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異世界初の人類
都市
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私の眼前に迫る巨大な壁。
崖の上から移動を開始したケーブルカーは城壁の上部に取り付こうとしている。
その上部には無数のバリスタと思われる兵器が並んでいる。
「城壁の上に検問所があるからそこで入場手続きをするんだ。都市の市民は市民証を持っているから見せるだけでいいがシークは持ってないよな」
そう言ってマイクが銀貨を1枚渡してくる。
「入市税は奢るよ」
そう言うとケーブルカーは城壁の上にたどり着いた。
広い。
城壁の上とはいえ、6~7mはあるんじゃないかこれ。
私は思わずそこら辺を見渡した。
バリスタなんか本物は初めて見たが正直でかい。
矢なんか腕より太いぞこれ。
ただ、見知ったバリスタ、アニメや漫画で見るのとは若干構造が違っていた。
どちらかと言えば、そう、連弩のような構造だ。
連射できるバリスタ?
怖いわ。
そう思いながらバリスタらしきものを見ているとマイクとカファから声がかかる。
私は慌てて4人の方へと走って行った。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「お前、市民ではないのだな。入市税は銀貨1枚。滞在は一週間だ。
それまでに市役所で更新手続きをしないと牢獄行になる。
3日は出れないから気を付けるように」
そう言って私の入市税を受け取ると、10センチほどの木の板を渡してくる。どうやらこれが入市の証明書らしい。
この世界は紙が無いのかな。
紙チート発動???
私はとんでもない高さの城壁裏にある階段を下りながら紙チートという小さな妄想に浸っていた。
だってさ、妄想でもしてないと歩けないよ。
手摺すらないんだぞ、この階段。
落ちたら死ぬぞ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
地上に降りた私はほっと胸をなでおろす。
若干足がガクガクしているがそれは愛嬌だろう。平気な顔して降りているこいつらがオカシイ。
私たちはその足で市内の中心部へと向かう。
中世ヨーロッパのような世界かと思えばそうでもなかった。
道路は石畳で整備され、馬車らしきものも走っている。
なぜ馬車らしきものかは馬がいないからだ。
馬車のようなものがレールの上を走っている。
どちらかと言えば路面電車か。
石畳に沿って街燈らしきものが並び、ガラスの窓付きの建物が並ぶ。
入市証明書が木片だったのにこの中の世界はどうなんだ。
ちなみに城壁の外は歩いていないが外は全く整備されていない状態だった。
遠目に見ても道は舗装されてはいなかった。
そうこう都市を見ながら歩いていると目的の建物についたようだ。
石で出来た建造物。
正面には【銀行】と書いてある。
あ~銀行あるんだ……。
異世界転生でも王道ではないんだな。
まあ、ケーブルカーや路面電車もどきが走っている世界だからなぁ。
地球で言うと産業革命時代くらいか。
そう考えながらみんなについて銀行へ入る。
銀行窓口で私を除く全員が何かの手続きを開始する。
私は待っているように言われたので銀行の中を見回している。
銀行の中は煌々とした明りに包まれている。
天井に大きなシャンデリアがあり、全体を明るく照らしていた。
壁際は2メートル間隔ほどに壁掛けのライトがあり、天井の明りを補完している。
私が座っているソファは何かわからないが革で出来たソファで、ふかふかだ。
地球の高級ソファと大差ないのではなかろうか。
窓枠にはガラスが入っているが、ここは私が生きていた世界のガラスよりも劣る。
周りを見物していると、全員が戻ってきた。
「これ、先ほど助けてくれたお礼だ」
そう言って一人銀板5枚ずつくれた。
うん、1人5万もくれるのか。
正直こちらの金が少ないから助かる。
「じゃあ、探索者ギルドに行こうか」
マイクの声かけで全員が移動を始める。
「ちょっと待った~」
私は思わず声をかけた。
「その前に飯っ!」
私の言葉に全員が、銀行中の視線が集まった。
声デカすぎた。
崖の上から移動を開始したケーブルカーは城壁の上部に取り付こうとしている。
その上部には無数のバリスタと思われる兵器が並んでいる。
「城壁の上に検問所があるからそこで入場手続きをするんだ。都市の市民は市民証を持っているから見せるだけでいいがシークは持ってないよな」
そう言ってマイクが銀貨を1枚渡してくる。
「入市税は奢るよ」
そう言うとケーブルカーは城壁の上にたどり着いた。
広い。
城壁の上とはいえ、6~7mはあるんじゃないかこれ。
私は思わずそこら辺を見渡した。
バリスタなんか本物は初めて見たが正直でかい。
矢なんか腕より太いぞこれ。
ただ、見知ったバリスタ、アニメや漫画で見るのとは若干構造が違っていた。
どちらかと言えば、そう、連弩のような構造だ。
連射できるバリスタ?
怖いわ。
そう思いながらバリスタらしきものを見ているとマイクとカファから声がかかる。
私は慌てて4人の方へと走って行った。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「お前、市民ではないのだな。入市税は銀貨1枚。滞在は一週間だ。
それまでに市役所で更新手続きをしないと牢獄行になる。
3日は出れないから気を付けるように」
そう言って私の入市税を受け取ると、10センチほどの木の板を渡してくる。どうやらこれが入市の証明書らしい。
この世界は紙が無いのかな。
紙チート発動???
私はとんでもない高さの城壁裏にある階段を下りながら紙チートという小さな妄想に浸っていた。
だってさ、妄想でもしてないと歩けないよ。
手摺すらないんだぞ、この階段。
落ちたら死ぬぞ。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
地上に降りた私はほっと胸をなでおろす。
若干足がガクガクしているがそれは愛嬌だろう。平気な顔して降りているこいつらがオカシイ。
私たちはその足で市内の中心部へと向かう。
中世ヨーロッパのような世界かと思えばそうでもなかった。
道路は石畳で整備され、馬車らしきものも走っている。
なぜ馬車らしきものかは馬がいないからだ。
馬車のようなものがレールの上を走っている。
どちらかと言えば路面電車か。
石畳に沿って街燈らしきものが並び、ガラスの窓付きの建物が並ぶ。
入市証明書が木片だったのにこの中の世界はどうなんだ。
ちなみに城壁の外は歩いていないが外は全く整備されていない状態だった。
遠目に見ても道は舗装されてはいなかった。
そうこう都市を見ながら歩いていると目的の建物についたようだ。
石で出来た建造物。
正面には【銀行】と書いてある。
あ~銀行あるんだ……。
異世界転生でも王道ではないんだな。
まあ、ケーブルカーや路面電車もどきが走っている世界だからなぁ。
地球で言うと産業革命時代くらいか。
そう考えながらみんなについて銀行へ入る。
銀行窓口で私を除く全員が何かの手続きを開始する。
私は待っているように言われたので銀行の中を見回している。
銀行の中は煌々とした明りに包まれている。
天井に大きなシャンデリアがあり、全体を明るく照らしていた。
壁際は2メートル間隔ほどに壁掛けのライトがあり、天井の明りを補完している。
私が座っているソファは何かわからないが革で出来たソファで、ふかふかだ。
地球の高級ソファと大差ないのではなかろうか。
窓枠にはガラスが入っているが、ここは私が生きていた世界のガラスよりも劣る。
周りを見物していると、全員が戻ってきた。
「これ、先ほど助けてくれたお礼だ」
そう言って一人銀板5枚ずつくれた。
うん、1人5万もくれるのか。
正直こちらの金が少ないから助かる。
「じゃあ、探索者ギルドに行こうか」
マイクの声かけで全員が移動を始める。
「ちょっと待った~」
私は思わず声をかけた。
「その前に飯っ!」
私の言葉に全員が、銀行中の視線が集まった。
声デカすぎた。
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