92 / 132
第3章2部
不協和音
しおりを挟む
「それで、現在のスコアはどうなっておるんかの?」
「下位が東のハドリジスと北のシムリ。上位が西のノスタミザ、そしてここ南のサージュベルじゃ。資料を見とらんのかの?」
「老眼が進んでのう。小さい文字は読む気になれん。それに、ここが上位であれば読む必要もあるまい。」
「予算がしっかり入ってくれればってことかえ。」
「否定はせん。軍資金は多いに越したことはないじゃろう。」
「キレイゴトでは育成機関は運営できんからのう、ふぉっふぉっふぉ。」
ミトラにとって下卑た笑いが響き渡る。
「それで、此度の評議会の焦点である咎人の企てと、それについての対策はどうなっておる、ミトラ。」
「・・・現在調査中です。これといって目立った進展はありません。」
「ふん、情けない。研究開発と情報操作にどれだけの予算を使っておると思っておる。」
「他の機関より早く策を立てれば連合から眷顧にあずかれる。そうすればより潤沢な資金が流れてくることもありえるかものぅ。」
「咎人と霊魔消滅について戦略を急がせろ。そのためにお前には十分な権限は与えているはずだ。」
「・・・。」
「そういえば、上級魔術師であるノジェグル教を追放したそうじゃないか。ただでさえ、上級魔術師は貴重な存在。それ相応の理由があったのか?」
「彼には重大な服務規律違反がありました。詳細については報告書を上げています。」
「また報告書か。」
「文字だけでは伝わらんこともあるんではないかのう。」
「一介の生徒が・・・立場を勘違いしているのでは?」
ミトラは拳をぎゅっと強く握った。
「まぁまぁ。評議会ではそれ以上の活躍を見せてくれるということであろう。」
「そうだ、年に1度の評議会。他の機関との差別化を図る絶好の機会じゃ。格の違いを見せつけて、我が機関の優勢を見せつけてやればよい。それに本年の予算はこの評価によって決まるのだから失敗は許されんぞ、ミトラ。」
「・・・はい。」
「生徒会の活躍、期待しておるぞ。」
ミトラは軽く頭を下げると、その重厚で派手な扉を開け部屋から出た。
「設営に関しては以上です。」
「次に全体の進捗状況について――」
先日の老人たちとの実のない話し合いを思い出したミトラは、ため息をこぼす。
「会議中」
誰にも分からないようにしたつもりだったが、自分の右腕でもあるこの副会長には通じなかったようだ。
シェティスにたしなめられたミトラはいつもの笑顔で作った。
「うちの生徒会メンバーは優秀だからね。僕の出番はないよ。」
「何言っているのよ。あなたが中心でしょ。――待って、もう1度当日のゲストセキュリティについて確認を。」
ミトラに気をかけながらも、シェティスは会議中の内容に耳を傾けていたようだ。もう何度目かも分からない確認事項を、その透き通る声で復唱している。
(いやいや、本当に、僕なんかいなくても・・・。)
頼もしい副会長の進行のおかげで、この日の会議は閉会した。
部屋に残ったのが、生徒会のメンバーだけなのを確認したミトラは思い切り腰を伸ばす。
「お疲れさまです、ミトラ会長。大丈夫ですか?」
「あぁ、ありがとうシュリ。大丈夫だよ、みんなが頑張ってくれているからね。」
「ミトラさん、紅茶飲みますか?」
無遠慮に見上げるノノリの瞳は大きくて丸い。ミトラはノノリの小さな頭に手を乗せた。
「いや、今はいいかな。ありがとう、ノノリ。」
見上げるノノリの顔は冴えない。ミトラは再びいつもの笑顔を見せた。
「ノノリの淹れる紅茶は美味しいから、ついつい仕事をサボってしまいそうなんだ。これからもう少し目を通しておきた書類があるからね。」
「じゃあ、それが終わったら淹れます!ミトラさんが好きな茶葉を用意するです!」
「うん。俄然やる気が出るよ。楽しみにしているね。」
ノノリの笑顔にミトラもホッとする。
「アイバンとシュリは、引き続き進捗状況を精査して遅れているところへ支援に行って。ノノリは議事録と報告書をまとめておいて。」
「はい。」
声をそろえた3人が部屋から出ると、ミトラはゆっくりと椅子に座った。
「そんなにわかりやすいかな、僕は。」
「目の下にそんなクマを作られたら誰だって気づくわよ。それに、生徒会のメンバーはあなたが大好きだから。」
「光栄だね。」
「議事録と現段階の進捗状況は私が確認するわ。あなたは少し休んで。」
「そういうわけにはいかないよ。みんなだって疲れているはずだ。こんなタイミングで属性魔法評議会、しかも運営側だからね。」
「視野の広い統率力を上が見せてくれればいいんだけど。」
「あの老人たちにそんな能力はないさ。面倒事はすべて丸投げ。かといって結果を残さないと影響が及ぶのは生徒たちだ。僕たちは体の良い操り人形のようなものさ。」
「サージュベルの魔法研究は、依然高い水準を保っているわ。魔法域だって安定している。これ以上何を望むの?」
「甘い蜜を吸った人間の欲は限度を知らないんだよ。どれだけの見えない資金が元老院に流れているか、想像しただけでゾッとするね。」
「ミトラ――」
「それより――」
シェティスの言葉をミトラは遮った。
「それより、アシェリナは予定通りのスケジュールで来校できそうかい?」
何か言いたげな視線を送ったシェティスだったが、軽くため息をつきタブレットを取り出す。
「問題ないわ。予定通り明日の午前に来校予定よ。SPを付けるか聞いたけど、一蹴されたわ。」
「ふふ。彼には必要ないよ。逆にこっちが守られてしまう。」
目尻を下げたミトラの顔は、いつもの鉄壁の笑顔ではなかった。
「嬉しそうね、ミトラ。アシェリナ様にお会いするのは久しぶりじゃないの?」
「ふふ、そうだね。あの人がサージュベル学園の英雄なんて――」
不意に途切れた言葉にシェティスはミトラを見た。そこにはもうさっきの笑顔は見られない。
「だから――」
「うん。」
「だからこそ、彼には属性魔法評議会に参加してほしくなかった・・・!」
ミトラは拳を強く握り、悔しそうに声を震わせる。
「こんなしがらみだらけの場に、アシェリナ様は来ないと思っていたけど・・・。
でも、きっと参加を決めたのはあなたが今ここで頑張っているからじゃないの、ミトラ。」
「・・・。」
うつむいたミトラの表情は見えない。シェティスは扉に手をかけた。
「英雄様にそんな疲れた顔を見せる気?」
「え?」
「3時間後に迎えにくるわ。それまでは待機しておいて。」
「シェティス――」
「休むことも仕事の1つよ。業務のパフォーマンスを上げるためにね。これは副会長命令です。」
「・・・。」
「まだまだ準備はあるんだから。仕事をたくさん持ってくるから覚悟しておいてね。」
「・・・ふふ、分かったよ。」
ミトラが可笑しそうに笑う。シェティスはそのまま部屋を出ていった。
1人残されたミトラは空を仰いだ。
「・・・本当に僕は助けられてばかりだ。」
右手で左肩をさする。制服の擦れた音が淋しげに響いた。
「それでも、木偶の坊なりの意地は見せてやるさ。」
そうつぶやくと、部屋に飾られた時計を見る。
2時間ほどの仮眠を決めたミトラは自室に引き上げた。
「下位が東のハドリジスと北のシムリ。上位が西のノスタミザ、そしてここ南のサージュベルじゃ。資料を見とらんのかの?」
「老眼が進んでのう。小さい文字は読む気になれん。それに、ここが上位であれば読む必要もあるまい。」
「予算がしっかり入ってくれればってことかえ。」
「否定はせん。軍資金は多いに越したことはないじゃろう。」
「キレイゴトでは育成機関は運営できんからのう、ふぉっふぉっふぉ。」
ミトラにとって下卑た笑いが響き渡る。
「それで、此度の評議会の焦点である咎人の企てと、それについての対策はどうなっておる、ミトラ。」
「・・・現在調査中です。これといって目立った進展はありません。」
「ふん、情けない。研究開発と情報操作にどれだけの予算を使っておると思っておる。」
「他の機関より早く策を立てれば連合から眷顧にあずかれる。そうすればより潤沢な資金が流れてくることもありえるかものぅ。」
「咎人と霊魔消滅について戦略を急がせろ。そのためにお前には十分な権限は与えているはずだ。」
「・・・。」
「そういえば、上級魔術師であるノジェグル教を追放したそうじゃないか。ただでさえ、上級魔術師は貴重な存在。それ相応の理由があったのか?」
「彼には重大な服務規律違反がありました。詳細については報告書を上げています。」
「また報告書か。」
「文字だけでは伝わらんこともあるんではないかのう。」
「一介の生徒が・・・立場を勘違いしているのでは?」
ミトラは拳をぎゅっと強く握った。
「まぁまぁ。評議会ではそれ以上の活躍を見せてくれるということであろう。」
「そうだ、年に1度の評議会。他の機関との差別化を図る絶好の機会じゃ。格の違いを見せつけて、我が機関の優勢を見せつけてやればよい。それに本年の予算はこの評価によって決まるのだから失敗は許されんぞ、ミトラ。」
「・・・はい。」
「生徒会の活躍、期待しておるぞ。」
ミトラは軽く頭を下げると、その重厚で派手な扉を開け部屋から出た。
「設営に関しては以上です。」
「次に全体の進捗状況について――」
先日の老人たちとの実のない話し合いを思い出したミトラは、ため息をこぼす。
「会議中」
誰にも分からないようにしたつもりだったが、自分の右腕でもあるこの副会長には通じなかったようだ。
シェティスにたしなめられたミトラはいつもの笑顔で作った。
「うちの生徒会メンバーは優秀だからね。僕の出番はないよ。」
「何言っているのよ。あなたが中心でしょ。――待って、もう1度当日のゲストセキュリティについて確認を。」
ミトラに気をかけながらも、シェティスは会議中の内容に耳を傾けていたようだ。もう何度目かも分からない確認事項を、その透き通る声で復唱している。
(いやいや、本当に、僕なんかいなくても・・・。)
頼もしい副会長の進行のおかげで、この日の会議は閉会した。
部屋に残ったのが、生徒会のメンバーだけなのを確認したミトラは思い切り腰を伸ばす。
「お疲れさまです、ミトラ会長。大丈夫ですか?」
「あぁ、ありがとうシュリ。大丈夫だよ、みんなが頑張ってくれているからね。」
「ミトラさん、紅茶飲みますか?」
無遠慮に見上げるノノリの瞳は大きくて丸い。ミトラはノノリの小さな頭に手を乗せた。
「いや、今はいいかな。ありがとう、ノノリ。」
見上げるノノリの顔は冴えない。ミトラは再びいつもの笑顔を見せた。
「ノノリの淹れる紅茶は美味しいから、ついつい仕事をサボってしまいそうなんだ。これからもう少し目を通しておきた書類があるからね。」
「じゃあ、それが終わったら淹れます!ミトラさんが好きな茶葉を用意するです!」
「うん。俄然やる気が出るよ。楽しみにしているね。」
ノノリの笑顔にミトラもホッとする。
「アイバンとシュリは、引き続き進捗状況を精査して遅れているところへ支援に行って。ノノリは議事録と報告書をまとめておいて。」
「はい。」
声をそろえた3人が部屋から出ると、ミトラはゆっくりと椅子に座った。
「そんなにわかりやすいかな、僕は。」
「目の下にそんなクマを作られたら誰だって気づくわよ。それに、生徒会のメンバーはあなたが大好きだから。」
「光栄だね。」
「議事録と現段階の進捗状況は私が確認するわ。あなたは少し休んで。」
「そういうわけにはいかないよ。みんなだって疲れているはずだ。こんなタイミングで属性魔法評議会、しかも運営側だからね。」
「視野の広い統率力を上が見せてくれればいいんだけど。」
「あの老人たちにそんな能力はないさ。面倒事はすべて丸投げ。かといって結果を残さないと影響が及ぶのは生徒たちだ。僕たちは体の良い操り人形のようなものさ。」
「サージュベルの魔法研究は、依然高い水準を保っているわ。魔法域だって安定している。これ以上何を望むの?」
「甘い蜜を吸った人間の欲は限度を知らないんだよ。どれだけの見えない資金が元老院に流れているか、想像しただけでゾッとするね。」
「ミトラ――」
「それより――」
シェティスの言葉をミトラは遮った。
「それより、アシェリナは予定通りのスケジュールで来校できそうかい?」
何か言いたげな視線を送ったシェティスだったが、軽くため息をつきタブレットを取り出す。
「問題ないわ。予定通り明日の午前に来校予定よ。SPを付けるか聞いたけど、一蹴されたわ。」
「ふふ。彼には必要ないよ。逆にこっちが守られてしまう。」
目尻を下げたミトラの顔は、いつもの鉄壁の笑顔ではなかった。
「嬉しそうね、ミトラ。アシェリナ様にお会いするのは久しぶりじゃないの?」
「ふふ、そうだね。あの人がサージュベル学園の英雄なんて――」
不意に途切れた言葉にシェティスはミトラを見た。そこにはもうさっきの笑顔は見られない。
「だから――」
「うん。」
「だからこそ、彼には属性魔法評議会に参加してほしくなかった・・・!」
ミトラは拳を強く握り、悔しそうに声を震わせる。
「こんなしがらみだらけの場に、アシェリナ様は来ないと思っていたけど・・・。
でも、きっと参加を決めたのはあなたが今ここで頑張っているからじゃないの、ミトラ。」
「・・・。」
うつむいたミトラの表情は見えない。シェティスは扉に手をかけた。
「英雄様にそんな疲れた顔を見せる気?」
「え?」
「3時間後に迎えにくるわ。それまでは待機しておいて。」
「シェティス――」
「休むことも仕事の1つよ。業務のパフォーマンスを上げるためにね。これは副会長命令です。」
「・・・。」
「まだまだ準備はあるんだから。仕事をたくさん持ってくるから覚悟しておいてね。」
「・・・ふふ、分かったよ。」
ミトラが可笑しそうに笑う。シェティスはそのまま部屋を出ていった。
1人残されたミトラは空を仰いだ。
「・・・本当に僕は助けられてばかりだ。」
右手で左肩をさする。制服の擦れた音が淋しげに響いた。
「それでも、木偶の坊なりの意地は見せてやるさ。」
そうつぶやくと、部屋に飾られた時計を見る。
2時間ほどの仮眠を決めたミトラは自室に引き上げた。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説

婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました
toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。
残酷シーンが多く含まれます。
誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。
両親に
「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」
と宣言した彼女は有言実行をするのだった。
一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。
4/5 21時完結予定。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる