僕の可愛い次郎

大森心晴

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で、こうなった・・・

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「で?欠席なわけ?」

1週間も大学を休むもんだから友人たちが七海をマンションに寄こした訳で
髪もボサボサ、髭もヤバいね
そんな状態で何もないとは誰も思わない

次郎の事を話せるのも七海しかいない訳で・・・
「どもだちじゃ・・・無いって・・・」
と泣く俺。

「女々しい・・・女々しすぎるよ!!」
「だって~」
「友達じゃないって言うかさ、友達以上だったんじゃないの?」
「なんで彼女作るよ~」

何か言われれば泣いて、マイナスに考えて
情けない・・・俺。

「まぁ、こんな時にはさ、美味しいものでも食べて元気出して!私はそうする」
「食欲ないし・・・」
「うるさい!!食べろ!私が並んで買ってきた行列ができる人気のシュークリームを!!」

なんてやり取りをしていると呼び鈴が鳴った
「私が出るよ」
七海が玄関へ向かい、誰かが来た

「太郎~次郎君だよ」
と七海が言った

「大学休んでるって聞いて・・・」
なんともバツの悪そうな顔
で、イラついて居るのが分かる
「体調悪い?」

本気で心配はしているようだが会いたくなかった・・・

「次郎君もシュークリーム食べる?コーヒー入れてくる」
七海はキッチンへ

「彼女、見舞いに来てたんだ・・・ね」
「あぁ・・・」
「この前はごめん・・・」

返事は出来ずにいた
そこへ七海がやってきて、少しホッとした
「はい、次郎君コーヒー」
「ありがとう」

七海からコーヒーを受け取って一口飲む
「落ち込んでる原因は俺だよね?」
若干俺の肩がビクつく

「って分かっているなら何しに来たの?」
「ななみ・・・」
「友達じゃないなら心配も要らないし、来る意味あるの?」

七海に言われたら次郎じゃ何も言えないよな
「友達じゃないって、そう意味じゃなくて」
「どーいう意味よ!」
「彼女に悪いけどさ、彼女よりも俺の方がタロちゃんのこと好きだし、ヘタレのタロちゃんに彼女が出来てイラついたって言うか・・・」

『んー!!』
話がまとまらないのか、頭をガシガシかく
「え?何??次郎ちゃんはタロちゃん好きなの?」
「はい。大好きですけど?恋愛的な意味で」
「え?じゃなんで彼女いたのよ?」
「かまって欲しいから?タロちゃんに」

『あー違うなぁ』
と良いながら、また頭をかく

「ヘタレは合ってるわ~」
「おい・・・」
ケラケラ笑う七海
不思議そうに見る次郎

『なんだこれ?』

「じゃぁ、私は退散した方がいいね!帰るよ」
「え、七海・・・帰んないでよ」
柄にもなく泣きそうな声の俺

「次郎君・・・私と太郎君は友達だよ、恋愛はないよ」

七海は『じゃ~明日ね』そう言って帰って言った

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