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第11話 ウェアウルフ
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ユナは、無言のまま人通りの無い路地裏へと入って行った。
「ちょっと!どこまで行くつもりよ?」
目的が分からず、痺れを切らしたクロエがユナを引き留めようと肩に手を伸ばす。
その瞬間、ユナが振り向きざまに後ろ回し蹴りを放った。
「カハッ!?」
獣のしなやかなバネと強靭な肉体から繰り出される鋭い一撃が、クロエの腹を抉る。
不意を突かれたクロエは、ガードすら出来ずに吹き飛ばされて、壁に打ち付けられた。
ミチミチと内臓が潰され、骨が軋む。
激痛と衝撃で呼吸が出来ない。
「ウグゥ~、ゲホッ!ゲホッ!な、何するのよ!?」
膝をついたクロエは、お腹を抱えて涙目になりながらも、理不尽な暴力に怒りを露わにして、ユナを睨み付ける。
「あグゥッ!?」
しかし、容赦無くユナの拳がクロエの顔面を抉った。
まるでハンマーで殴られたかの様に重くて硬い拳に、クロエの意識が飛びそうになる。
殴られる寸前に身体強化を発動していなければ、確実に意識を刈り取られていただろう。
「クゥッ!」
チカチカと頭の周りに星が見える中、クロエは治癒魔術を発動して内臓のダメージを回復する。
「お?やる気じゃん!」
クロエが拳を構えると、ユナは余裕の笑みを浮かべた。
「舐めないで!」
クロエは、身体強化した拳を突き出して、ユナに殴り掛かる。
「ニャハハ!そんなヘナチョコパンチじゃ当たらないよ!」
ユナは軽々と身を捻ってクロエの拳を躱わすと、膝蹴りをクロエの鳩尾に捩じ込んだ。
「ふグゥッ!?」
ユナの膝が魔力の外骨格を突き破り、クロエの鳩尾にメキメキとめり込む。
胃の中身を全て出したクロエは、そのまま地面に崩れ落ちた。
しかし、ユナは倒れる事すら許さないと言わんばかりに、左手でクロエの髪の毛を鷲掴むと、無理矢理引き起こして、拳の連打を繰り出した。
「嫌!ガハッ!?も、もうヴッ!や、やめて!ふグゥッ!?」
脇腹、顔面、胸、腕や足と、ユナは無言で容赦無くクロエをボコボコに殴り続ける。
終わりの見え無い理不尽な暴力は、クロエの心を折るには十分過ぎた。
「ご、ごめんなひゃい!許して下ひゃい!もう、生意気な口は利きまへん」
青痣だらけになったクロエは、地面に両膝を着けて、懇願する様に謝罪していた。
口の中があちこち切れて腫れており、呂律が上手く回らない。
「アンタ、クロエとか言ったっけ?」
ユナは、クロエの髪の毛を鷲掴み、無理矢理顔を上げさせる。
「痛ッ!ひゃ、ひゃい、そうです!」
貴族令嬢にとって髪の毛は命と同じくらい大事なものであり、乱暴に引っ張られて怒りが込み上げるが、ユナに睨まれた瞬間、恐怖で萎縮してしまう。
「ん? アンタの顔、どっかで見た事がある様な・・・アッ!第一王子に婚約破棄された悪女じゃん!」
ユナは、新聞で見たクロエの写真を思い出して、驚いた後に満面の笑みを浮かべた。
正体を知られたクロエは、気まずそうに俯いた。
「お前、今日からウチのペットな!」
「は、はい?」
想定外のユナの命令に、クロエは困惑した表情を浮かべる。
「アッ?文句あるの?」
「ヒィッ!?あ、ありません!私はユナ様のペットです!何でもするので、殴らないで下さい!」
ユナが拳を振り上げた瞬間、クロエは恐怖で体を強張らせる。
既に心を折られたクロエは、即座に服従を誓ってしまった。
クロエのプライドはズタズタに引き裂かれ、打ち砕かれており、怯えた小動物の様にユナの顔色を伺っていた。
「よし!これからはウチの命令には絶対服従だからな!」
「・・・はい」
クロエは、頷きながらも、今直ぐこの街から逃げ出す事を考えていた。
「逆らったり、逃げ出したら・・・どうなるか、分かっているよね?」
「ヒャウッ!?」
ユナは、舌を出して、クロエの首筋をぺろっと舐め上げた。
生暖かい舌の感触が伝わり、背筋にゾクゾクと悪寒が走る。
「あとさ・・・ウチ、獣人じゃなくて、ウェアウルフだから・・・人間の柔らかい肉も大好物なんだよね」
「・・・アッ!?」
ユナはまるで味見でもするかの様に、クロエの首筋に噛み付いた。
甘噛みなので、そこまで痛くは無いが、肉の味を確かめる様に何度もアムアムと噛まれ、舐められて、唾液が首から胸に垂れ落ちる。
しかし、クロエは怖くて逆らう事も出来ず、首を食い千切られない様に祈りながら身体を捧げる事しか出来ない。
ウェアウルフは、獣人とは違い亜人種では無く、魔物の一種だ。
人喰いの化け物であり、その性質は悪だ。
獣人より遙かに濃い魔狼の血を持ち、高い身体能力だけで無く、どんな傷も瞬時に治ってしまう回復力や風を操る魔力を持っていると言われている。
その実力は伝説に出てくるヴァンパイアと同格とされており、冒険者ギルドの討伐難易度は、Aランクだ。
つまり、最初からクロエに勝ち目は無かったのだ。
「やっぱり、貴族令嬢の肉は柔らかくて甘いわね・・・これからは、毎晩味わってあげる」
「ングッ!?」
ユナは恍惚とした表情でクロエの唇を奪った。
唇を甘噛みされ、舌を入れられ、口内の傷口を舐め取られ、血と唾液を吸い取られる。
仲間選びに失敗したクロエは、涙目で後悔していた。
「ちょっと!どこまで行くつもりよ?」
目的が分からず、痺れを切らしたクロエがユナを引き留めようと肩に手を伸ばす。
その瞬間、ユナが振り向きざまに後ろ回し蹴りを放った。
「カハッ!?」
獣のしなやかなバネと強靭な肉体から繰り出される鋭い一撃が、クロエの腹を抉る。
不意を突かれたクロエは、ガードすら出来ずに吹き飛ばされて、壁に打ち付けられた。
ミチミチと内臓が潰され、骨が軋む。
激痛と衝撃で呼吸が出来ない。
「ウグゥ~、ゲホッ!ゲホッ!な、何するのよ!?」
膝をついたクロエは、お腹を抱えて涙目になりながらも、理不尽な暴力に怒りを露わにして、ユナを睨み付ける。
「あグゥッ!?」
しかし、容赦無くユナの拳がクロエの顔面を抉った。
まるでハンマーで殴られたかの様に重くて硬い拳に、クロエの意識が飛びそうになる。
殴られる寸前に身体強化を発動していなければ、確実に意識を刈り取られていただろう。
「クゥッ!」
チカチカと頭の周りに星が見える中、クロエは治癒魔術を発動して内臓のダメージを回復する。
「お?やる気じゃん!」
クロエが拳を構えると、ユナは余裕の笑みを浮かべた。
「舐めないで!」
クロエは、身体強化した拳を突き出して、ユナに殴り掛かる。
「ニャハハ!そんなヘナチョコパンチじゃ当たらないよ!」
ユナは軽々と身を捻ってクロエの拳を躱わすと、膝蹴りをクロエの鳩尾に捩じ込んだ。
「ふグゥッ!?」
ユナの膝が魔力の外骨格を突き破り、クロエの鳩尾にメキメキとめり込む。
胃の中身を全て出したクロエは、そのまま地面に崩れ落ちた。
しかし、ユナは倒れる事すら許さないと言わんばかりに、左手でクロエの髪の毛を鷲掴むと、無理矢理引き起こして、拳の連打を繰り出した。
「嫌!ガハッ!?も、もうヴッ!や、やめて!ふグゥッ!?」
脇腹、顔面、胸、腕や足と、ユナは無言で容赦無くクロエをボコボコに殴り続ける。
終わりの見え無い理不尽な暴力は、クロエの心を折るには十分過ぎた。
「ご、ごめんなひゃい!許して下ひゃい!もう、生意気な口は利きまへん」
青痣だらけになったクロエは、地面に両膝を着けて、懇願する様に謝罪していた。
口の中があちこち切れて腫れており、呂律が上手く回らない。
「アンタ、クロエとか言ったっけ?」
ユナは、クロエの髪の毛を鷲掴み、無理矢理顔を上げさせる。
「痛ッ!ひゃ、ひゃい、そうです!」
貴族令嬢にとって髪の毛は命と同じくらい大事なものであり、乱暴に引っ張られて怒りが込み上げるが、ユナに睨まれた瞬間、恐怖で萎縮してしまう。
「ん? アンタの顔、どっかで見た事がある様な・・・アッ!第一王子に婚約破棄された悪女じゃん!」
ユナは、新聞で見たクロエの写真を思い出して、驚いた後に満面の笑みを浮かべた。
正体を知られたクロエは、気まずそうに俯いた。
「お前、今日からウチのペットな!」
「は、はい?」
想定外のユナの命令に、クロエは困惑した表情を浮かべる。
「アッ?文句あるの?」
「ヒィッ!?あ、ありません!私はユナ様のペットです!何でもするので、殴らないで下さい!」
ユナが拳を振り上げた瞬間、クロエは恐怖で体を強張らせる。
既に心を折られたクロエは、即座に服従を誓ってしまった。
クロエのプライドはズタズタに引き裂かれ、打ち砕かれており、怯えた小動物の様にユナの顔色を伺っていた。
「よし!これからはウチの命令には絶対服従だからな!」
「・・・はい」
クロエは、頷きながらも、今直ぐこの街から逃げ出す事を考えていた。
「逆らったり、逃げ出したら・・・どうなるか、分かっているよね?」
「ヒャウッ!?」
ユナは、舌を出して、クロエの首筋をぺろっと舐め上げた。
生暖かい舌の感触が伝わり、背筋にゾクゾクと悪寒が走る。
「あとさ・・・ウチ、獣人じゃなくて、ウェアウルフだから・・・人間の柔らかい肉も大好物なんだよね」
「・・・アッ!?」
ユナはまるで味見でもするかの様に、クロエの首筋に噛み付いた。
甘噛みなので、そこまで痛くは無いが、肉の味を確かめる様に何度もアムアムと噛まれ、舐められて、唾液が首から胸に垂れ落ちる。
しかし、クロエは怖くて逆らう事も出来ず、首を食い千切られない様に祈りながら身体を捧げる事しか出来ない。
ウェアウルフは、獣人とは違い亜人種では無く、魔物の一種だ。
人喰いの化け物であり、その性質は悪だ。
獣人より遙かに濃い魔狼の血を持ち、高い身体能力だけで無く、どんな傷も瞬時に治ってしまう回復力や風を操る魔力を持っていると言われている。
その実力は伝説に出てくるヴァンパイアと同格とされており、冒険者ギルドの討伐難易度は、Aランクだ。
つまり、最初からクロエに勝ち目は無かったのだ。
「やっぱり、貴族令嬢の肉は柔らかくて甘いわね・・・これからは、毎晩味わってあげる」
「ングッ!?」
ユナは恍惚とした表情でクロエの唇を奪った。
唇を甘噛みされ、舌を入れられ、口内の傷口を舐め取られ、血と唾液を吸い取られる。
仲間選びに失敗したクロエは、涙目で後悔していた。
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