堕ちた令嬢と冥界の契約

第43話 屈辱の土下座

クロエ・ハートフィリアは、異国の貴族に奴隷として買われ、猿に躾けられるという屈辱的な日々を送っていた。侯爵令嬢としての誇りもすべて奪われ、首輪の呪いによって自由を完全に失った彼女は、貴族たちの娯楽として利用されるだけの存在になっていた。

ある日、貴族の屋敷で小さな宴が開かれた。貴族の友人たちやその家族が集まり、笑い声が響く中、彼らはいつものようにクロエを娯楽の一部として使おうとしていた。

その日、主人はクロエに新たな屈辱を与えるため、猿たちに特別な命令を下していた。彼女に土下座をさせ、貴族たちの前で完全に服従させるというものだった。クロエにとって、土下座は侯爵令嬢としてのプライドを根本から否定される行為であり、絶対にしたくない屈辱的な姿勢だった。

宴の途中、主人は笑みを浮かべながらクロエを指差した。

「今日は特別な芸を見せてやろう。さあ、猿たちよ、あの娘に土下座をさせてやれ」

その言葉に、猿たちはすぐに行動を開始した。彼らはクロエの周りを取り囲み、手を叩きながら彼女に命令を出した。クロエはすぐに首輪の呪いを感じ、体が勝手に反応し始めた。

「やめて……私は……！」

クロエは必死に抗おうとしたが、首輪にかけられた呪いによって体はすでに支配されていた。猿たちが手を叩くたび、彼女の体は彼らの命令に従ってしまう。やがて、クロエの膝がガクッと折れ、地面に跪かされてしまった。

「やめて……お願い……」

彼女は弱々しく声を上げたが、猿たちはその言葉を無視し、さらに命令を続けた。貴族たちは興味深そうにその様子を見守り、嘲笑いの声を上げていた。

「さあ、次は額を地面につけるんだ！」

猿たちは手を叩きながら、さらにクロエに命令を下した。クロエは絶望的な気持ちに包まれながらも、体が勝手に動き、次の瞬間には額を地面につける形で完全に土下座の姿勢を取らされていた。

「見ろよ、これがあの貴族令嬢だって？今や猿に命令されて土下座するなんて、なんて滑稽なんだ！」

「本当に猿以下じゃないか。これが侯爵令嬢だったなんて信じられないな！」

貴族たちは大笑いし、クロエの屈辱的な姿勢をさらに嘲笑った。彼女は地面に額を押し付けられたまま、涙を堪えることしかできなかった。彼女の誇りは完全に踏みにじられ、もはや自分の意思で動くことすら許されない状況に追い込まれていた。

猿たちは満足げに彼女の周りを歩き回り、さらに手を叩いて命令を続けた。クロエは完全に服従させられた状態で、何も抵抗することができなかった。

「これが……私の運命なの……？」

クロエは心の中で何度も自問した。侯爵令嬢として誇り高く生きていた自分が、今や猿に命令され、貴族たちの娯楽として使われるだけの存在になってしまったことが、信じられなかった。だが、現実は容赦なく、彼女の心をさらに追い詰めていった。

貴族たちの笑い声が彼女の耳に響き続ける中、クロエはただ地面に額をつけ、屈辱と絶望に耐えるしかなかった。彼女が自由を取り戻す日は、まだ遠い未来のように感じられた。