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第2章 帰依
八話 掛け替えの無い時間
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――夕食後。三人で作った(とはいえミオはほとんど何もしていない)魚関連の料理をあらかた平らげた後、庵を囲む三人。
「えぇ~! ユキってまだ十二だったの!?」
ミオが驚いた様に声を大にする。確かにユキは歳相応とは思えぬ位、雰囲気が落ち着いて大人びている。
「そんなに驚く事も無いでしょう?」
その口調や佇まいは、幾多もの修羅場を潜り抜けてきた、濃密過ぎる迄の十二年間の証。
ミオが悪戯っぽい仕種で、ユキへ向けて小さな胸を張る。
「へへん☆ 私は十三よ。私の方が年上なんだから、私の事はこれから“ミオ姉様”と呼びなさいね!」
ミオは勝ち誇った様に、しかも嬉しそうに語る。
「何を馬鹿な事を。そもそも歳の差なんて無意味ですよミオ」
そんな馬鹿げた提案、ユキは意も返さぬ様に受け流す。それもそうだろう。ミオより更に年上のアミに対しても、そんな事は言わないし気にする事さえ無いのだから。
「何言ってるのよ! ちゃんとミオ姉様と呼びなさいよ!」
「嫌です(きっぱり)」
二人のそんなやり取りを見て、アミは思わず笑みを綻ばせる。
“良かった……。ユキのあんな表情見るの、久しぶりな気がする。きっと三人で上手くやっていける。こんな穏やかな時が、いつまでも続いて欲しいーー”
それはアミの細やかな願いであった。
避けられない“狂座”との闘い。
だけどせめて今だけはという、細やかだけど掛け替えの無い時間を。
「えぇ~! ユキってまだ十二だったの!?」
ミオが驚いた様に声を大にする。確かにユキは歳相応とは思えぬ位、雰囲気が落ち着いて大人びている。
「そんなに驚く事も無いでしょう?」
その口調や佇まいは、幾多もの修羅場を潜り抜けてきた、濃密過ぎる迄の十二年間の証。
ミオが悪戯っぽい仕種で、ユキへ向けて小さな胸を張る。
「へへん☆ 私は十三よ。私の方が年上なんだから、私の事はこれから“ミオ姉様”と呼びなさいね!」
ミオは勝ち誇った様に、しかも嬉しそうに語る。
「何を馬鹿な事を。そもそも歳の差なんて無意味ですよミオ」
そんな馬鹿げた提案、ユキは意も返さぬ様に受け流す。それもそうだろう。ミオより更に年上のアミに対しても、そんな事は言わないし気にする事さえ無いのだから。
「何言ってるのよ! ちゃんとミオ姉様と呼びなさいよ!」
「嫌です(きっぱり)」
二人のそんなやり取りを見て、アミは思わず笑みを綻ばせる。
“良かった……。ユキのあんな表情見るの、久しぶりな気がする。きっと三人で上手くやっていける。こんな穏やかな時が、いつまでも続いて欲しいーー”
それはアミの細やかな願いであった。
避けられない“狂座”との闘い。
だけどせめて今だけはという、細やかだけど掛け替えの無い時間を。
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