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~サンタからのクリスマスプレゼント~

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それからも、仕事上忙しい彼なので、毎日では無いが、週に2回程泊まりに来るようになった。

子供達はすっかり懐いて、奈々と里奈は宿題を教えて貰ったり、恋の相談をしたりしている。イケメンの意見は貴重なんだそうな。

蓮くんは相変わらず、瑠衣に慕っており、子分のようだ。お風呂は必ず瑠衣と入り、お風呂で男同士の秘密の話をしているそうだ。

そして、瑠衣は私の大切な人だという事も分かってくれ、姉妹は母の恋を応援してくれている。

瑠衣は会社でも、私と付き合い出して大分変わったらしい。会社の方からお土産やら接待で何やらと頂くと、自分は食べず、必ずちびっこ+ちっこい大人にと、持って帰るらしい。

出張に行くと、必ず帰りに、ちびっこが好きそうなお菓子を探し、買うらしい。

なんだか、私やちびっこをいつも思ってくれているようで、本当に嬉しい。

けどね、めちゃくちゃ心配症なの。 私がはたまた保育園のお迎えでママチャリで暴走したりすると、危ないからと運転手に車出させるからやめろ!・・って言ってみたり(もちろん、運転手付きの車など拒否!ママチャリで何処でも行けるもん。)、蓮くんを抱っこして階段登ろうとすると、危ない!と言い、強引に蓮くんを自分が抱っこしたり・・・とにかく過保護なの。

今一番瑠衣の心配事は・・・ウチのマンションらしい。ごく普通のマンションで、治安も悪くは無いし、隣近所良い人なので気に入ってるんだけどな。

1階でオートロック無し!まずこれが有りえないんだって。最近は男の出入りが有るからまだ大丈夫だろうけど、女、子供だけの家に1階ロック無しはダメなんだって・・瑠衣は全く心配し過ぎよ。

瑠衣は次期社長。お父様が社長さんだから、きっと私とはレベルの違う暮らしをしてるんだろうな。私は一般家庭育ちの、今は母子家庭だからね。

今日はクリスマス。瑠衣が皆でご飯食べに行こうと誘ってくれ、お家で待機中。車で迎えに来てくれるんだって。

奈々と里奈はめっちゃくちゃお洒落している。お揃いのワンピースにブーツにフワフワのコート。私も同じような服装だけど、いつもは薄いメイクだけど、今日はちゃんとした。

蓮くんは朝からクリスマスだと大興奮! 蓮くんは瑠衣が大好きで、ルイルイと毎日うるさい。そんな瑠衣は蓮くんをレンレンと呼んでいる。バカっプルみたいでしょ?

でもね、相手に子どもが居て、その子供も自分同様愛してくれるって、瑠衣は本当に心の広い愛情深い人だと思うの。

現実なかなか難しいと思う。だけど、瑠衣は俺はもともと子供が好きだし、無邪気な子供を見てると癒されると・・うるさいだろうに、それを癒しだと言ってくれる。

ありがとう、瑠衣。感謝してるよ。そして、苦労掛けてごめんね。本当にいつも思うの。だから、今日は瑠衣に今の様な内容のお手紙と共にクリスマスプレゼントも用意したの。

そうこうしてる間にお迎えのチャイムが!

子供達はルイルイと大騒ぎ!

ん?鍵穴を覗くとルイルイ?ではなく・・・サンタさん?

いやぁー・・大人から見ると思いっきり瑠衣ですけど!

瑠衣が子供達の為にサンタさんに変身してくれたらしい。

純粋無垢な子供達には本物のサンタさんに見えるらしい。

里奈は「サンタさんだぁ!すご~い!」と目をキラキラさせる。

奈々は「サンタさんって本当にいるんだぁ!(4年生・・少々疑ってたらしい・・)サンタさんって、絵本よりもカッコいいんだね。細いんだー。」

うーん? 瑠衣だもんね・・なんか、変な汗が出そう。

蓮くんはビビっている。何故に? 怖い、怖いと私の後ろに隠れる始末。

苦笑いの瑠衣さん。

「奈々ちゃん、里奈ちゃん、蓮くん。いつも良い子にしてて偉いね。サンタさんはいつも見てたよ。賢い君達にはスペシャルプレゼント!」

瑠衣・・頑張って声変えてるよ。笑いを堪える私。

そして、何処から用意したのか? サンタさんが持っている白い大きな袋もちゃっかり持っている。

私・・・ププっ・・。おっと!瑠衣サンタにジロリと睨まれた。ヤバい、ヤバい。

瑠衣は白い大きな袋からプレゼントを取り出した。

子供達それぞれに手渡ししていく。

奈々は綺麗にラッピングされたピンクの大きな箱とお菓子の入った大きな長靴。目をキラキラさせる奈々。中身は一輪車! 可愛いピンク色の。奈々はずっと欲しがってたの。飛び跳ねて喜ぶ奈々。

里奈は同じく綺麗にラッピングされた黄色い箱に、奈々と同じ、お菓子の入った大きな長靴。目をキラキラさせ開ける里奈。中身はキックボード!おや?何故瑠衣は知ってるんだろ?欲しい物を。これも里奈がずっと欲しがってた物。きゃーっと叫び、走り回りながら喜ぶ里奈。

蓮くんはやっぱり綺麗にラッピングされた青い大きな箱。そして、同じお菓子。サンタさんに手招きされ、恐がりながらも近づく蓮くん。顔は必死だ。泣きそうではないか・・面白いのが大好物の私。笑いを堪えねばと歯を食い縛る。

プレゼントを受け取り、サンタさんにヨシヨシされる蓮くん。蓮くんの中身は仮面ライダーの変身セットとサッカーボール。相変わらず、私に隠れる蓮くんだけど、飛び跳ねて喜んでいた。

そして、瑠衣サンタは子供達に言った。

「皆、これからもママと言う事を聞いて良い子にしてるんだよ。サンタさんはいつも見てるからね。じゃあ、サンタさんは他の子供達にもプレゼントを配らないといけないから行くね。」

その言葉に子供達は大きな声で、

「「「ありがとうー!!!」」」

とお礼を言った。そして、サンタさんは帰って行った。

その後、30分程して、瑠衣登場!
 
子供達は案の定大興奮で、サンタさんの事を喋りまくった。瑠衣は良かったなー。とニコニコしていた。

そして、その後、瑠衣の車へ。

デカイっ!何?この高級車・・・やはり、瑠衣は次期社長だもんな。瑠衣って凄い人なんだよね。

会社では滅多に笑わない、クールで厳しい一らしい。皆に怖がられてるとか。私達の前では瑠衣、超優しいのにな。

「瑠衣、さっきはありがとう。瑠衣、大好きだよ。」

と子供達に聞こえない様に小声で話、子供達に見えないように頬っぺたにチュッとしちゃった私。

運転しながら、照れる瑠衣。私、瑠衣の事どんどん好きになるよー。

車の中では子供達はサンタさんで頭がいっぱいの模様。
カッコ良かったと大絶賛の姉妹。

「サンタしゃん・・・こわい。でも・・しゅき(好き)」

蓮くんの言葉に皆笑い、ほのぼのとした車内での空間が心地良かった。

瑠衣と目が合い、お互い微笑み合い、幸せを感じた。

 お店に着き、車から降りる。

そこは高級そうなイタリアンレストラン。

「瑠衣~、私こんなお店初めてだよ。子供達も騒いじゃわないかな。大丈夫かな。」

心配する私に瑠衣は

「ここは俺のツレがやってる店なんだ。それに、子供達が騒いでも気にならない様、個室をとってある。心配すんな。」

と、私の肩を抱きぎゅーっとしてくれた。

「瑠衣、ありがとう。」

そう言い、皆でお店に入る。お店の中はとても広く清潔感が有り、何処もかしこもキラキラだった。まず目に入ったのはやはりツリー。大きくて、飾りも素敵。クリスマスっていいな。

個室に案内された。個室はお部屋みたいに仕切られており、お洒落なテーブルにセンスの良い椅子。そして、部屋の隅っこにはキッズスペースが有る。おもちゃや絵本、DVDが見れるようにもなっている。

私達の事をこんなにも考えてくれた瑠衣に本当に感謝だ。

瑠衣の心遣いに涙ぐむ私。それを見た瑠衣は、

「泣くのはまだ早い。もう、心菜は泣き虫だな。」

と言い、頭を撫でてくれる。

「ありがとうー!瑠衣。」

「ここちゃんはありがとうばっかりだな。また、ここちゃんに思う存分癒して貰うからいいよ。」

と意地悪い微笑みをする瑠衣。真っ赤になる私。

そこへ店員さん登場。

店員さんは瑠衣と同じ位の歳の長身の男性。色白で中性的で優しそうな印象。

「本日はご来店頂きありがとうございます。」

と言い、ペコリと頭を下げた店員さん。そして、

「おぅ!瑠衣。噂通り皆めちゃくちゃ可愛いな。それから、彼女さんべっぴんさんやなー。」

おっと!関西弁だぁ。

「だろ?羨ましいだろ。」

とハニカム瑠衣。あっ!そういえばツレがやってる店って言ってたもんね。

「僕は瑠衣と幼馴染の圭吾と言います。瑠衣の事は知り尽くしてるので、なんか有れば何でも相談してな。瑠衣が女の子連れてくるなんか初めてやわ。」

そう言い、フッと笑う圭吾さん。

「幼馴染だったんですか。私は小峰 心菜です。(そういえば、苗字言ってなかったよね。小峰です・・。)子供たちは奈々と里奈と蓮です。宜しくお願いします。」

ペコリと頭を下げる私に、可愛いなー。と私をまじまじ見つめる圭吾さん。それを睨む瑠衣。こ・・恐いよー瑠衣さん。

「お前なんかにゃ、心菜をやらんよ。近付くな!」

と言い拗ねた様な瑠衣。それを見て爆笑する圭吾さん。

「心菜ちゃん。瑠衣の事、宜しく頼みますね。じゃ、仕事に戻るね。」

そう言い、笑顔で去って行く圭吾さん。まだ拗ねている瑠衣。何だか可愛い。瑠衣に萌えー!

ニタニタしている私に

「夜は覚えとけよ!」

と瑠衣。顔を真っ赤にする私。

そこへお料理が運ばれて来た。前もって瑠衣が頼んでくれていたらしい。

蓮くんは新幹線の形のお子様ランチ。ハンバーグにエビフライ、クリームコロッケにタコさんウインナーなどなど、そして、ご飯は仮面ライダーの顔の形にデコってある。

これには蓮くん大喜び!

お姉ちゃん達は小学生向けにとお子様ランチを作ってくれたのかな? 蓮くんより大きいお子様ランチだけど、オムライスにグラタン、パスタ、ハンバーグ、かにクリームコロッケなどなど。オムライスやハンバーグがハート型だったりと、沢山工夫されている。

とても可愛いお子様ランチにお姉ちゃん達も大喜び!瑠衣が圭吾さんに頼んでくれたんだろうな。

そして、私達はまずワインで乾杯。子供たちもジュースで一緒に乾杯して、楽しく食事を楽しむ。

「圭吾の料理は何を食べても美味いんだよ。あいつはめちゃくちゃ努力家なんだ。」

「そうなんだ。そういう瑠衣だってめちゃくちゃ努力家じゃないの。瑠衣は友達思いだね。」

と言うと、照れた様な瑠衣。

お料理はサーモンとイクラのクリームパスタ、じっくり煮込まれた、トロトロ和牛のパイシチュー、マルゲリータピザ、ラザニア、トマトのモッツァレラチーズのカプレーゼなどなど。お腹がもういっぱい。

子供たちも大満足。

食事を終えた頃、瑠衣が店員さんを呼ぶ。すると、おいしそうで見た目も綺麗で可愛いクリスマスケーキが運ばれてて来た。

長方形の雪の様な真っ白のケーキ。その上にはチョコやお砂糖で作ったであろう、サンタさんやトナカイさんが乗っていた。イチゴやメロンやみかん、パインなどなどフルーツもたっぷり!

子供たち大はしゃぎ!皆嬉しそうに、美味しそうに食べている。その時、瑠衣が突然言い出した。

「皆聞いてくれるかな? 大切な話があるんだ。」

と、その声に食べるのをやめる皆。

「奈々、里奈、蓮。君達はママの事が大好きだよな。」

その言葉にニコニコし、微笑む3人。

「俺もママの事、大好きなんだ。もちろん君達の事も。今すぐには難しいかもしれないけど、いつかママを俺のお嫁さんにしてもいいかな? その時は俺がお前達のお父さんになる。」

え?一同唖然。 ん?ともう一度瑠衣の言った言葉を整理する。お・・お嫁さん! ?    急に意味の分かった私は恥ずかしくなり、顔を赤くさせる。

「ママ、顔まっかっか!あはは。」 

と里奈。

「ママがルイルイの事好きなのも、ルイルイがママの事好きなのも知ってるよ。私は、ママが今までいっぱい泣いてたの知ってるから、ママを笑わせてくれるルイルイが大好きなの。だから、今すぐにでもお嫁さんにしてあげて。」

と奈々。

「いいのか? お嫁さんにしたら毎日俺が家にいるんだぞ。大丈夫か?」

心配そうな瑠衣。

「いいに決まってるじゃんか。ねぇ、里奈、蓮。」

奈々は弟と妹に言った。

「ルイルイにまいにちあえるの、うれしぃー。おれ、ルイルイしゅきー(好き)」

「ルイルイならいいよー。里奈、パパが出来るのうれしいよ。」

子供たちは口々に大賛成モード。

「ありがとうー。本当にありがとな。」
 
そして、ゴメンゴメン!ケーキ食べようぜ!っとまた皆食べ始めた。プチ置いてけぼりな私。

瑠衣はこんなにも思ってくれてるんだ。涙が出そうになる。嬉しくて。俯いてると瑠衣が聞いてきた。

「迷惑か?ここは嫌なのか?」

少し不安そうな瑠衣。初めて見た。こんな瑠衣。私は少し焦り、

「嫌なわけないよ!とにかくめちゃくちゃ、スーパー嬉しい。けど、本当にいいのかな? 瑠衣、3人のパパになるの分かってるの? お金だって沢山いるし、大変さも3倍だよ。苦労するんだよ。」

と言うと、瑠衣は良かったー!と笑い、

「本気で好きになったの初めてなんだよ。マジで惚れた奴と一緒になれるんだ。こんな幸せな事ねーよー。前にも言ったけど、子供の事は全く問題なしだ。苦労だって幸せのうちだ。」

と、瑠衣は優しい目で微笑んだ。

その頃、ケーキを食べ終えたチビ3人組はキッズスペースへ移動されました。ドラ○もんの映画を掛けてもらい、おもちゃで遊んだり楽しそうにしておられます。

「心菜。目瞑って!」

突然瑠衣が言う。ハテナ顏の私に急かす瑠衣。目を閉じる私。キ・・キスされるのかな。とドキドキする私。

ん?なかなから来ない。けど、何か左手に違和感が・・そして、目開けてみて! の声に目を開ける。

「え?うわぁー!」

涙が溢れる。嬉しい、涙が止まらない。大きなダイヤの綺麗な指輪が私の薬指にはめられていた。

「心菜!俺と結婚してくれませんか? 子供たちも皆一緒に幸せになろう!」

まさかのプロポーズをしてくれた瑠衣。そうか!私にプロポーズする前に子供たちに聞いてくれてたんだ。子供たちの気持ちも大切にしてくれる瑠衣らしいな。

「私なんかで良ければ・・よろしくお願いします。」

そして、2人で見つめ合い微笑んだ。

その後、私も瑠衣にクリスマスプレゼントを渡した。部屋の合鍵と手紙と手袋とマフラー。瑠衣って寒いのに、マフラーや手袋しないんだよね。だからね。

「ごめんね。こんなんしか出来なくて。」

申し訳なさそうに言う私に、瑠衣は

「スッゲェ嬉しい。サンキュー。これから仕事にもしてくよ。」

と喜んでくれ、手紙も読んでくれた。手紙には瑠衣大好き的な事をつらつらと・・そして、いつもありがとう。と感謝の気持ちを書いた。それにも喜んでくれ、大切に持っとくよ。と言ってくれた。

瑠衣のお陰で素敵なクリスマスになった。最高のサンタからのプレゼントだね。

何だかトントン拍子に結婚が決まっちゃったな。それからは、チャイムを鳴らしてではなく、瑠衣は自分で鍵を開けて、家に入ってくるようになった。



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