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第2章2部
胸に灯る温かさ
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「セリカ君!付き合って欲しい!」
「・・・いいぞ。」
「え!えぇっ!?セリカ!??」
セリカの返事にシリアは慌てふためいた。しかしセリカは顔色を変えず男子生徒に向かって言った。
「それで君は誰で、私はどこに付き合えばいいんだ?」
セリカの返事を聞いたクラスメートたちは拍子抜けしたように次々と口を閉じる。
「え、僕が分からないのかい・・・?僕だよ、ジェシドだよ。」
「え、あなたがこのノートの作成者ですか?」
シリアが机にあったノートを見せると、ジェシドは目を何度か瞬いて見せた。まだコンタクトに慣れていないのだろう。
「あぁ、それは僕のノートだね。」
「え、ジェシドなのか?髪とメガネが無いぞ。」
「切って外したんだ。」
「切って、外した・・・?」
「もう!ジェシドさんは髪を切って、メガネを外したということですわ!」
2人の会話に焦れたシリアが口を挟む。
「あぁ、そーいうことか!」
「う、うん・・・。セリカ君が髪を切った方がいいと言ってくれたから・・・。それに、いい機会だと思ってメガネからコンタクトに変えたんだ。」
納得したセリカが再びまじまじとジェシドの顔を見つめると、ジェシドの顔が赤くなっていく。
「しかし驚いた。本当に分からなかった。」
「う、うん・・・。まさか、分かってもらえなかったとは。」
「でも、とっても似合っているぞ!」
「あ、ありがとう!」
「それよりも、ですわ!」
シリアは腰に手を当てて2人を見た。
「ジェシドさん、『付き合ってくれ』というのはどのような意味ですか?セリカへの告白ですか?」
「えっ!告白・・・!?」
「ん?告白?」
「それなら然るべき場所を選ぶべきかと!それとも、セリカが言うとおりどこかへ付き添って欲しいという意味ですか?」
「いや、違うっ!告白なんて・・・!もちろん後者だ!」
顔の前で手を振るジェシドの顔はさらに真っ赤になっている。
「なら紛らわしい言い方は止めてくださいまし。完全に私も、そして周辺も勘違いしてしまいましたわ。」
ジェシドは辺りを見回すと、初めて自分たちが注目の的になっていることに気が付いた。
「あ・・・。ごめんなさい・・・。」
「セリカもですよ!」
「え・・・?」
急に向けられた矛先にセリカはキョトンとする。
「どこかへ同行して欲しい、というお願いを詳細も聞かず安請け合いするのは如何なものかと思いますよ!しかも、ジェシドさんが誰かも分かっていなかったのなら尚更ですわ!」
シリアは唇を尖らせる。
「う・・・。あまりにも気迫に満ちた表情だったから、何か困っているんだと思ったんだ。でも確かに浅はかだったかもしれない。・・・すまん。」
セリカは肩を落としている。
(確かに勘違いしたのはこちらですけど・・・。異性からのあの発言を愛の告白だと微塵も思わないのはセリカらしいといえばセリカらしいですわ・・・。)
シリアは短くため息をついた。
「僕も二つ返事で引き受けてもらえるとは思わなかったから驚いたよ。僕の言葉が足りなかったね。勘違いをさせて悪かった。・・・えぇと。」
「シリア・クルーゼですわ。以後お見知りおきを。」
シリアが右手を差し出す。
「ジェシド・ウォーグだ。よろしくね、シリア。」
差し出された小さな手を握り2人は握手を交わす。そして、シリアとセリカの2人を見てニッコリと笑った。
「セリカはいい友達を持っているね。」
「友達・・・?」
聞き慣れない単語にセリカの目が丸くなる。
「あぁ。相手の事を自分の事のように考えてくれる。一緒に喜んで、一緒に怒ってくれる。ずっと寄り添ってくれる。ステキな友達じゃないか。」
(友達。シリアが友達・・・?)
思考が止まっているセリカの腕に温かな感触が触れた。
「当然ですわ!私とセリカは立派な友達ですもの!」
セリカの腕にシリアの腕が絡まる。柔らかく甘いシリアの匂いが鼻孔をくすぐった。
この時セリカは、自分が嬉しいと思っていることに驚いた。胸がくすぐったくてあたたかいのだ。
そうか、自分は喜んでいるのだ。セリカの表情に自然と笑みがこぼれた。
「あぁ、大事な友達だ!」
絡まれたシリアの腕に力を込めると、今度はシリアが驚く番だった。
今までのセリカを思えば自分の発言を否定されるかもしれないと思っていたからだ。しかし、受け入れてくれた。シリアも胸が熱くなるのを感じた。
「そうか、大事にしなきゃだね。じゃあ、シリア君にも一緒にお願いしようかな。」
「そうだった。結局、どこへ付き合えばいいんだ?」
「うん。改めて説明するね。僕とあるクエストに付き合ってもらえないだろうか?」
「・・・クエスト?」
セリカは首をかしげる。
「先日、ロイたちと話したポイントを得られる奉仕活動の事ですわ。クエストと称されることもありますの。」
「へぇ~。そうなのか。」
「それで、これを見て欲しいんだ。」
そう言うと、ジェシドは脇に抱えていた薄型の端末を2人に見えるように向け画面に触れる。
そこにはある文書が映し出されている。その文書をセリカとシリアが読み上げていった。
「搬送クエスト・・・。対象者:修練クラス
同行者:修練クラス1人につき1人~2人・・・」
「対象者は魔術中央図書館(通称:ACL)にて該当文献を見つけ依頼者まで届けること。※該当文献はクエスト了承時にて告示・・・」
「要は魔術中央図書館に行ってある資料を借りてこいってことだね。しかも修練クラス限定のクエストだ。」
「なんだ、全然簡単なクエストじゃないか。」
「えぇと・・・クエスト達成者と同行者には・・・えぇぇっ!こんなにポイントが付与されるのですかっ!?」
シリアは思わず声を上げる。
「そんなにポイント数が高いのか?」
「えぇ。Twilight forestの実習ポイントが無効になった私たちには有難いポイント数ですわ。でも、そこまで難易度が高いと思えないクエストなのにどうして・・・?」
「そう思うよね。多分、ここのせいだと思う。」
ジェシドは文書のある部分を指でなぞって見せた。
「魔術中央図書館(通称:ACL)――あぁ!そういうことですのね!!」
シリアが納得したように頷く。
「なんだ、この場所がどうしたんだ?」
「この魔術中央図書館――通称ACLって言うんだけど、この図書館は世界で1番大きな図書館と呼ばれていて、古い文献や重要な資料などが数多く収められている場所なんだ。
すべての魔術書はここにあるし、情報がデータベース化されてあるから効率よく調べたい事を調べられるんだよ。」
「この学園の図書館にもあらゆる書物が揃っていますが、ACLに比べたらその数は10分の1にも満たないでしょうね。」
「そうさ、ここは世界の知識が詰まった場所なのさ!」
「へぇ~!そんな場所があるのか!」
本好きのセリカも興味を持ったようだ。
「でも、情報は宝というからね。セキュリティがとても厳しいんだ。入館するのも紹介状が無いと入れないことになっている。一般人の僕らが簡単に入れる場所ではないんだ。」
「でも、クエストによって入ることができるということですね!なんて貴重な体験なのでしょう!!」
「なるほど。セキュリティが厳しい場所だからポイントが高いってことか。」
セリカの言葉にジェシドとシリアの動きが一瞬止まる。
「え・・・?」
「それが、そうじゃないんですわ、セリカ・・・。」
さっきまで浮かれていた2人から笑顔が消えている。
「まぁ確かにACLは簡単に入れる場所ではないんだけど、簡単に行くこともできない場所にあるんだ。」
「場所?」
「えぇ・・・。ACLへ行くには劫火峡谷を通らねばならないのです。」
「・・・いいぞ。」
「え!えぇっ!?セリカ!??」
セリカの返事にシリアは慌てふためいた。しかしセリカは顔色を変えず男子生徒に向かって言った。
「それで君は誰で、私はどこに付き合えばいいんだ?」
セリカの返事を聞いたクラスメートたちは拍子抜けしたように次々と口を閉じる。
「え、僕が分からないのかい・・・?僕だよ、ジェシドだよ。」
「え、あなたがこのノートの作成者ですか?」
シリアが机にあったノートを見せると、ジェシドは目を何度か瞬いて見せた。まだコンタクトに慣れていないのだろう。
「あぁ、それは僕のノートだね。」
「え、ジェシドなのか?髪とメガネが無いぞ。」
「切って外したんだ。」
「切って、外した・・・?」
「もう!ジェシドさんは髪を切って、メガネを外したということですわ!」
2人の会話に焦れたシリアが口を挟む。
「あぁ、そーいうことか!」
「う、うん・・・。セリカ君が髪を切った方がいいと言ってくれたから・・・。それに、いい機会だと思ってメガネからコンタクトに変えたんだ。」
納得したセリカが再びまじまじとジェシドの顔を見つめると、ジェシドの顔が赤くなっていく。
「しかし驚いた。本当に分からなかった。」
「う、うん・・・。まさか、分かってもらえなかったとは。」
「でも、とっても似合っているぞ!」
「あ、ありがとう!」
「それよりも、ですわ!」
シリアは腰に手を当てて2人を見た。
「ジェシドさん、『付き合ってくれ』というのはどのような意味ですか?セリカへの告白ですか?」
「えっ!告白・・・!?」
「ん?告白?」
「それなら然るべき場所を選ぶべきかと!それとも、セリカが言うとおりどこかへ付き添って欲しいという意味ですか?」
「いや、違うっ!告白なんて・・・!もちろん後者だ!」
顔の前で手を振るジェシドの顔はさらに真っ赤になっている。
「なら紛らわしい言い方は止めてくださいまし。完全に私も、そして周辺も勘違いしてしまいましたわ。」
ジェシドは辺りを見回すと、初めて自分たちが注目の的になっていることに気が付いた。
「あ・・・。ごめんなさい・・・。」
「セリカもですよ!」
「え・・・?」
急に向けられた矛先にセリカはキョトンとする。
「どこかへ同行して欲しい、というお願いを詳細も聞かず安請け合いするのは如何なものかと思いますよ!しかも、ジェシドさんが誰かも分かっていなかったのなら尚更ですわ!」
シリアは唇を尖らせる。
「う・・・。あまりにも気迫に満ちた表情だったから、何か困っているんだと思ったんだ。でも確かに浅はかだったかもしれない。・・・すまん。」
セリカは肩を落としている。
(確かに勘違いしたのはこちらですけど・・・。異性からのあの発言を愛の告白だと微塵も思わないのはセリカらしいといえばセリカらしいですわ・・・。)
シリアは短くため息をついた。
「僕も二つ返事で引き受けてもらえるとは思わなかったから驚いたよ。僕の言葉が足りなかったね。勘違いをさせて悪かった。・・・えぇと。」
「シリア・クルーゼですわ。以後お見知りおきを。」
シリアが右手を差し出す。
「ジェシド・ウォーグだ。よろしくね、シリア。」
差し出された小さな手を握り2人は握手を交わす。そして、シリアとセリカの2人を見てニッコリと笑った。
「セリカはいい友達を持っているね。」
「友達・・・?」
聞き慣れない単語にセリカの目が丸くなる。
「あぁ。相手の事を自分の事のように考えてくれる。一緒に喜んで、一緒に怒ってくれる。ずっと寄り添ってくれる。ステキな友達じゃないか。」
(友達。シリアが友達・・・?)
思考が止まっているセリカの腕に温かな感触が触れた。
「当然ですわ!私とセリカは立派な友達ですもの!」
セリカの腕にシリアの腕が絡まる。柔らかく甘いシリアの匂いが鼻孔をくすぐった。
この時セリカは、自分が嬉しいと思っていることに驚いた。胸がくすぐったくてあたたかいのだ。
そうか、自分は喜んでいるのだ。セリカの表情に自然と笑みがこぼれた。
「あぁ、大事な友達だ!」
絡まれたシリアの腕に力を込めると、今度はシリアが驚く番だった。
今までのセリカを思えば自分の発言を否定されるかもしれないと思っていたからだ。しかし、受け入れてくれた。シリアも胸が熱くなるのを感じた。
「そうか、大事にしなきゃだね。じゃあ、シリア君にも一緒にお願いしようかな。」
「そうだった。結局、どこへ付き合えばいいんだ?」
「うん。改めて説明するね。僕とあるクエストに付き合ってもらえないだろうか?」
「・・・クエスト?」
セリカは首をかしげる。
「先日、ロイたちと話したポイントを得られる奉仕活動の事ですわ。クエストと称されることもありますの。」
「へぇ~。そうなのか。」
「それで、これを見て欲しいんだ。」
そう言うと、ジェシドは脇に抱えていた薄型の端末を2人に見えるように向け画面に触れる。
そこにはある文書が映し出されている。その文書をセリカとシリアが読み上げていった。
「搬送クエスト・・・。対象者:修練クラス
同行者:修練クラス1人につき1人~2人・・・」
「対象者は魔術中央図書館(通称:ACL)にて該当文献を見つけ依頼者まで届けること。※該当文献はクエスト了承時にて告示・・・」
「要は魔術中央図書館に行ってある資料を借りてこいってことだね。しかも修練クラス限定のクエストだ。」
「なんだ、全然簡単なクエストじゃないか。」
「えぇと・・・クエスト達成者と同行者には・・・えぇぇっ!こんなにポイントが付与されるのですかっ!?」
シリアは思わず声を上げる。
「そんなにポイント数が高いのか?」
「えぇ。Twilight forestの実習ポイントが無効になった私たちには有難いポイント数ですわ。でも、そこまで難易度が高いと思えないクエストなのにどうして・・・?」
「そう思うよね。多分、ここのせいだと思う。」
ジェシドは文書のある部分を指でなぞって見せた。
「魔術中央図書館(通称:ACL)――あぁ!そういうことですのね!!」
シリアが納得したように頷く。
「なんだ、この場所がどうしたんだ?」
「この魔術中央図書館――通称ACLって言うんだけど、この図書館は世界で1番大きな図書館と呼ばれていて、古い文献や重要な資料などが数多く収められている場所なんだ。
すべての魔術書はここにあるし、情報がデータベース化されてあるから効率よく調べたい事を調べられるんだよ。」
「この学園の図書館にもあらゆる書物が揃っていますが、ACLに比べたらその数は10分の1にも満たないでしょうね。」
「そうさ、ここは世界の知識が詰まった場所なのさ!」
「へぇ~!そんな場所があるのか!」
本好きのセリカも興味を持ったようだ。
「でも、情報は宝というからね。セキュリティがとても厳しいんだ。入館するのも紹介状が無いと入れないことになっている。一般人の僕らが簡単に入れる場所ではないんだ。」
「でも、クエストによって入ることができるということですね!なんて貴重な体験なのでしょう!!」
「なるほど。セキュリティが厳しい場所だからポイントが高いってことか。」
セリカの言葉にジェシドとシリアの動きが一瞬止まる。
「え・・・?」
「それが、そうじゃないんですわ、セリカ・・・。」
さっきまで浮かれていた2人から笑顔が消えている。
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