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第6話
しおりを挟む第6話:見えざる試練、二重の災難
クロエ・ハートフィリアは、駅のトイレの個室に駆け込み、背中をドアに預けると、大きく息を吐いた。
「はぁ……はぁ……っ!!」
全裸で不可視化したまま魔導列車に乗り、満員の人混みに揉まれ、さらにはカンチョーまでされた。
まさかこんな屈辱を味わうことになるなんて、想像すらしていなかった。
「……っ」
息を整えようとしたが、どうしても意識が逸れてしまう。
──お尻に残る違和感。
さっき突き刺さった時の衝撃が、まるで電流のように尾を引いていた。
ズキズキとした感覚が残り、ムズムズと痺れるような違和感が残っている。
「……んっ……」
思わず手を後ろに回し、そっと撫でる。
何かが残っているわけではないのに、まだ指がそこにあるような錯覚がする。
違和感を払拭しようと指を押し当てるが、触れるたびに妙な感覚が背筋を駆け抜ける。
──何なの、この感じ……!?
羞恥のあまり顔が火照る。
だが、ここで立ち止まるわけにはいかない。
クロエは、わざと深呼吸をして心を落ち着けた。
さっきのことは忘れる。
意識を逸らして、次の行動を考える。
──もう一度、魔導列車に乗らなければならない。
躊躇う時間はない。
ここで怖気づいていては、目的地にたどり着くことすらできない。
「……行くしかない。」
自分に言い聞かせるように呟くと、クロエは不可視化を維持したまま、トイレを後にし、再び魔導列車へと向かった。
しかし、再び、満員電車に遭遇することになる。
「……また?」
列車の入り口から見えるのは、びっしりと埋め尽くされた車両。
座るどころか、立っている乗客ですら身動きが取れないほどだった。
──また、この地獄を耐えなければならないの?
それでも進むしかない。
クロエは慎重に車両に入り、端の方へ移動する。
──密着しすぎると、また何かに触れられるかもしれない。
だから、人の流れから少しでも距離を取れる場所を探した。
そして、端にあった手すりのポールのそばに立つことにした。
「ここなら、人に埋もれずに済む……」
少し安心しかけた、その時だった。
ガタン!!
列車が揺れた。
その瞬間、人々の波がクロエに押し寄せる。
「っ……!!」
次の瞬間、クロエの体はポールに向かって押し潰され──
股間が、ポールに押し付けられる形になった。
──ヤバい!!
全裸の状態で、冷たい金属の感触がダイレクトに伝わってくる。
最悪のポジションだった。
前から押される形でポールに密着し、揺れるたびにわずかに擦れる。
──これは耐えられない!!
しかし、身動きが取れない。
列車の揺れと、乗客の圧力によって、完全に固定されてしまった。
何とか姿勢を変えようとしたが、押し寄せる人の波がそれを許さない。
「っ……!!」
羞恥と絶望に押し潰されそうになる。
早く駅に着いてほしい、そう願うしかなかった。
だが──その悪夢は、さらに悪化する。
「ん? なんか後ろに……」
──後ろから、何かが突き刺さった。
カンッ。
「っ……!!」
──ま、またカンチョー!?!?
「うわっ、なんか変なとこ刺さったぞ……」
「え? 何かあった?」
──ダメ、またあの感覚が……!!
股間がポールに押し付けられたまま、後ろから誰かの傘の先端がカンチョーのように当たる。
ただでさえ敏感になっていたお尻に、再び衝撃が走る。
「っ、く……!!」
クロエは、耐えるしかなかった。
ここで声を出したら、不可視化が解けてしまう。
周囲の人々に、自分の存在がバレてしまう。
でも、耐えるにはあまりにも過酷な姿勢だった。
──前からはポール。
──後ろからは傘の先。
挟まれる形で動けず、羞恥と刺激に翻弄される。
このまま目的地まで耐えなければならないの……!?
心の中で叫ぶ。
しかし、それすら口にすることは許されない。
耐えろ、耐えろ、耐えろ……!!
クロエは、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
ついに目的地の駅が近づいてきた。
「次は、終点です。」
──ようやく、終わる……!!
クロエは、心の中で安堵した。
だが、最後の試練はまだ残っていた。
──降りるタイミングで、また人の波に押し流される可能性がある。
慎重に動かなければ、また最悪の事態が起こるかもしれない。
それだけは、絶対に避けなければならない……!!
この地獄の終わりは、もうすぐそこだった。
次回予告
ついに駅に到着! しかし、最後の下車の瞬間、クロエは最大の試練に直面する!?
次回、「見えざる最後の関門、降りる瞬間の罠!」
クロエ・ハートフィリアは、駅のトイレの個室に駆け込み、背中をドアに預けると、大きく息を吐いた。
「はぁ……はぁ……っ!!」
全裸で不可視化したまま魔導列車に乗り、満員の人混みに揉まれ、さらにはカンチョーまでされた。
まさかこんな屈辱を味わうことになるなんて、想像すらしていなかった。
「……っ」
息を整えようとしたが、どうしても意識が逸れてしまう。
──お尻に残る違和感。
さっき突き刺さった時の衝撃が、まるで電流のように尾を引いていた。
ズキズキとした感覚が残り、ムズムズと痺れるような違和感が残っている。
「……んっ……」
思わず手を後ろに回し、そっと撫でる。
何かが残っているわけではないのに、まだ指がそこにあるような錯覚がする。
違和感を払拭しようと指を押し当てるが、触れるたびに妙な感覚が背筋を駆け抜ける。
──何なの、この感じ……!?
羞恥のあまり顔が火照る。
だが、ここで立ち止まるわけにはいかない。
クロエは、わざと深呼吸をして心を落ち着けた。
さっきのことは忘れる。
意識を逸らして、次の行動を考える。
──もう一度、魔導列車に乗らなければならない。
躊躇う時間はない。
ここで怖気づいていては、目的地にたどり着くことすらできない。
「……行くしかない。」
自分に言い聞かせるように呟くと、クロエは不可視化を維持したまま、トイレを後にし、再び魔導列車へと向かった。
しかし、再び、満員電車に遭遇することになる。
「……また?」
列車の入り口から見えるのは、びっしりと埋め尽くされた車両。
座るどころか、立っている乗客ですら身動きが取れないほどだった。
──また、この地獄を耐えなければならないの?
それでも進むしかない。
クロエは慎重に車両に入り、端の方へ移動する。
──密着しすぎると、また何かに触れられるかもしれない。
だから、人の流れから少しでも距離を取れる場所を探した。
そして、端にあった手すりのポールのそばに立つことにした。
「ここなら、人に埋もれずに済む……」
少し安心しかけた、その時だった。
ガタン!!
列車が揺れた。
その瞬間、人々の波がクロエに押し寄せる。
「っ……!!」
次の瞬間、クロエの体はポールに向かって押し潰され──
股間が、ポールに押し付けられる形になった。
──ヤバい!!
全裸の状態で、冷たい金属の感触がダイレクトに伝わってくる。
最悪のポジションだった。
前から押される形でポールに密着し、揺れるたびにわずかに擦れる。
──これは耐えられない!!
しかし、身動きが取れない。
列車の揺れと、乗客の圧力によって、完全に固定されてしまった。
何とか姿勢を変えようとしたが、押し寄せる人の波がそれを許さない。
「っ……!!」
羞恥と絶望に押し潰されそうになる。
早く駅に着いてほしい、そう願うしかなかった。
だが──その悪夢は、さらに悪化する。
「ん? なんか後ろに……」
──後ろから、何かが突き刺さった。
カンッ。
「っ……!!」
──ま、またカンチョー!?!?
「うわっ、なんか変なとこ刺さったぞ……」
「え? 何かあった?」
──ダメ、またあの感覚が……!!
股間がポールに押し付けられたまま、後ろから誰かの傘の先端がカンチョーのように当たる。
ただでさえ敏感になっていたお尻に、再び衝撃が走る。
「っ、く……!!」
クロエは、耐えるしかなかった。
ここで声を出したら、不可視化が解けてしまう。
周囲の人々に、自分の存在がバレてしまう。
でも、耐えるにはあまりにも過酷な姿勢だった。
──前からはポール。
──後ろからは傘の先。
挟まれる形で動けず、羞恥と刺激に翻弄される。
このまま目的地まで耐えなければならないの……!?
心の中で叫ぶ。
しかし、それすら口にすることは許されない。
耐えろ、耐えろ、耐えろ……!!
クロエは、歯を食いしばって耐えるしかなかった。
ついに目的地の駅が近づいてきた。
「次は、終点です。」
──ようやく、終わる……!!
クロエは、心の中で安堵した。
だが、最後の試練はまだ残っていた。
──降りるタイミングで、また人の波に押し流される可能性がある。
慎重に動かなければ、また最悪の事態が起こるかもしれない。
それだけは、絶対に避けなければならない……!!
この地獄の終わりは、もうすぐそこだった。
次回予告
ついに駅に到着! しかし、最後の下車の瞬間、クロエは最大の試練に直面する!?
次回、「見えざる最後の関門、降りる瞬間の罠!」
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