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ユキナ

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三の罪状

雫のレベル

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「どうよ? 久々に俺の力を見てビビっちゃったかな?」


幸人の言葉を聞いていたのか、時雨が御満悦な表情で二人の下へ歩み寄って来る。


「笑わせる……。お前の力はただ殺しを楽しむ為だけのもの。怯懦する道理は無い」


幸人の返した答。それは明らかに挑発の類。


「幸人?」


“らしくない”


それがジュウベエが真っ先に感じた事。


二人の仲が宜しく無い事は、仲介所のやり取りで分かっていた事だが、それにしても珍しく感情が先走っていると。


“この二人の間に一体何が?”


「あ? 仕事は楽しくやるのが長続きのコツだろうが? 同じ穴のムジナ同士、楽しく殺ろうぜ」


時雨はその陽気な声とは裏腹に、顔が笑ってない。


「一緒にするなよ」


「この偽善者が……」


それは幸人も、御互いに同じ。


対峙する二人の間に、肌に張り付く様な緊張感、もとい亀裂が走る――


「あ! 良い事思い付いた。介添え役、同行中に敵の不意打ちにより死亡、て頭良いな俺」


時雨が不意に恐ろしい事を、さらりと言いのける。


それが頭良いかはともかく――


「俺も似た様な事を考えてた。執行者、執行中に油断から死亡。本部にはそう届けといてやる」


幸人も全くの同感。明らかに両者共に殺る気満々。御互いを――


「おっ……おい幸人!?」


危険を察知したのか、ジュウベエが急ぎ幸人の左肩から飛び降りたのは、その眼鏡を外していたからだ。


依頼以外の事で、その真の力を解放する等――


「上等上等、いい機会だ。お前とはいつかケリつけねぇと、と思ってたからな」


まるでこの時を待ってたかの様に嘲笑う時雨。


突如その身体の周りには、幾多ものテニスボール程の水球が現れ、不規則に渦巻いている。


限りなく透明で視覚も朧だが、先程と同様それは超圧縮された水の塊、正に水の集合体だ。


「昔から気に食わなかったんだよ。自分は他とは違う、っていうその勘違いっぷりがな!」


そう吐き捨てた時雨の表情に、既に笑みは無い。切れの長い蒼き瞳は冷酷そのもの。


「それは俺も同じだ。いい加減お前が目障りで仕方無い」


煌めく銀髪へと変わった幸人もまた同じ。


氷と水。等しい様で全てに於いて対極にある二人。


御互いがぶつかり合うのは、遥か昔から定められていたのかが如く、この対峙は必然だったのかも知れない。


そして完全に幸人から雫へと移行した瞬間――




“level99.99%over”













※※※※EMERGENCY※※※※





鳴り響く警告音は時雨から。


「くっくっく」


この状況に昂りを隠せず、自然と高揚の笑みが溢れる。



※レベル臨界突破計測確認――


CODE:0990100よりモード反転――


スタビライザー解除:裏コード移行――




※※※※EMERGENCY※※※※




※本機はこれより モード:エクストリームへ突入します――


地殻変動及び空間断裂の危険性大――


速やかな退避を推奨します――




※※※※EMERGENCY※※※※




時雨は微笑しながら、己がサーモの液晶画面を確認していた。


――――――――――――――

※裏コード~臨界突破
※第二マックスオーバー
※モード:エクストリーム


 対象level 201.96%


※危険度判定 SS

――――――――――――――

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