16 / 99
第2章 対峙
四話 氷の剣
しおりを挟む
アミは外へ弾き出されたシオンを追う。
“――とどめを刺さなきゃ!”
この程度で終わる相手とは思えないからだ。
皆もそれに続く。
外の広い庭園、石の塀に敷きられた其処には、シオンが埋まっているとされた亀裂が走っていた。
砂煙が舞い上がり、その生存は不明。
“殺ったか?”
流石にこの衝撃で無事とは思えない。が――
「やれやれ……。少々甘く見過ぎてしまいました」
煙の中から、身体に付いた破片を払いながら出てくる人物。
「信じられん……」
誰もがその姿に震撼する。
左頬に切り傷が有るだけで、その他五体満足。無傷に等しいシオンの姿があったからだ。
「では……次は私から」
何事も無かったかの様に身体を斜にし、レイピアを水平に構えたその姿が、アミに追撃の判断を一瞬遅らせた。
刹那、雷光の如く打って出るシオン。
“ボッ”
物理により空気が引き裂かれ、音の壁を破る。
「――っは!?」
一瞬でその先端がアミの下へ届く。
その刺突の速度は尋常では無かった。
「アミっ!!」
誰かの声が上がったのは、彼女の顔面が貫かれた様に見えたから。
「――っ!!」
だがアミは身体をずらす事で、間一髪その突きを逸らす事に成功したが、彼女の流れる黒髪が幾ばくか宙に舞う。
“――危なかった……何て速さの突き!”
アミは即座に後方へ飛び退き、シオンから距離を取る。
一瞬の攻防。
打つ方も避ける方も速過ぎて、常人の目では追い付けない。
「ホゥ……よく避けれましたね。だが次は躱せない」
シオンが再び、後方へ下がったアミへ突きを見舞う。
確かに速い。
だが彼女は既に見切っていた。
次は避けると同時に、側面からの交差法(カウンター)で迎え撃つと――
「えっ!?」
迫り来る突きに対して、横に身体をずらそうとした刹那――
“脚が動かない!?”
その刹那の思考。その事実に愕然とする。
足下からは地面から絡み付く様に、氷がアミの脚を固めていたからだ。
何故突然氷が? と考えている暇は無い。
「さよなら……美しいお嬢さん」
勝利を確信し、口角を吊り上げたシオンの突きがその顔下へ届く。
衝撃音が響き渡る。
誰もが殺られたと、終わったと思った。だが――
「ばっ……馬鹿な!」
シオンの戸惑う様な、焦りにも似た声。
何故ならその突きはアミへ届いておらず、それ処かそのレイピアは脛元から折れていたのだから。
アミも何故自分が無事なのか理解出来ない。が――
「どうして……?」
眼前にある光景に思わず声を洩らし、疑問が氷解していく。
二人の間に割り込む様に佇む人物。
抜いてさえいないその白き刀、雪一文字を左手に携えて――
『何時の間に?』
誰の目にも、二人の眼にすら止まらなかった。
ユキヤという少年が、まるでアミを庇う様にその前に立ちはだかり、シオンを見据えていたのだった。
シオンは危機的な何かを感じ、その場から飛び退く様に距離を取る。
そして折れた自らのレイピアを見詰めた。
“――折られた……まさか、あんな子供に?”
それは俄には信じ難い事。だが折れているのもまた事実。
再び目の前を確認するが、どう見ても只の子供だ。しかもアミより更に幼い。
しかしアミという、見た目では判断出来ない先程の例も有る。
シオンは少年へ向けて、測定を開始した。
“生体測定機 サーモ”
これは狂座に属する者が、装着を義務付けられている液晶型生体測定機。これにより、瞬時に対象者の総合戦闘指数が測れる優れもの。
侍レベルという数字で。これに誤認は決して無い。
「なっ……何だと?」
液晶に数値化された表示を見て、シオンは唖然。
“――侍レベル……『5%』だと?”
それは本当に、刀を持った少年が“只の子供”である事を意味していた。
“なら何故レイピアを折られた?”
しかも全く気付かない間に。
だが冷静に考えたら、すぐに分かる事だった。
レイピアはその細身である形状上、強度は日本刀の比では無い程に脆い。つまりタイミングさえ合えば、日本刀とレイピアの衝突では、後者が折れるのは道理だと。
そう、これは“たまたま”タイミングが合ってしまった状況による、奇跡にも近いまぐれ。
シオンは状況を分析して、そう判断を下す。
それに剣が折れた処で、戦闘には何の支障も無い。
「フフフ……」
シオンは折れたレイピアを手に、余裕に近い不敵な笑みを洩らす。
何故なら――
「どうして……早く逃げて!」
アミは何故か目の前で、自分を庇っている様に見える少年へ声を絞り出す。
それはこの喧騒に紛れて、此処から逃げて欲しいと。
「貴女には命を助けて貰った借りが有ります」
少年は顔半身のみ振り向き、アミへそう伝える。
「……命の借りは命で返すのが礼儀。ここは私が相手します」
闘う気なんだ――と。
それはアミの為に代わりに闘うという、はっきりとした意思表示の顕れ。
「相手する? 君がこの私を? フフフ……これは傑作」
その声を聞いていたシオンの高笑い。
可笑しくて堪らない。滑稽過ぎて哀れになってくる程。
「ええ。ですが役不足ですよ、全くの」
自分の分際も顧みず、まだこんな馬鹿な事を言っている。
もはや愉快を通り越して悪夢だと。
「まさか私のレイピアをまぐれで折った位で、既に勝った気でいるとは……。おめでた過ぎて涙が出てきそうになるよ」
堪える様に腹部を押さえているシオンが、その折れたレイピアの鋒を少年へ向ける。
とはいえ、得物が折れている以上、その戦力は半減では済まないはず。
『――っ!?』
だが次の瞬間、確かに見た。
見間違えでは無い。
その折れた脛元から形成されていく“何か”を。
“何だあれは?”
シオンが持つ、その余裕の意味。
それは目を凝らさねば、俄には視覚し辛い――
「……氷?」
細長く形成された氷の剣だった。
“――とどめを刺さなきゃ!”
この程度で終わる相手とは思えないからだ。
皆もそれに続く。
外の広い庭園、石の塀に敷きられた其処には、シオンが埋まっているとされた亀裂が走っていた。
砂煙が舞い上がり、その生存は不明。
“殺ったか?”
流石にこの衝撃で無事とは思えない。が――
「やれやれ……。少々甘く見過ぎてしまいました」
煙の中から、身体に付いた破片を払いながら出てくる人物。
「信じられん……」
誰もがその姿に震撼する。
左頬に切り傷が有るだけで、その他五体満足。無傷に等しいシオンの姿があったからだ。
「では……次は私から」
何事も無かったかの様に身体を斜にし、レイピアを水平に構えたその姿が、アミに追撃の判断を一瞬遅らせた。
刹那、雷光の如く打って出るシオン。
“ボッ”
物理により空気が引き裂かれ、音の壁を破る。
「――っは!?」
一瞬でその先端がアミの下へ届く。
その刺突の速度は尋常では無かった。
「アミっ!!」
誰かの声が上がったのは、彼女の顔面が貫かれた様に見えたから。
「――っ!!」
だがアミは身体をずらす事で、間一髪その突きを逸らす事に成功したが、彼女の流れる黒髪が幾ばくか宙に舞う。
“――危なかった……何て速さの突き!”
アミは即座に後方へ飛び退き、シオンから距離を取る。
一瞬の攻防。
打つ方も避ける方も速過ぎて、常人の目では追い付けない。
「ホゥ……よく避けれましたね。だが次は躱せない」
シオンが再び、後方へ下がったアミへ突きを見舞う。
確かに速い。
だが彼女は既に見切っていた。
次は避けると同時に、側面からの交差法(カウンター)で迎え撃つと――
「えっ!?」
迫り来る突きに対して、横に身体をずらそうとした刹那――
“脚が動かない!?”
その刹那の思考。その事実に愕然とする。
足下からは地面から絡み付く様に、氷がアミの脚を固めていたからだ。
何故突然氷が? と考えている暇は無い。
「さよなら……美しいお嬢さん」
勝利を確信し、口角を吊り上げたシオンの突きがその顔下へ届く。
衝撃音が響き渡る。
誰もが殺られたと、終わったと思った。だが――
「ばっ……馬鹿な!」
シオンの戸惑う様な、焦りにも似た声。
何故ならその突きはアミへ届いておらず、それ処かそのレイピアは脛元から折れていたのだから。
アミも何故自分が無事なのか理解出来ない。が――
「どうして……?」
眼前にある光景に思わず声を洩らし、疑問が氷解していく。
二人の間に割り込む様に佇む人物。
抜いてさえいないその白き刀、雪一文字を左手に携えて――
『何時の間に?』
誰の目にも、二人の眼にすら止まらなかった。
ユキヤという少年が、まるでアミを庇う様にその前に立ちはだかり、シオンを見据えていたのだった。
シオンは危機的な何かを感じ、その場から飛び退く様に距離を取る。
そして折れた自らのレイピアを見詰めた。
“――折られた……まさか、あんな子供に?”
それは俄には信じ難い事。だが折れているのもまた事実。
再び目の前を確認するが、どう見ても只の子供だ。しかもアミより更に幼い。
しかしアミという、見た目では判断出来ない先程の例も有る。
シオンは少年へ向けて、測定を開始した。
“生体測定機 サーモ”
これは狂座に属する者が、装着を義務付けられている液晶型生体測定機。これにより、瞬時に対象者の総合戦闘指数が測れる優れもの。
侍レベルという数字で。これに誤認は決して無い。
「なっ……何だと?」
液晶に数値化された表示を見て、シオンは唖然。
“――侍レベル……『5%』だと?”
それは本当に、刀を持った少年が“只の子供”である事を意味していた。
“なら何故レイピアを折られた?”
しかも全く気付かない間に。
だが冷静に考えたら、すぐに分かる事だった。
レイピアはその細身である形状上、強度は日本刀の比では無い程に脆い。つまりタイミングさえ合えば、日本刀とレイピアの衝突では、後者が折れるのは道理だと。
そう、これは“たまたま”タイミングが合ってしまった状況による、奇跡にも近いまぐれ。
シオンは状況を分析して、そう判断を下す。
それに剣が折れた処で、戦闘には何の支障も無い。
「フフフ……」
シオンは折れたレイピアを手に、余裕に近い不敵な笑みを洩らす。
何故なら――
「どうして……早く逃げて!」
アミは何故か目の前で、自分を庇っている様に見える少年へ声を絞り出す。
それはこの喧騒に紛れて、此処から逃げて欲しいと。
「貴女には命を助けて貰った借りが有ります」
少年は顔半身のみ振り向き、アミへそう伝える。
「……命の借りは命で返すのが礼儀。ここは私が相手します」
闘う気なんだ――と。
それはアミの為に代わりに闘うという、はっきりとした意思表示の顕れ。
「相手する? 君がこの私を? フフフ……これは傑作」
その声を聞いていたシオンの高笑い。
可笑しくて堪らない。滑稽過ぎて哀れになってくる程。
「ええ。ですが役不足ですよ、全くの」
自分の分際も顧みず、まだこんな馬鹿な事を言っている。
もはや愉快を通り越して悪夢だと。
「まさか私のレイピアをまぐれで折った位で、既に勝った気でいるとは……。おめでた過ぎて涙が出てきそうになるよ」
堪える様に腹部を押さえているシオンが、その折れたレイピアの鋒を少年へ向ける。
とはいえ、得物が折れている以上、その戦力は半減では済まないはず。
『――っ!?』
だが次の瞬間、確かに見た。
見間違えでは無い。
その折れた脛元から形成されていく“何か”を。
“何だあれは?”
シオンが持つ、その余裕の意味。
それは目を凝らさねば、俄には視覚し辛い――
「……氷?」
細長く形成された氷の剣だった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
隠された山の麓で
みみみ
恋愛
人の寄り付く事のない森の中の山の麓の小さな家に、怪我をし記憶を失った若い男はたどり着いた。
そこに住む若い女アナリーに介抱され暫く世話になる。やがて2人は恋に落ち結ばれる。だが…
一つの目的の為に、小さな息子と王都に辿り着いたアナリーそこに待ち受けていたものは…
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
現代ダンジョンで成り上がり!
カメ
ファンタジー
現代ダンジョンで成り上がる!
現代の世界に大きな地震が全世界同時に起こると共に、全世界にダンジョンが現れた。
舞台はその後の世界。ダンジョンの出現とともに、ステータスが見れる様になり、多くの能力、スキルを持つ人たちが現れる。その人達は冒険者と呼ばれる様になり、ダンジョンから得られる貴重な資源のおかげで稼ぎが多い冒険者は、多くの人から憧れる職業となった。
四ノ宮翔には、いいスキルもステータスもない。ましてや呪いをその身に受ける、呪われた子の称号を持つ存在だ。そんな彼がこの世界でどう生き、成り上がるのか、その冒険が今始まる。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
迦国あやかし後宮譚
シアノ
キャラ文芸
旧題 「茉莉花の蕾は後宮で花開く 〜妃に選ばれた理由なんて私が一番知りたい〜 」
第13回恋愛大賞編集部賞受賞作
タイトルを変更し、「迦国あやかし後宮譚」として現在3巻まで刊行しました。
コミカライズもアルファノルンコミックスより全3巻発売中です!
妾腹の生まれのため義母から疎まれ、厳しい生活を強いられている莉珠。なんとかこの状況から抜け出したいと考えた彼女は、後宮の宮女になろうと決意をし、家を出る。だが宮女試験の場で、謎の美丈夫から「見つけた」と詰め寄られたかと思ったら、そのまま宮女を飛び越して、皇帝の妃に選ばれてしまった! わけもわからぬままに煌びやかな後宮で暮らすことになった莉珠。しかも後宮には妖たちが驚くほどたくさんいて……!?
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる