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第4章 氷の剣士 水の剣士

五話 力の差

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「俺が狂座に怖じ気付いているだと? ククク、随分と大口叩くじゃないか。まあお前のその性格、嫌いじゃないがな」


ユキの挑発とも云える言動。とはいえ、シグレに怒りの感情は感じられない。むしろ鼻で笑うかの様に受け流していた。


「狂座に四死刀、どっちが勝とうが誰が天下を獲ろうが俺には関係の無い事」


シグレは村雨を天に掲げ、空を仰ぐ。


「俺は俺自身の力で最強を証明する。全てを敵に回してもな。それが俺の存在意義だ!」


シグレは再びユキを見据え、村雨を突き向けた。


「何を馬鹿な事を……。やはりアナタは危険ですね。特異点は特異点の、私の手で始末します」


ユキも再び、雪一文字をシグレへと向ける。


いよいよ特異点同士の、人知を超えた闘いの幕が切って落とされ様としていた。


「ククク、お前に俺が倒せるか? 以前ならまだしも、今の飼い猫に成り下がったお前に。それに……」


また挑発を繰り返すシグレ。そのシグレが次に発した言葉の意味は、第三者にとって絶望と云えるものであった。


「お前は俺に、一度も勝った事が無いだろう?」
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