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6話 悪魔の騎士
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試験の翌日、ジン・クロードは冒険者ギルドに来ていた。
いつもの様に掲示板を眺めていると背後から近づいて来る気配がした。
神眼の効果で今まで以上に周囲の状況がよく見える。
「おはようございます!」
声を掛けて来たのはギルド職員のナーベだ。
「おはようございます」
いつもの笑顔で迎えてくれるナーベを見てジンは笑顔で挨拶を返した。
「昨日の入学試験はどうでしたか?」
「何とか無事に合格出来ました」
「そっか、おめでとうございます!じゃあ4月からはついに騎士学園の生徒ですね!」
正確には黒騎士学園の生徒となるのだが、敢えて説明はしない。
「はい!取り敢えず入学式まで1ヶ月程あるので、今のうちにガンガン依頼を受けようと思って」
新たに手に入れた悪魔の騎士と神眼を使い熟す為には訓練が必要だ。
そして、訓練には冒険者の仕事が最適だった。
何より、悪魔の騎士を強化する為には魔石が必要だ。
昨日は家に保管していた魔石を全て悪魔の騎士に与えたので、それなりにパワーアップはしているが、強さならいくらあっても困る事はない。
入学式までに出来る限り強くならなければ。
「頼もしいですね!でも、あんまり無理はしないでくださいね?」
ナーベは上目遣いで心配そうにジンを見つめる。
「はい、気をつけます。取り敢えずこの依頼を受けようと思うので受注処理をお願いして良いですか?」
ジンが手渡したのはグレイウルフの討伐依頼書だ。
「グレイウルフ10体の討伐ですか?依頼難易度はDランクなので、問題は無いですね!」
今は自分の新しい力を試して見る段階なので、先ずは簡単な依頼から受けるのは鉄則だ。
ジンはいつもの装備でグレイウルフの生息地である魔の森へと向かった。
魔の森の中は鬱蒼としており、基本的に獣道を進まなければいけない。
しかも、草木や蔓が生い茂っており視界は悪い。
だが、今のジンには神眼がある。
「先ずは神眼の力を試して見るか」
神眼は半径100m以内のモノなら目の前にあるかの様に鮮明に見る事ができる上に障害物は透視する事も可能だ。
索敵にはもってこいの能力だった。
「お、グレイウルフみっけ!」
ジンは北の方向に3体のグレイウルフを発見した。
「出てこい」
ジンが命令すると、ジンの身体から黒いオーラが溢れ出て悪魔の騎士が現れた。
保管していた魔石を全部与えたからか黒いオーラは昨日の倍近くに増えた気がする。
「我が主人よ、何なりと御命令下さい」
漆黒の鎧を纏う騎士は昨日と同じ様に膝を着いて頭を垂れた。
「お前の実力が知りたい。あっちにいるグレイウルフを3体狩ってこい」
「御意」
悪魔の騎士は背中の両手剣を抜くと、一気にグレイウルフの群れへと走り出した。
「ガルルル!?」
突如現れた漆黒の騎士にグレイウルフが驚愕する。
一瞬にして距離を詰めた悪魔の騎士は手前にいたグレイウルフの胴体を一撃で両断した。
「ガルアアア!!」
もう1匹のグレイウルフが悪魔の騎士へと飛び掛かり、更にもう1匹が足に噛みつこうとした。
しかし、一刀のもとにグレイウルフを縦に両断した。
足に噛み付いたグレイウルフは、牙が鎧を貫く事が出来ず、悪魔の騎士にはダメージが無い。
ザシュッと首を刎ねられて最後のグレイウルフも死んだ。
「Eランク程度の魔物なら相手にならないか」
グレイウルフは群れになると危険度がDランクに上がるが、単体の戦闘力としては然程高くない。
「力を測るにしても敵が弱過ぎるとダメだな、取り敢えずこの辺りにいる魔物を全て倒してこい」
ジンの命令を受けた悪魔の騎士は、そのまま森の奥へと消えて行った。
ジンは後ろから離れて着いていき、神眼でその動きを観察する。
~1時間後~
「・・・すげぇな」
ジンの目の前には大量の死体の山が出来上がっていた。
丁寧に倒した魔物を運んで山積みにした悪魔の騎士は隣で膝を着いている。
死体はグレイウルフだけでは無く、DやCランクの魔物も含まれている。
・F:ホーンラビット×20
・E:グレイウルフ×30
・E:フォレストディア×40
・D:ファイアベア×2
・D:キラーベア×1
・C:ブラッティエント×1
流石に悪魔の騎士の鎧も傷が複数有り、ダメージを負っているが、まだ戦えるレベルだ。
「修復」
ジンが右手を翳すと、黒いオーラが悪魔の騎士に纏わりつき、一瞬にして傷を修復してしまった。
「なるほど、魔力が続く限り何度でも復活可能か・・・倒した魔物の魔石を喰らえ、ただしグレイウルフの魔石は10個だけ残しておけよ」
グレイウルフの魔石は討伐達成の証明の為に納品する義務があるので、悪魔に食べさせるわけにはいかないが、残る80個以上の魔石を喰わせればそれなりにパワーアップするだろう。
「御意」
悪魔の騎士は片っ端から魔石を取り出して喰らって行く。
魔石の力を吸収し、悪魔の力が上がって行くのを感じる。
「さて、次に移るか」
ジンは更に全身から黒いオーラを出して身に纏った。
「換装」
次の瞬間、ジン・クロードの身体が闇に包まれ、漆黒の騎士へと変身していた。
いつもの様に掲示板を眺めていると背後から近づいて来る気配がした。
神眼の効果で今まで以上に周囲の状況がよく見える。
「おはようございます!」
声を掛けて来たのはギルド職員のナーベだ。
「おはようございます」
いつもの笑顔で迎えてくれるナーベを見てジンは笑顔で挨拶を返した。
「昨日の入学試験はどうでしたか?」
「何とか無事に合格出来ました」
「そっか、おめでとうございます!じゃあ4月からはついに騎士学園の生徒ですね!」
正確には黒騎士学園の生徒となるのだが、敢えて説明はしない。
「はい!取り敢えず入学式まで1ヶ月程あるので、今のうちにガンガン依頼を受けようと思って」
新たに手に入れた悪魔の騎士と神眼を使い熟す為には訓練が必要だ。
そして、訓練には冒険者の仕事が最適だった。
何より、悪魔の騎士を強化する為には魔石が必要だ。
昨日は家に保管していた魔石を全て悪魔の騎士に与えたので、それなりにパワーアップはしているが、強さならいくらあっても困る事はない。
入学式までに出来る限り強くならなければ。
「頼もしいですね!でも、あんまり無理はしないでくださいね?」
ナーベは上目遣いで心配そうにジンを見つめる。
「はい、気をつけます。取り敢えずこの依頼を受けようと思うので受注処理をお願いして良いですか?」
ジンが手渡したのはグレイウルフの討伐依頼書だ。
「グレイウルフ10体の討伐ですか?依頼難易度はDランクなので、問題は無いですね!」
今は自分の新しい力を試して見る段階なので、先ずは簡単な依頼から受けるのは鉄則だ。
ジンはいつもの装備でグレイウルフの生息地である魔の森へと向かった。
魔の森の中は鬱蒼としており、基本的に獣道を進まなければいけない。
しかも、草木や蔓が生い茂っており視界は悪い。
だが、今のジンには神眼がある。
「先ずは神眼の力を試して見るか」
神眼は半径100m以内のモノなら目の前にあるかの様に鮮明に見る事ができる上に障害物は透視する事も可能だ。
索敵にはもってこいの能力だった。
「お、グレイウルフみっけ!」
ジンは北の方向に3体のグレイウルフを発見した。
「出てこい」
ジンが命令すると、ジンの身体から黒いオーラが溢れ出て悪魔の騎士が現れた。
保管していた魔石を全部与えたからか黒いオーラは昨日の倍近くに増えた気がする。
「我が主人よ、何なりと御命令下さい」
漆黒の鎧を纏う騎士は昨日と同じ様に膝を着いて頭を垂れた。
「お前の実力が知りたい。あっちにいるグレイウルフを3体狩ってこい」
「御意」
悪魔の騎士は背中の両手剣を抜くと、一気にグレイウルフの群れへと走り出した。
「ガルルル!?」
突如現れた漆黒の騎士にグレイウルフが驚愕する。
一瞬にして距離を詰めた悪魔の騎士は手前にいたグレイウルフの胴体を一撃で両断した。
「ガルアアア!!」
もう1匹のグレイウルフが悪魔の騎士へと飛び掛かり、更にもう1匹が足に噛みつこうとした。
しかし、一刀のもとにグレイウルフを縦に両断した。
足に噛み付いたグレイウルフは、牙が鎧を貫く事が出来ず、悪魔の騎士にはダメージが無い。
ザシュッと首を刎ねられて最後のグレイウルフも死んだ。
「Eランク程度の魔物なら相手にならないか」
グレイウルフは群れになると危険度がDランクに上がるが、単体の戦闘力としては然程高くない。
「力を測るにしても敵が弱過ぎるとダメだな、取り敢えずこの辺りにいる魔物を全て倒してこい」
ジンの命令を受けた悪魔の騎士は、そのまま森の奥へと消えて行った。
ジンは後ろから離れて着いていき、神眼でその動きを観察する。
~1時間後~
「・・・すげぇな」
ジンの目の前には大量の死体の山が出来上がっていた。
丁寧に倒した魔物を運んで山積みにした悪魔の騎士は隣で膝を着いている。
死体はグレイウルフだけでは無く、DやCランクの魔物も含まれている。
・F:ホーンラビット×20
・E:グレイウルフ×30
・E:フォレストディア×40
・D:ファイアベア×2
・D:キラーベア×1
・C:ブラッティエント×1
流石に悪魔の騎士の鎧も傷が複数有り、ダメージを負っているが、まだ戦えるレベルだ。
「修復」
ジンが右手を翳すと、黒いオーラが悪魔の騎士に纏わりつき、一瞬にして傷を修復してしまった。
「なるほど、魔力が続く限り何度でも復活可能か・・・倒した魔物の魔石を喰らえ、ただしグレイウルフの魔石は10個だけ残しておけよ」
グレイウルフの魔石は討伐達成の証明の為に納品する義務があるので、悪魔に食べさせるわけにはいかないが、残る80個以上の魔石を喰わせればそれなりにパワーアップするだろう。
「御意」
悪魔の騎士は片っ端から魔石を取り出して喰らって行く。
魔石の力を吸収し、悪魔の力が上がって行くのを感じる。
「さて、次に移るか」
ジンは更に全身から黒いオーラを出して身に纏った。
「換装」
次の瞬間、ジン・クロードの身体が闇に包まれ、漆黒の騎士へと変身していた。
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