今は君のことだけ〜過去も未来も忘れて〜

プラネタリウム

プラネタリウムに着いた2人は、カップルにピッタリなペアシートに決めた。

プラネタリウムに行こうと、提案したのは翔太だった。

友達から、デートにはプラネタリウムがおすすめだと聞いていたからだ。友達曰わく、異世界が楽しめるらしい。



『星空の時間』の投影が始まる。
チラッと彼女を見たけれど、真っ暗で様子を、うかがうことは出来なかった。

ふと翔太は、今見てる星は過去の星という事を思い出す。小学生の時、校外学習で行ったプラネタリウムで聞いたのだ。

あの時とは技術的に、だいぶ進化しているらしく、臨場感があり、輝く星たちもクリアに見える気がした。

暗闇に目も慣れてきて、彼女を見た。彼女が視線に気付き、目が会う。2人とも数秒見つめ合った後、上を向く。

翔太は、もし彼女も気になって、こっちを見た時、口が空いていたらダサいなと思った。


ライブ解説の時間になった。
今夜見ることが出来る月や星座の見つけ方、それにまつわる神話や見どころの話だ。

日常を忘れて、星たちの瞬きに包まれ、穏やかな時間を過ごした2人は、プラネタリウムを後にした。