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第2章3部
記憶の欠片
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「その傷はいつついたんじゃ?」
「ハッキリとは覚えていない。田舎のおばあちゃん家に行った時だったような気がする・・・。暑い夏で、思い出すのは大きな積乱雲だ。
とても暑くて、その、汗と血の区別もつかなかった。発狂しそうな程痛くて苦しくて・・・。ぬるっとした血が生温かかった記憶がある。
その時もう1人いたんだ。その子じゃないもう1人が。でも確信はもてない・・・。もう1人の子がその子だったのか違う子だったのか・・・。」
頭を抱えながら記憶を反芻する。当時の息苦しさを思い出して呼吸が浅くなるのを感じた。
「霊魔による傷で記憶が混濁しておるのじゃな。深呼吸せい。3回な。」
言われた通り大きく深呼吸を繰り返す。そして肺に新鮮な空気を取り込んだ。
大丈夫。この樹の下はとても優しい。
「気付いた時には、おっしょうの家だった。おばあちゃん家でもなく知らない土地だった。
おっしょうの話では私はひどい傷を受け、約3か月間眠ったままだったらしい。言霊も詠唱も使えなくなったのはそれからだ・・・。」
「両親はどこに?」
セリカは拳を握りしめる。そして、小さく首を横に振った。
「ほうほう。では、さっきから出てくる【おっしょう】とは誰じゃ。」
「目覚めた時から面倒を見てくれた人だ。お師匠と呼べと散々言われているが、私はこの呼び名が気に入っている。彼は私を育て、言霊と詠唱無しでも魔法が使えるように鍛えてくれたんだ。」
「ほうほう。」
「確か、何だっけな、普段、名前なんか呼ばないから・・・。あぁ、ヴァースキ・ゼノグアキという名だ。」
その時、初めてソフィアの目に光が走った気がした。
「ヴァースキ・ゼノグアキとな。」
「あぁ。年中タバコを咥えてヤニ臭いんだ。」
まるでそこに煙たい煙があるかのように、セリカは眉をひそめて見せる。
「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ!!そうか、そうか!!あやつが!」
「ど、どうしたソフィア?おっしょうを知っているのか?」
「まぁのう。『暁の水蛇』じゃろう。」
「暁の水蛇??なんだ、そのダサい呼び名は。」
「奴が通った水辺はすべて紅く染まる、という呼び名じゃ。あやつも『クソダサイ』とか言って、この呼び名を嫌っておったのう。・・・そうか、なるほどな。どおりで、見おぼえのあるイヤーカフスじゃと思った。」
ソフィアが優しく見つめる眼差しは、セリカではない誰かの面影を追っているような眼だった。その眼差しに、セリカの手は自然とイヤーカフスに伸びていた。
「おっしょうとソフィアはどんな関係だ?」
「ふぉっふぉっふぉっふぉ。ワシよりあやつに聞け。」
「ずるいぞ、ソフィア。私ばかり話している気がする。」
「聞くことは経験することより容易く薄っぺらい。己の感情さえ殺してしまう。それでは意味ないことをお前さんもよく知っておるのではないか?」
「・・・。」
「それに、お前さんをこの場所に赴かせた意図をワシが潰すわけにもいかんしのう。珍しくまどろこしい真似をしよるのは、何かしら理由があるからじゃろう。」
「それはどういう――?」
そのとき、やまびこのよう跳ね返ってきた声が2人の耳に届いた。
「――様 ――ソフィア様!」
「ジェシド?」
樹の奥から聞こえてきたのはジェシドの声だった。
「みたいじゃのう。資料を集め終わったのかもしれん。」
どれどれ、と言いながら杖を持ち直したソフィアはゆっくりと立ち上がる。
「お前さんも辺りを散策してみてはどうじゃ。本は読めんが、ここは知識が生まれ絶える場所。混濁した記憶を整理するにはもってこいの場所じゃぞい。」
そう言うと、ソフィアは足音も立てずスゥーっと消えてしまった。
1人取り残されたセリカはソフィアの言葉を繰り返す。
「・・・知識が生まれ、絶える場所・・・。」
セリカは立ち上がり上を見上げた。密集した葉が優しく揺れている。
あの葉たちはどんな知識を持っているのだろう。手を伸ばせば届くのに、自分はページを開く手を持っていないのだ。
セリカはギュッと唇を噛むと、ゆっくりと歩き始めた。
『おっしょう、なぜ私は言霊も詠唱も使えなくなったんだ?』
トマトと卵のスープをお椀にすくうと、ふんわりと湯気が上がった。卵は程よく半熟だ。お皿には切り分けられたバゲットが行儀よく並んでいる。
『おっしょうじゃない、お師匠と呼べ。前にも言ったろう。詠唱で魔法が使えなくなったのはその魔障痕のせいだと。』
セリカは服をまくし上げた。そこには、ヴァースキとの訓練でついた新しい傷とは別に、小さな体に似合わない生々しい魔障痕が気味悪く呼吸しているように動いていた。
『コラ、女の子が簡単に肌を見せるな!』
『おっしょうしか居ないんだからいいじゃん!』
『そういうことじゃない!それにその傷だって――』
『人に見せちゃダメなんでしょ?何度も聞いているから分かってるよ。そもそも、ここには滅多に人なんて来ないじゃん。』
『ったく。口ばっかり達者になりやがって。誰に似たんだか・・・。』
長い溜息を吐くヴァースキにセリカは笑って見せた。
『誰に似たかなんて、おっしょうしか居ないじゃん!』
『お前の両親かもしれないじゃないか。』
『父さんと母さんは、もっと大人しい人だったよ。』
ヴァースキはパンを咀嚼しゆっくりと飲み込む。
『記憶が?』
『うん。またちょっとずつね。本当なのか夢なのか区別は付かないけど。』
『どっちでもいい。本当でも夢でもお前の脳からの信号だ。言葉にして整理しておけ。』
グラスには大きな氷とウィスキーが溶け合い、マーブル状に混ざり合っている。ヴァースキはグラスにある液体を一気に飲み干した。
『確かお前の母親は精霊が見えているって話だったな。』
『うん。私には母さんの精霊は見えなかったけど気配は感じてたよ。多分水精霊かな。』
『母親のエレメントも水精霊だったな。』
『うん。母さんは魔法力の器も大きくて、いつも精霊の気配を纏っていた。』
『父親は?』
『父さんは考古学者か学校の教授だった・・・かな。ハッキリとわかんない。でも書斎はたくさんの本で溢れていた。父さんは母さんが精霊に好かれやすいところを愛し、そしてとても心配していた・・・んだと思う。』
ハッキリと断言できないことが悔しい。どこかそうであって欲しいという自分の願望が混ざっていることは気付かないフリをした。
『精霊に好かれる人は精霊界に連れて行かれる・・・。昔の人が言い伝えた眉唾物さ。』
『母さんもそう言っていた。だから心配する必要はないと。でも――』
不自然に止まった言葉にヴァースキはセリカを見た。血の気が引き、頭を抱えている。
『でも・・・でも消えたんだ。いきなり、闇の中に。それで、それで――』
『セリカッ!!』
パンッ!!!という音と大きな声が響く。セリカはビクリと体を震わせた。
手を大きく叩いたヴァースキは、そのままその手をセリカの頭に乗せた。
『もういい。今日はここまでだ。』
『でも――。』
『オレが作ったスープが冷める。早く食え。』
『・・・うん。』
『食った後は、イメトレ練習も忘れるなよ。』
『げーっ!またするの、あれ?』
『げーっじゃない。言霊も詠唱も使わず魔法を使うには、脳の中にある記憶の欠片を呼び起こすことが1番大切だと言っただろう。それには――』
『はいはい。記憶の欠片を呼び起こすにはまず精霊のイメージトレーニングでしょ!』
『そうだ。それに1番大事なのは――』
『『想う気持ちが精霊への力となる。』でしょ!もう耳タコだよ。』
『そんな何回も言ってないぞ。』
『言ってるよ。年を取ると同じことを何度も言うのって本当だったんだね。』
『なんだと!オレが年を取っているとでも言いたいのか?』
『若くはないんだから、タバコぐらい止めたら、おっしょう。』
『おっしょうじゃない、お師匠だ!』
『はいはい、おっしょう――。』
『このクソガキ――!!』
おっしょうとの訓練や会話は鮮明な記憶として残っている。しかし、幼少期の記憶は相変わらず霞がかかってうまく思い出せない。
『真名とは精霊の力そのもの。簡単に教えていいものでは決してない。真名を伝えるということは、その人間を誰よりも信じ、自分を託す親愛の証拠だともいえるのじゃ。』
セリカは立ち止まりソフィアの言葉を思い出した。
「そうか・・・。いつも傍にいたあの子は精霊だったのか。私も母さんと同じで精霊の姿を見ることができていたんだな・・・。」
希薄だった存在が途端に色づいたような気がした。叡智の賢者であるソフィアに言われたからもあるだろう。しかし、薄っすらとした影だったものに淡く形が残るのはこの樹の下にいるからかもしれない。
セリカは手を伸ばした。そして目を瞑る。
「あぁ、なんでもいい。本に触りたい。」
頭の霞を文で埋め尽くしたい。知識で埋め尽くしたい。そして埋め尽くした後に、あの子の笑った顔を作り出して刻みたい。
瞼に光が乗る。ぼんやりと暖かい空気を堪能していたセリカはある音に気付いた。
それはとても小さく頼りない呼吸の音だった。
「ハッキリとは覚えていない。田舎のおばあちゃん家に行った時だったような気がする・・・。暑い夏で、思い出すのは大きな積乱雲だ。
とても暑くて、その、汗と血の区別もつかなかった。発狂しそうな程痛くて苦しくて・・・。ぬるっとした血が生温かかった記憶がある。
その時もう1人いたんだ。その子じゃないもう1人が。でも確信はもてない・・・。もう1人の子がその子だったのか違う子だったのか・・・。」
頭を抱えながら記憶を反芻する。当時の息苦しさを思い出して呼吸が浅くなるのを感じた。
「霊魔による傷で記憶が混濁しておるのじゃな。深呼吸せい。3回な。」
言われた通り大きく深呼吸を繰り返す。そして肺に新鮮な空気を取り込んだ。
大丈夫。この樹の下はとても優しい。
「気付いた時には、おっしょうの家だった。おばあちゃん家でもなく知らない土地だった。
おっしょうの話では私はひどい傷を受け、約3か月間眠ったままだったらしい。言霊も詠唱も使えなくなったのはそれからだ・・・。」
「両親はどこに?」
セリカは拳を握りしめる。そして、小さく首を横に振った。
「ほうほう。では、さっきから出てくる【おっしょう】とは誰じゃ。」
「目覚めた時から面倒を見てくれた人だ。お師匠と呼べと散々言われているが、私はこの呼び名が気に入っている。彼は私を育て、言霊と詠唱無しでも魔法が使えるように鍛えてくれたんだ。」
「ほうほう。」
「確か、何だっけな、普段、名前なんか呼ばないから・・・。あぁ、ヴァースキ・ゼノグアキという名だ。」
その時、初めてソフィアの目に光が走った気がした。
「ヴァースキ・ゼノグアキとな。」
「あぁ。年中タバコを咥えてヤニ臭いんだ。」
まるでそこに煙たい煙があるかのように、セリカは眉をひそめて見せる。
「ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ!!そうか、そうか!!あやつが!」
「ど、どうしたソフィア?おっしょうを知っているのか?」
「まぁのう。『暁の水蛇』じゃろう。」
「暁の水蛇??なんだ、そのダサい呼び名は。」
「奴が通った水辺はすべて紅く染まる、という呼び名じゃ。あやつも『クソダサイ』とか言って、この呼び名を嫌っておったのう。・・・そうか、なるほどな。どおりで、見おぼえのあるイヤーカフスじゃと思った。」
ソフィアが優しく見つめる眼差しは、セリカではない誰かの面影を追っているような眼だった。その眼差しに、セリカの手は自然とイヤーカフスに伸びていた。
「おっしょうとソフィアはどんな関係だ?」
「ふぉっふぉっふぉっふぉ。ワシよりあやつに聞け。」
「ずるいぞ、ソフィア。私ばかり話している気がする。」
「聞くことは経験することより容易く薄っぺらい。己の感情さえ殺してしまう。それでは意味ないことをお前さんもよく知っておるのではないか?」
「・・・。」
「それに、お前さんをこの場所に赴かせた意図をワシが潰すわけにもいかんしのう。珍しくまどろこしい真似をしよるのは、何かしら理由があるからじゃろう。」
「それはどういう――?」
そのとき、やまびこのよう跳ね返ってきた声が2人の耳に届いた。
「――様 ――ソフィア様!」
「ジェシド?」
樹の奥から聞こえてきたのはジェシドの声だった。
「みたいじゃのう。資料を集め終わったのかもしれん。」
どれどれ、と言いながら杖を持ち直したソフィアはゆっくりと立ち上がる。
「お前さんも辺りを散策してみてはどうじゃ。本は読めんが、ここは知識が生まれ絶える場所。混濁した記憶を整理するにはもってこいの場所じゃぞい。」
そう言うと、ソフィアは足音も立てずスゥーっと消えてしまった。
1人取り残されたセリカはソフィアの言葉を繰り返す。
「・・・知識が生まれ、絶える場所・・・。」
セリカは立ち上がり上を見上げた。密集した葉が優しく揺れている。
あの葉たちはどんな知識を持っているのだろう。手を伸ばせば届くのに、自分はページを開く手を持っていないのだ。
セリカはギュッと唇を噛むと、ゆっくりと歩き始めた。
『おっしょう、なぜ私は言霊も詠唱も使えなくなったんだ?』
トマトと卵のスープをお椀にすくうと、ふんわりと湯気が上がった。卵は程よく半熟だ。お皿には切り分けられたバゲットが行儀よく並んでいる。
『おっしょうじゃない、お師匠と呼べ。前にも言ったろう。詠唱で魔法が使えなくなったのはその魔障痕のせいだと。』
セリカは服をまくし上げた。そこには、ヴァースキとの訓練でついた新しい傷とは別に、小さな体に似合わない生々しい魔障痕が気味悪く呼吸しているように動いていた。
『コラ、女の子が簡単に肌を見せるな!』
『おっしょうしか居ないんだからいいじゃん!』
『そういうことじゃない!それにその傷だって――』
『人に見せちゃダメなんでしょ?何度も聞いているから分かってるよ。そもそも、ここには滅多に人なんて来ないじゃん。』
『ったく。口ばっかり達者になりやがって。誰に似たんだか・・・。』
長い溜息を吐くヴァースキにセリカは笑って見せた。
『誰に似たかなんて、おっしょうしか居ないじゃん!』
『お前の両親かもしれないじゃないか。』
『父さんと母さんは、もっと大人しい人だったよ。』
ヴァースキはパンを咀嚼しゆっくりと飲み込む。
『記憶が?』
『うん。またちょっとずつね。本当なのか夢なのか区別は付かないけど。』
『どっちでもいい。本当でも夢でもお前の脳からの信号だ。言葉にして整理しておけ。』
グラスには大きな氷とウィスキーが溶け合い、マーブル状に混ざり合っている。ヴァースキはグラスにある液体を一気に飲み干した。
『確かお前の母親は精霊が見えているって話だったな。』
『うん。私には母さんの精霊は見えなかったけど気配は感じてたよ。多分水精霊かな。』
『母親のエレメントも水精霊だったな。』
『うん。母さんは魔法力の器も大きくて、いつも精霊の気配を纏っていた。』
『父親は?』
『父さんは考古学者か学校の教授だった・・・かな。ハッキリとわかんない。でも書斎はたくさんの本で溢れていた。父さんは母さんが精霊に好かれやすいところを愛し、そしてとても心配していた・・・んだと思う。』
ハッキリと断言できないことが悔しい。どこかそうであって欲しいという自分の願望が混ざっていることは気付かないフリをした。
『精霊に好かれる人は精霊界に連れて行かれる・・・。昔の人が言い伝えた眉唾物さ。』
『母さんもそう言っていた。だから心配する必要はないと。でも――』
不自然に止まった言葉にヴァースキはセリカを見た。血の気が引き、頭を抱えている。
『でも・・・でも消えたんだ。いきなり、闇の中に。それで、それで――』
『セリカッ!!』
パンッ!!!という音と大きな声が響く。セリカはビクリと体を震わせた。
手を大きく叩いたヴァースキは、そのままその手をセリカの頭に乗せた。
『もういい。今日はここまでだ。』
『でも――。』
『オレが作ったスープが冷める。早く食え。』
『・・・うん。』
『食った後は、イメトレ練習も忘れるなよ。』
『げーっ!またするの、あれ?』
『げーっじゃない。言霊も詠唱も使わず魔法を使うには、脳の中にある記憶の欠片を呼び起こすことが1番大切だと言っただろう。それには――』
『はいはい。記憶の欠片を呼び起こすにはまず精霊のイメージトレーニングでしょ!』
『そうだ。それに1番大事なのは――』
『『想う気持ちが精霊への力となる。』でしょ!もう耳タコだよ。』
『そんな何回も言ってないぞ。』
『言ってるよ。年を取ると同じことを何度も言うのって本当だったんだね。』
『なんだと!オレが年を取っているとでも言いたいのか?』
『若くはないんだから、タバコぐらい止めたら、おっしょう。』
『おっしょうじゃない、お師匠だ!』
『はいはい、おっしょう――。』
『このクソガキ――!!』
おっしょうとの訓練や会話は鮮明な記憶として残っている。しかし、幼少期の記憶は相変わらず霞がかかってうまく思い出せない。
『真名とは精霊の力そのもの。簡単に教えていいものでは決してない。真名を伝えるということは、その人間を誰よりも信じ、自分を託す親愛の証拠だともいえるのじゃ。』
セリカは立ち止まりソフィアの言葉を思い出した。
「そうか・・・。いつも傍にいたあの子は精霊だったのか。私も母さんと同じで精霊の姿を見ることができていたんだな・・・。」
希薄だった存在が途端に色づいたような気がした。叡智の賢者であるソフィアに言われたからもあるだろう。しかし、薄っすらとした影だったものに淡く形が残るのはこの樹の下にいるからかもしれない。
セリカは手を伸ばした。そして目を瞑る。
「あぁ、なんでもいい。本に触りたい。」
頭の霞を文で埋め尽くしたい。知識で埋め尽くしたい。そして埋め尽くした後に、あの子の笑った顔を作り出して刻みたい。
瞼に光が乗る。ぼんやりと暖かい空気を堪能していたセリカはある音に気付いた。
それはとても小さく頼りない呼吸の音だった。
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