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6 ドン引き
しおりを挟むチョコちゃんから送られてきた画像は衝撃スパイクだ。可愛い水色ヘアの碧眼少女がウインクしているのと、唇だけのやつ。
(れずびあんのテストその一。其の唇は波流君のだよ。波流君の画像にちゅーしてね)
まさか、そうくるとは……
思い悩んでいたら、次のメールがきた。画像だ。画像は化粧した僕が微笑んでいるやつ。さっきの唇画像の唇の形と色が同じだ。
僕に……
僕が僕にちゅー……
してみる……
先ずはスマホを拭いて……
何だか其れだけでは安心できないからマスクをして……
母さんが手作りしてくれたチェック柄のマスクだけど、此れが市販品より高性能な気がする。分厚いからかな。中にキッチンペーパーが入る仕組みだ。
で、ちゅー……
ううん。変な感じだ。
(チョコちゃん、僕には其れはまだ早いかも。何だか落ち着かないよ)
(画像だから気にしなければ良いさ。此れならコマルナにならないし)
次の画像がきた。
チョコちゃんが鏡に頬を寄せ合って双子みたいに写っている。
次の画像は、花柄のマスクをしたチョコちゃんが鏡にちゅーしている。
(独り濃厚接触。独りれずびあん。独りごっこ遊び)
(僕にも同じことを要求しているわけ)
(無理しなくて良いよ。だって、詐欺メイクしてないときはれずびあん気分はがた落ちさ)
(そうだね。今はがた落ち気分)
(でしょー。でも、波流君がお母さんの化粧品使ったら、波流君専属メイクアップアーティストのチョコがメイクしに行く楽しみがなくなる)
(自分ではやらないよ。技術がない)
(ふふ、今はね。そのうち自分でもメイクするさ。だって、チョコが一生専属でいられるわけないさ)
(えっと、そうだね。今の時点で一生とかは考えられない)
(ね。私たち、今はまだ子供だから将来は長いさ。先ずはコマルナに負けないように生き延びて、また会おうね。チョコはもう波流君の唇画像にちゅーしたよ)
チョコちゃん、其れはドン引き。
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