僕の可愛い次郎

大森心晴

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太郎が告白された!

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次郎もモテるけど、俺もモテる。
ただ、付き合わないだけ

「太郎、付き合う?」
と軽い感じが多いけど、今回は違う
学食で友人とランチ中に声をかけられた。

「太郎くん、隣いいかなぁ?」
「あーうん」
「ありがとう」

髪は長くて、清楚な感じ?
俺にしたら次郎以外は同じに見える

「太郎くんって彼女は居るの?」
「いないかなぁ」
「私と付き合って欲しいです!」

勿論、断ろうとした
が、周りの友人にあーだ、こーだ言われて付き合う事になった。

俺は次郎が好きなのに

「太郎くん、帰ろ!」
いつの間に!
ランチ以降…記憶がない!

会話ないまま二人で歩く
「太郎君って他に好きな人いる?」
「え!?なぜに?」
「んーなんか、そんな感じがさ・・・」

確信はないんだけど・・・的な感じで言った
「まぁ・・・何年も片思いかなぁ~」
「付き合ってとは言ったけどさ、友達から始めない?」
「友達かぁ・・・面倒だな」
「ひど!!」

やべぇ、いつものノリで会話しちゃった
「いや、面倒って言うか・・・あの、ごめん」
「いいよ、そっちが素か(笑)」

彼女はそう言って笑った
「重ね重ね悪いんだけどさ・・・名前を」
「言ったじゃん!」
「だから悪いって言ったじゃん」

思いのほか話しやすい子だった
「名前は七海だよ!ななみ!」
「七海ね・・・覚えた!」
「太郎君って興味ないと覚えられないタイプ?」

次郎しか興味がなかった
きっと顔も覚えもしないだろう
「なによ、そんなに顔見て」
「明日あった時にスルーしたら悪いじゃん、顔を覚えてる」
「え?天然なの?」
「ち、げーよ!!」

次郎にも彼女いるし、俺もこのままでいいか
思いのほか居心地が良かったからそう思った。
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