こちら付与魔術師でございます

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こちら付与魔術師でございます

こちら付与魔術師でございます Ⅷ さぁ、本格的にはじめましょう :リベンジ

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 はぁ、取りあえず、エフィルさんの依頼は片付けました。やっと金銭の収入が入ってひと安心です。
 しかし、バスティさん何をくれるんだろ?
 古代エルフに関係がある物でもくれるのかなぁ? まぁ、それは後日のお楽しみということで・・・・・・


  あっ、そういえば、ちょっとだけ脱線します。

 魔石という物が結構出てくるのですが、これについて少し解説しておきましょう。

 魔石は魔石?

 ん~、この世界の魔石というのは正直よく分かっていないのです。 
 そんな物よく使っているな?

 そうですねぇ、それはいえると思います。しかし、魔石と呼ばれている物は数千年前にはすでにこの世界に存在し、使われていたみたいです。それは古代遺跡のマジックアイテムにも使用されていますし、現在でも使用しています。

 どこで取れるか?

 基本的には魔石は山や海で取れます。あ、もちろん海底ではないです。そんなところに長時間潜れる魔法なんて存在しませんから。
正確には海岸沿いの崖などの奥に鉱脈があることが多いです。

 山も同じで金や銀などと同じく、魔石の鉱脈があります。そこでは大小様々な魔石が取れます。ただ、大きいと言っても最大はこぶし程度が限界で、実際は眼球程度かそれ以下といったところです。
 質の良いのは特に火山帯で取れます。しかし、命がけになるので滅多に行く人はいません。

 質ってなに?

 魔石の質というのは簡単に言えば透明度です。基本的に魔石は黒なのですが透明な黒?の光りの通り具合で質が決まります。
ちなみに質が高いと魔力を吸収できる量が違います。正直、大きさではありません。あくまでも質です。

 それと今言ったことでおわかりかも知れませんが、魔石には最初から魔力が籠もっているわけではありません。
 取れた段階では空っぽのただの石です(それでも他の石とは区別が付きます)。
 魔術師や聖職者などが魔力を込めたときに初めて魔石として効果が現れます。込めるのは付与魔術師以外でも出来ますが、あくまで魔力をストックできるだけで魔法を込められるわけではありません。
魔法を込められるのは付与魔術師とエルフくらいです。ちなみに聖職者にも付与魔術を使える人はいます。

 これが魔石と言われている物です。
 私が、魔石の中に魔方陣を描いて魔法を閉じ込めて使っていたのはそういう理由からです。
 
  さて、脱線はこれくらいにしてっと・・・・・・

 あれから3日間悩みまくりました。

 何を? そりゃぁ、うちの店におく商品です。今まで作り置きしていた物はそのままにして、切れ味のよい包丁を10本ほど作成してみました。ちなみに鉄ではなく玉鋼を5kg程度使いました。いやぁ、なかなか使いづらい鉄でした。それでも切れ味は最高で、下手な魔法の掛かったナイフや剣より良く斬れます。
実際、定食屋ハズキで使ってもらったのですが、骨ごとスパスパと斬れていました。切れ味が上がる魔法を掛けておきましたから。ちなみに包丁は2種類用意してあります
 それと、もうひとつ。紙を切るための道具を作ってみました。普通はナイフや刃のついていない尖った物で裂いたり、髪などを切るときはナイフで切ったりするのですが、今回のものは片方は刃が少し入っていて、もう片方は刃が入っていない先端の尖った金属を会わせて、挟み込んで切る物を作りました。ついでに指を入れるところも付けておきます。
 試しに紙を切ってみたのですが中々使い勝手が良く、店頭に並べてみることにしました。これも玉鋼です。

 さあて、前回のリベンジです。今日は誰かが買ってくれるといいなぁ・・・・・・

-----カーソン露店-----
 
 私は朝から商品の並び替えをした。先日作ってあった商品のうち、メイスを棚から外し、後ろのカイトシールドとロングソードの横にぶら下げる。ダガーも効果が同じ物は店頭から外し、売り場を拡げる。
 その空いたスペースに今回の新商品、玉鋼の包丁(切れ味追加)と今回工夫して作ってみた商品名ハサミという物を並べてみる。
値段も、包丁は金貨1枚にして、ハサミは銀貨1枚にしてみた。

 さて、売れるかどうか・・・・・・。
  
 開店から一刻が過ぎたころ、50くらいの男が近づいてきた。

 「お兄さん、商品を見せてもらえるかな?」

 男はにこやかに話しかけてきた。本日初めてのお客様だ。

 「いらっしゃいませ。どのような商品をお探しでしょうか?」

 私の問いに男は返事をした。

 「あー、カーソンさんですよね。実はハズキのオーナーのロイズにここに良い包丁があると聞いてね」

 そう言うと包丁を手にとって眺め始めた。男は包丁を軽く動かしている。そして、元の位置に戻した。

 「ん~、実際ロイズのところで切ってみたので良く切れるのは分かっているのだが、少し重く感じるのだが・・・・・・」

 確かに、普通の鉄製の包丁より密度の高い玉鋼の包丁は重い。何十年も包丁を使ってきた者でもこの包丁は少し重く感じるかも知れない。ロイズはハーフ巨人なので全く問題にしていなかったが、人間はそうはいかない。若ければ大丈夫だろうが目の前にいる人物の年齢ならば少しきついだろう。

 「そうですね。確かに従来の物に比べ重くなっています。どちらかというと若者向けだと思います」

 少し失礼かとも思ったが素直に商品の欠点を説明してみた。男はうんうんと頷いている。
そこで私はもう一つの包丁を取り出した。先程のは黒い握りだったが今回のは柿色の握りだ。

 「これを持ってみてください」

 私は、柿色の包丁を男に手渡した。男は先程と同じように振っている。そして、私に包丁を返した。
  
 「これは・・・・・・軽いね。凄く使いやすい。ちなみに使っている鉄は同じ物のようだが、何が違うのかね?」

 男は包丁に使ってある材料を見極めていた。それは、物を見る目があるということだ。

 「料理人の方ですよね。ロイズをご存じということは。この2つの違いは掛かっている魔法が1つか3つかという点です」

 最初の黒い物は単純に切れ味が上がる魔法を掛けていた。それで切れ味が増していた。柿色の方は切れ味の魔法と、軽量化の魔法、それに重力の魔法が掛けてある。
この商品のミソは最後の重力魔法だ。これは物体に接触した時にしか発動しない。
軽く出来ている分切るときに重さが不足するのだが、それを補うためのものだ。
しかし、そんなに重くはならない。せいぜい通常の半分程度まで重さが戻るだけだ。ちなみに軽量化の魔法で包丁は10分の1まで軽くなっている。
  
 「なるほど、ではこれと同じ物を2本貰おうか」

 その段階で私はまだ値段を言っていなかった。最初のは料金を張り出しているが、こちらは張り出してはいない。
私は心の中で失敗したと思った。

 「すみません、そちらの柿色の包丁なのですが、値段がこちらの黒の包丁とは違いまして・・・・・・」

 柿色の包丁の値段は黒の包丁の2.5倍。つまり金貨2枚と銀貨5枚になる。正直2本も買うと散財に近い。

 「ん? かまわんよ。それで良いものが手に入るのならな」

 男は 別に? と言わんばかりに金貨を3枚出した。

 「悪いが包んでくれ。それくらいはサービスしてくれるだろう」

 私はすぐに料金の精算を済ませ、商品を包み始めた。少し手間取ったがラッピングになれていないのはまあ愛嬌ということで。
そうやって私は商品の包丁を男に手渡した。

 「あぁ、この柿色の包丁と黒色の包丁なのだが柿を3本と黒を10本発注すれば何日で納品できるかね? それと注文打は1本何日くらいかかるかな?」

 男が帰り際に聞いてきた。私は少しだけ考えた後、5日と答えた。あれだけの魔法を一気に掛けるとさすがに消耗する。
 とりあえず、長めに間隔を置いてみた。ちなみに注文打は出来るが日程は条件次第と答えておいた。
男は分かったありがとうと言って去って行った。

 私はとにかく嬉しかった。今回は店の方で初めて商品が売れたのだ。まぁ、冒険用のマジックアイテムではないがマジックアイテムはマジックアイテムだ素直に喜んでおこう。
ちょうどお昼になったので買ってきたイールの蒲焼きとご飯を食べる。今日の飲み物は緑茶だ。これは東方の国から輸入されている。
イールの濃い味付けを緑茶がほどよく流し、良い感じになった。

 私は食事を済ませジッとお客を待っていると、女性が店を覗いていた。よく見ると先日店を見ていた人だ。
 
 「こんにちは。どうですかお仕事の方は?」

 私は商売ではなく、単純に話しかけた。女性はアクセサリーを見ている。

 「やぁ、この間は御免ね。ちょっとお客さんとトラブってたもんだからさ・・・・・・」

 そういってまた、アクセサリー類を見ている。ん~、欲しいのだろうか。あれから防御系の永続魔法が掛かった商品は創っていない。
とりあえず、じっと見ていることにした。急いでも客逃すだけだしね。
 
 「ねぇ、この間、3回まで防御してくれる魔法が掛かった商品ってリングだったっけ?」

 どうやら防御系の商品を探しているようだ。前回はミスリルの指輪を勧めて失敗したからなぁ。

 「ええ。そちらのリングとクロスがその系統のになります。両方とも物理攻撃を自動で防いでくれます」

 私は商品に掛かっている基本的な効果を説明する。両方とも身に着けているだけで作動する物だが、リングはある一定のダメージまで(正確には即死しない程度まで)を防ぐ。
 もう一つのクロスの方だがこちらは即死クラスのダメージも止める。両方とも3回まで防ぎ、リングはシルバーで銅貨70枚。プラチナで銀貨2枚と銅貨30枚。
 クロスはシルバーで銅貨90枚。プラチナは銀貨3枚になっていると説明した。ちなみにここではプラチナはそんなに価値は高くない。金と銀の中間的存在だ。
 貨幣に採用されるほどの産出量はないし、とくに魔力の伝導率が良いわけではない。その割に加工は面倒。ただし、やはり美しい。だから、銀 以上 金 以下としか認識されていない。
ちなみに銀とプラチナは関係ないあくまでも埋め込んである魔石が能力だ。あとはファッションとしてだけの価値しかない。 

 「ん~、じゃぁ、クロスを貰うわ。ちなみに2つ持ったら6回防いでくれたりする?」

 この問いには はい と答えた。たまに、同じ効果を付けていたらお互いに干渉して効果を発揮しない場合がある。私の商品にはそれを防ぐ処置が施されている。それを説明すると、女性はにっこり笑って2つのシルバーのクロスを買ってくれた。よくよく見ると顔以外のところに少しだけ痣が見て取れる。

 (夜の商売って大変なんだなぁ)

 私はこのときはそれくらいしか思っていなかった。
合計銀貨1枚と銅貨80枚。本日2度目の収入となった。

 それからは比較的順調にお客さんが来た。
 包丁はロイズがいろいろな人に紹介したようで、料理人から民間人まで買いに来たものだから、すぐに在庫切れになってしまった。ロスが痛い・・・・・・。
 しかし、やはり売れないのはアミュレットとサークレットだ。この2つは、どうしても魔術師とか聖職者にしか用がない。後ろのロングソードやメイスと同じで簡単には売れない。

 (やはり包丁の再生産とリングとクロスの生産量を増やそうかなぁ・・・・・・)

 意外と好評で売れていくのはハサミだった。包丁は宣伝係?がいるから売れるのはわかる。しかし、ハサミが意外と売れていた。店を覗いてくれた人に物を切って見せたら、喰いつくように買ってくれた。今までが不便すぎたのだ。昼中頃までに武器とアミュレット、サークル以外はほぼ完売してしまった。
 ちょっとだけ嬉しい悲鳴を上げたと同時に、やはりチャンスロスが気になった。最初に商品をストックして失敗したときに、在庫をほとんど置かないようにしようと決めていたが、これだけ店頭で売れるとなると考えを改めなければならない。今日買ってくれた人達ももしかしたら他の人に勧めてくれるかも知れない。
 そう考えると [現在品切れです] は問題だと思う。わざと入荷を送らせて市場の飢餓状態に持って行く商売の仕方もあるらしいが、そういうことはしたくはない。
 ちなみにハサミは直ぐに真似が出来る技術だ。大工房が一気に生産をかけてくると圧倒的にこちらが不利になる。なんとか魔法で差別化を図りたいが、あまり切れ味などを追加する気はなかった。
あくまでも安全な商品を目指しているからだ。
 私は、ある程度在庫がはけたと同時に店を閉めた。追加の商品を創るためだ。
 一応見世先には張り紙をしておいた。
商品の作成に1日休業します。ご用の方は・・・・・・・・・までご連絡くださいとだけ。


  -----自宅 → 鍛冶ギルド-----

 私は大急ぎで家に帰るとスキュラを呼び玉鋼を小分けにし始めた。サンダーゴーレムはシルバーとプラチナの指輪を10個ずつ、ヒートゴーレムには、小分けにした玉鋼をハサミの形に形成するように命じる。スキュラには作業が済み次第、包丁を形成するように命じて家を出た。私はそのまま鍛冶ギルドへ向かう。

 「バートン、バート~ン!」

 私はギルドの中で大声を出した。他の鍛治士の目がこちらを向く。なんだか今日は荒れているようにも見える。

 「だれじゃぃ、大声で呼ぶのは・・・・・・、あぁ、カーソンの小僧か」

 バートンは小走りで近づいてくる。私はバートンに駆け寄り手を握った。そしてぶんぶんと振り回す。

 「すまないが、大急ぎで銀とプラチナが欲しい」

 「ない」

 「は!」

 私は目が点になった。言葉が口から出ない。私の様子を見ていたバートンがこっちへ来いと手招きをする。私はそのままバートンについて裏口までついていった。
裏口まで行くとバートンは渋い顔をこちらへ向けてきた。かなり深刻なようだ。

 「カーソン実はなぁ、今、銀は貨幣の製造にすべて廻されておる。金もじゃ」

 ? 貨幣の製造? 私が何故という顔を浮かべていたのだろう。バートンガ耳を貸せと言ってきた。私はバートンの高さまで背を屈める。

 「どうやら、戦争の準備が始まったようだ・・・・・・、鉄も集められとる」

 「はぁ? 戦争?」

 私の声にバートンが口を塞いだ。かなり慌てた様子だ。

 「しーっ、まだ極秘情報じゃ。各ギルドの人間も一部しか知らん・・・・・・」

 あ~、なんでかなぁ。折角商売始めたばっかりなのに。

 「相手は?」

 バートンは首を横へ振った。それ以上お情報は分からないと言うことらしい。
詳しく聞いてみると、何故そういう結論に達したかがいろいろと分かった。

①金、銀、銅、鉄の鉱山を国が直轄にし始め、供給が極端に減ったこと。
②農村からは主食の米やパンの材料になる麦が国に買い上げられていること。
③そして今日、鍛冶ギルドに極秘の武器と鎧の生産依頼が来たこと。

ここまでで、バートンは戦争の準備と判断したようだ。
 私は、少し頭をひねった。たしかにここまで見れば戦争の準備なんだけど・・・・・・、この国どこかと揉めてたっけ?
これが私の疑問だった。ここ最近はどの国も気候が安定し、食糧事情も問題ない。実際、ここへ帰ってくる前に何カ国か通過したがそのような様子はどこにもなかった。
酒場や、定食屋でもそのような話題は全く上がっていない。
私がじっと考え込んでいるとバートンが声を掛けてきた。

 「なぁ、お主に譲った鉄と玉鋼、まだ残っとるか?」

 ? 玉鋼はあるけどねぇ・・・・・・、まさか・・・・・・
 もしかしてギルドが荒れてるように見えたのはそのせいか!

 「バ~ト~ン~、まさか返せとは言わないよなぁ」

 私の視線がバートンに突き刺さる。バートンは明後日の方向を向き、話し始めた。

 「いっ、一割増しで引き取らせてはくれないかのぅ」

 一割だと~。絶対に出せん。それに鉄はすでに無いし、玉鋼は大量加工中だ。あと半分あるかなぁという頃だろう。

 「もう無いよ。玉鋼も今、すべて加工に入っているところだ」

 「・・・・・・」

 バートンは口をきかなかった。困ったような顔をしている。暫くして思いついたようにバートンは口を開いた。

 「すべてのプラチナを出すから残った玉鋼を譲ってくれぃ」

 あー、プラチナは使い道がないからあるのね。まぁ、いいけど。玉鋼はなんとかなるし。
 私は直ぐ戻ってくるとバートンに言って自宅へ帰った。家に帰ると玉鋼は200kg程消費されていた。そこで私は作業を止めさせる。
スキュラとアイアンゴーレムに玉鋼を外に出し運搬しやすいようにまとめるように伝えて、また鍛冶ギルドへと走った。

 鍛冶ギルドではすでに馬車が用意されていた。玉鋼の運搬用らしい。荷台には大きな袋が5つ積まれている。
ギルドの中ではバートンが待っていた。

 「どうだった,量は?」

 バートンはやはり量を気にしていた。私は300kg程度と答えた。

 「こちらで用意できたプラチナは50kgじゃ・・・・・・」

 釣り合わないなぁ。単純に計算しても3割ほど足りない。

 「なぁ、足りなく無いか?」

 私の一言にバートンの顔が歪んでいる。んー、どうするかなぁ。それ以前に玉鋼使いこなせるのか?

 「しゅっ、出世払いで! ・・・・・・なんとかならんかのぅ」

 消え入りそうなバートンの声を聞くと段々かわいそうになってきた。仕方ない、一肌脱ぐか。もっとも後できっちり返して貰うけどね。

 「分かったよ。じゃあそれで。後でしっかりと返して貰うからな」

 私は銀が供給され始めたときに銀250kgと、溜まり次第プラチナ200kgを受け取ることを条件に玉鋼300kgを提供することにした。(ぼったくり?上等)
そしてプラチナを積んだ馬車で家に帰った。家に帰ると、馬車を裏手に廻し、ゴーレム達に積み込み作業をさせた。
 ちなみに馬車の御者には表で待って貰うことにした。びっくりして倒れられても困るからなぁ。
御者は積まれた量を確かめるとそのまま帰って行った。

 私は、そのまま作業場に入る。出来上がっている商品、取りあえずは包丁に魔法を掛けてゆく。先日の50代の男が言っていた数量だけは確保しておこうと思ったからだ。注文打ちのための玉鋼は、確保の手段がある。そこは引き延ばして貰うことにしよう。
 とりあえず、出来上がっている包丁に魔法を掛けまくると、本日の作業を終了することにした。
 今日は売れたことは売れたので商売としては前回のリベンジが成功したと考えておこう。うん。大丈夫なはず。きっと。
 私は、疲れた身体を引きづってリビングへと戻った。そこではスキュラちゃんがお茶とおやつを用意してくれていた。
 それを摘まみながら、戦争のことについて考えていた・・・・・・。 
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