるのは当然事項。
ガイラの焦りはもう一つあった。第十八遊撃師団長シオンの生体反応が消失した事だ。
これは即ち、シオンが殺されたという事の証明と言っていい。
「まさかシオンが殺されるとはな……」
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“ーー否、油断しただけなのかもしれない。シオンは自分の能力に過信し過ぎるきらいがあった。だが俺は奴とは違うーー俺はどんな弱者も全力で捻り潰す!”
本部からはシオンの予期せぬ死亡からか、戦闘を避けろという指令が追加されていた。
歩み進めるガイラは、その事に対して納得いかない様に、口に溜まった唾液を“ぺっ”と吐き捨てた。
――全く馬鹿げてる!
人間ごときに我々が闘いを避けるだと?
シオンを殺した奴を捜し出して殺すのが、俺にとっては最優先だ!
敵討ち?
冗談じゃない! 師団長同士とはいえ、俺達は仲良しこよしの集まりでは無い。
常にお互い蹴落とし合い、貪欲に上を目指す。だから我々狂座は強い。
俺は必ず戦価を挙げてみせる!
奴の分まで上に上がってみせる!
シオンよ……地獄から俺の活躍を見てるがいいーー
ガイラは一人突き進み、森の中心部まで辿り着こうとしていた。
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