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金砕棒(とある農民)
金砕棒-11
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善吉は走った。とにかく走った。
足を動かすたびに太腿の中で矢がぐりぐりと動く。最初は矢を抜こうと試みたが、どうやら鏃が付いていたらしく抜けばどうなるか分からなかったので諦めた。どのみち屋敷まではそう離れていないので無視して走ることにしたのだ。肩に担いでいる男が気を失って動かないのが幸いであった。
しばらく走ると屋敷の屋根が見えてくる。数名が屋根に上り様子を見ているのが薄っすらと見て取れた。篝火は焚いてない。標的になることを避けるためだろう。
走ってきた方角は火事になっているため、当然向こうからは善吉は丸見え。すぐに屋根の上に動きがある。
「俺だ! 善吉だっ!」
善吉は撃たれないようにあらん限りの声で叫ぶ。その声に屋根の上の者達は一瞬弓を下ろしかけたがすぐに構えなおす。
しゅっ
善吉の頭上を矢が通り過ぎた。すぐ後ろから叫び声が上がる。
「槍、前!」
屋敷の門の前に数名の甲冑を着込んだ者が並ぶ。五尺ほどの短槍と七尺ほどの中槍だ。その並ぶ者たちの間を善吉は全力で駆け抜ける。
善吉の背からすぐに小競り合いと思われる音と悲鳴が聞こえてきてた。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「彦二様を……」
配下の一人が善吉の肩から担がれた人物を下ろし絶句する。それが彦二ではなく村人の一人だったからだ。
指揮を執っている配下は気を失っている村人を運ぶように指示を出し善吉に問う。
「彦二様は……?」
配下の問いに善吉は俯いたまま黙って首を振った。その行動ですべてを察した配下は大声で怒鳴る。
「彦二様の弔い合戦だ! 野伏は皆殺しだー!」
「……お、「「「「「「「「「「応っ!!!」」」」」」」」」」 」
一瞬の間の後、怒りに燃えた声が屋敷中から上がり屋根の上からの矢の量が明らかに増える。同時に屋敷の門へと皆が殺到した。
「ふっ、深入りは避けてください。数が多い。 お辰はどこに?」
善吉が脂汗を流し、痛みをこらえながら配下へと問う。
「お辰様は……、少し出てくると言い外へ出られました。詳細は後ほど」
配下が答える。
「勝成さん、申し訳ないがここの指揮をお願いいたします。 私は足をどうにかします」
勝成と呼ばれた配下は【承知】と短く答え、近くに控えていた童を呼び善吉に肩を貸すように言う。
「はあ、また……」
童の肩にもたれかかった善吉は小さな声でつぶやくと四人の童に引きずられて屋敷に中に入ってゆくのであった。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
お辰は自らの子を村から避難してきた女に預けると自らの得物を取り、打って出ようとする。しかしそれは勝成という景虎の下から善吉の下へ送られてきていた者に止められていた。
「お辰様、善吉様よりこの屋敷の指揮はお辰様にとのことにございますので、ここに居てください」
その気になれば一撃で伸すことは出来るのだが、この者何事も卒なくこなす優れた人物である為、戦力をわざわざ削ることはないと思い黙って頷く。
「とりあえずどのように配置致しますか? 善吉様の言われたとおり全員が甲冑を着込んでいる最中でございます。 ただし、弓持ちだけは軽装にてすでに屋根へ上らせております」
お辰はやはり使える人物だとおもいながら一度正面に出る。
「屋根に上っている者達の松明を消させろ。 それと槍、近接用の短槍と、援護用の中槍を半々で。
それと避難してきた民で戦える者、気力のある者達には庭に蓄えてある石を各自持ち、屋敷の中を一間間隔で立つように。不審者には礫を投げて良いと指示を」
「それでは弓持ちが危険では?」
暗闇の中で屋根に立つ者を気遣った勝成の問い。その問いにお辰は笑う。
「そのままだと標的になる。 中腰で伏せていれば落ちることは無い。 落ちたとしてもよっぽどではないと死なぬよ。 それとも灯りの下で針鼠が良いかね?」
お辰の返しに勝成は【承知しました】と短く答え指示を出し始める。
その様子をお辰は腕組みをして見つめていた。
ざわり
お辰は屋敷の防備が着々と整う様子を見ているとき、突然首筋に悪寒を覚えた。慌てて周りを見渡し警戒する。
ざわりざわりと首筋から背にかけて襲ってくる悪寒にお辰は覚えがあった。
「……草がいる?」
この感覚。
お辰は自らの戦場でいつも感じていた。特に手強い相手に遭遇した時に感じるあれだ。
お辰は慌てて勝成を呼び寄せる。
「拙い、近くに草がいる。正面以外に篝火を焚き村人全員に警戒をっ!」
「ひぃぃぃ」
「がぁぁぁぁl」
お辰の指示が終わる前、裏手の方から悲鳴と奇怪な声が上がる。慌てて走り出す勝成達をお辰が止める。
「行くな、危険だ! ここから大声で村人を呼べ!」
勝成とその近くにいた者が大声で村人を呼ぶ。暫くすると屋敷の中から次々と村人が飛び出してきた。中には善吉とお辰の子を抱えた女もいる。
「何があった!」
勝成が冷静な様子の者を捕まえて詰問する。その様子を見たお辰は勝成の肩を掴んだ。
「駄目だよ、そんなに怒鳴っては。 混乱しているうえにこっちのように鍛錬しているわけではないのだからさ」
そう言ってお辰は近くにいた者をあやすようにゆっくりと質問を始めた。
しばらく質問をしていたお辰は勝成を呼び寄せる。
「すまないが旦那様が戻るまでここを頼む。 ちょっと草を潰してくる」
そう言ってお辰は素早く闇の中に姿を消す。後には引き留めようと手を伸ばした状態の勝成が残されていた。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「と、言う訳でして……」
善吉は矢を抜きさらしを巻き終えた後、飛び出してからの状況を正面の敵を制圧し戻ってきた勝成から受けていた。この村を攻めていた野伏は一度引いている。暗闇の中の戦が如何に難しいかを知っている所以であろう。それだけ戦い慣れしているということだ。
「草……、ですか?」
善吉は首をかしげる。
「はい、確かにそう言われました」
暫く考えこみ善吉は襲撃があったときの違和感を思い出す。それは善吉が治める地の中央への突然の襲撃。
国の境ではない。
長尾家の近隣では今は争いは起こっていない。
…
…
…
「どこかの国の手の者でしょうか?」
善吉の呟きに勝成は唖然とする。
「……その根拠は?」
恐る恐る聞く勝成。当然である。
この善吉が治める地は長尾家の治める越後の中でもかなり西に位置している。とは言え、それが他国と接している訳ではない。
境となっている地からはそれなりに離れているし、当然砦や関もある。確かに草などの諜報をする者達ならば険しい地、山などを踏破して来る者もいるであろう。しかし今、この地に攻め込んできた者達は百を超える者たちである。
ここまでの数となると軍と呼べなくはない。千や万のみが軍と呼ばれるわけではないのだ。そしてその軍が動き、国の中に入り込んでいる。
国の中で軍並みの勢力が動いている。それすなわち戦の前の攪乱。
勝成はこれを想像していた。
「さぁ? なんとなく……?」
特に緊迫感の無い返しに勝成は惚けたように口を開いたまま固まった。しかしそれは長く続かない。すぐに屋敷の正面が騒がしくなり配下の一人が二人の前に膝を着いたからだ。
「ほっ、報告! 彦三様がお帰りになられました。 それと……、彦二様も……」
配下の報告に目を見開いた善吉は勝成との話を突然打ち切り門の方へと走り出す。置いてきぼりを喰った勝成も、報告をしに来た配下と顔を見合わせると慌てて門の方へと走り出すのであった。
足を動かすたびに太腿の中で矢がぐりぐりと動く。最初は矢を抜こうと試みたが、どうやら鏃が付いていたらしく抜けばどうなるか分からなかったので諦めた。どのみち屋敷まではそう離れていないので無視して走ることにしたのだ。肩に担いでいる男が気を失って動かないのが幸いであった。
しばらく走ると屋敷の屋根が見えてくる。数名が屋根に上り様子を見ているのが薄っすらと見て取れた。篝火は焚いてない。標的になることを避けるためだろう。
走ってきた方角は火事になっているため、当然向こうからは善吉は丸見え。すぐに屋根の上に動きがある。
「俺だ! 善吉だっ!」
善吉は撃たれないようにあらん限りの声で叫ぶ。その声に屋根の上の者達は一瞬弓を下ろしかけたがすぐに構えなおす。
しゅっ
善吉の頭上を矢が通り過ぎた。すぐ後ろから叫び声が上がる。
「槍、前!」
屋敷の門の前に数名の甲冑を着込んだ者が並ぶ。五尺ほどの短槍と七尺ほどの中槍だ。その並ぶ者たちの間を善吉は全力で駆け抜ける。
善吉の背からすぐに小競り合いと思われる音と悲鳴が聞こえてきてた。
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「彦二様を……」
配下の一人が善吉の肩から担がれた人物を下ろし絶句する。それが彦二ではなく村人の一人だったからだ。
指揮を執っている配下は気を失っている村人を運ぶように指示を出し善吉に問う。
「彦二様は……?」
配下の問いに善吉は俯いたまま黙って首を振った。その行動ですべてを察した配下は大声で怒鳴る。
「彦二様の弔い合戦だ! 野伏は皆殺しだー!」
「……お、「「「「「「「「「「応っ!!!」」」」」」」」」」 」
一瞬の間の後、怒りに燃えた声が屋敷中から上がり屋根の上からの矢の量が明らかに増える。同時に屋敷の門へと皆が殺到した。
「ふっ、深入りは避けてください。数が多い。 お辰はどこに?」
善吉が脂汗を流し、痛みをこらえながら配下へと問う。
「お辰様は……、少し出てくると言い外へ出られました。詳細は後ほど」
配下が答える。
「勝成さん、申し訳ないがここの指揮をお願いいたします。 私は足をどうにかします」
勝成と呼ばれた配下は【承知】と短く答え、近くに控えていた童を呼び善吉に肩を貸すように言う。
「はあ、また……」
童の肩にもたれかかった善吉は小さな声でつぶやくと四人の童に引きずられて屋敷に中に入ってゆくのであった。
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お辰は自らの子を村から避難してきた女に預けると自らの得物を取り、打って出ようとする。しかしそれは勝成という景虎の下から善吉の下へ送られてきていた者に止められていた。
「お辰様、善吉様よりこの屋敷の指揮はお辰様にとのことにございますので、ここに居てください」
その気になれば一撃で伸すことは出来るのだが、この者何事も卒なくこなす優れた人物である為、戦力をわざわざ削ることはないと思い黙って頷く。
「とりあえずどのように配置致しますか? 善吉様の言われたとおり全員が甲冑を着込んでいる最中でございます。 ただし、弓持ちだけは軽装にてすでに屋根へ上らせております」
お辰はやはり使える人物だとおもいながら一度正面に出る。
「屋根に上っている者達の松明を消させろ。 それと槍、近接用の短槍と、援護用の中槍を半々で。
それと避難してきた民で戦える者、気力のある者達には庭に蓄えてある石を各自持ち、屋敷の中を一間間隔で立つように。不審者には礫を投げて良いと指示を」
「それでは弓持ちが危険では?」
暗闇の中で屋根に立つ者を気遣った勝成の問い。その問いにお辰は笑う。
「そのままだと標的になる。 中腰で伏せていれば落ちることは無い。 落ちたとしてもよっぽどではないと死なぬよ。 それとも灯りの下で針鼠が良いかね?」
お辰の返しに勝成は【承知しました】と短く答え指示を出し始める。
その様子をお辰は腕組みをして見つめていた。
ざわり
お辰は屋敷の防備が着々と整う様子を見ているとき、突然首筋に悪寒を覚えた。慌てて周りを見渡し警戒する。
ざわりざわりと首筋から背にかけて襲ってくる悪寒にお辰は覚えがあった。
「……草がいる?」
この感覚。
お辰は自らの戦場でいつも感じていた。特に手強い相手に遭遇した時に感じるあれだ。
お辰は慌てて勝成を呼び寄せる。
「拙い、近くに草がいる。正面以外に篝火を焚き村人全員に警戒をっ!」
「ひぃぃぃ」
「がぁぁぁぁl」
お辰の指示が終わる前、裏手の方から悲鳴と奇怪な声が上がる。慌てて走り出す勝成達をお辰が止める。
「行くな、危険だ! ここから大声で村人を呼べ!」
勝成とその近くにいた者が大声で村人を呼ぶ。暫くすると屋敷の中から次々と村人が飛び出してきた。中には善吉とお辰の子を抱えた女もいる。
「何があった!」
勝成が冷静な様子の者を捕まえて詰問する。その様子を見たお辰は勝成の肩を掴んだ。
「駄目だよ、そんなに怒鳴っては。 混乱しているうえにこっちのように鍛錬しているわけではないのだからさ」
そう言ってお辰は近くにいた者をあやすようにゆっくりと質問を始めた。
しばらく質問をしていたお辰は勝成を呼び寄せる。
「すまないが旦那様が戻るまでここを頼む。 ちょっと草を潰してくる」
そう言ってお辰は素早く闇の中に姿を消す。後には引き留めようと手を伸ばした状態の勝成が残されていた。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
「と、言う訳でして……」
善吉は矢を抜きさらしを巻き終えた後、飛び出してからの状況を正面の敵を制圧し戻ってきた勝成から受けていた。この村を攻めていた野伏は一度引いている。暗闇の中の戦が如何に難しいかを知っている所以であろう。それだけ戦い慣れしているということだ。
「草……、ですか?」
善吉は首をかしげる。
「はい、確かにそう言われました」
暫く考えこみ善吉は襲撃があったときの違和感を思い出す。それは善吉が治める地の中央への突然の襲撃。
国の境ではない。
長尾家の近隣では今は争いは起こっていない。
…
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「どこかの国の手の者でしょうか?」
善吉の呟きに勝成は唖然とする。
「……その根拠は?」
恐る恐る聞く勝成。当然である。
この善吉が治める地は長尾家の治める越後の中でもかなり西に位置している。とは言え、それが他国と接している訳ではない。
境となっている地からはそれなりに離れているし、当然砦や関もある。確かに草などの諜報をする者達ならば険しい地、山などを踏破して来る者もいるであろう。しかし今、この地に攻め込んできた者達は百を超える者たちである。
ここまでの数となると軍と呼べなくはない。千や万のみが軍と呼ばれるわけではないのだ。そしてその軍が動き、国の中に入り込んでいる。
国の中で軍並みの勢力が動いている。それすなわち戦の前の攪乱。
勝成はこれを想像していた。
「さぁ? なんとなく……?」
特に緊迫感の無い返しに勝成は惚けたように口を開いたまま固まった。しかしそれは長く続かない。すぐに屋敷の正面が騒がしくなり配下の一人が二人の前に膝を着いたからだ。
「ほっ、報告! 彦三様がお帰りになられました。 それと……、彦二様も……」
配下の報告に目を見開いた善吉は勝成との話を突然打ち切り門の方へと走り出す。置いてきぼりを喰った勝成も、報告をしに来た配下と顔を見合わせると慌てて門の方へと走り出すのであった。
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