10つの指輪

一章

逃亡

「ラ、ラックの特性を持っている？」
エルフのララが驚きを隠せないかのように言っていた。

おそらくロイスには攻撃手段はない。だがその代わりにラックの特性を持っている。つまりは回復魔法を使える。
自分の出血を止めたのが何よりの証拠だ。

「ロイスはよくやったアルマ後は頼む」
「わかった」
アルマが腰に掛けていた剣を抜き取った。その剣は綺麗な銀色に手勝っており切れ味は見るからに良さそうなのは見ただけでわかる。

「『スモーン』」
「な、なんだ？」
エルフのララが放ったのはおそらくエルフ族特有の隠密魔法スモーンだろうか？

それからエルフのララの気配は消え残ったのは俺とアルマとロイスだけだ。

「ぼ、僕を連れて行ってくれるんですか？」
「勿論」
「私もよ」

ロイスは嫌な顔一つせず俺の方に来た。
「左腕は大丈夫なのか？」
ロイスの左腕は血は止まってはいるがもう左腕は無くなっていた。

「血は止まりましたけどもう元のようには戻りませんね……」
「…………」
「…………」
長い沈黙の後俺が放った言葉をこうだ「ごめん」