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27)プレゼントの生き血を啜る

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ノエビアの新しい恋人は昼休みにもやって来て、口を付けられていない篭を新しい篭と取り替えると、リネンのシーツをノエビアの冷たい身体に掛けて「夕べは冷え冷えで気持ち良かったよ」と頭を撫でた。

ノエビアは薄い意識の奥でその手を噛って生き血を啜りたい衝動に駆られたが、優しく撫でられてじっと狸寝入りを決めたのだった。

兵士が替えた篭が動く。キーキーと小さな鳴き声が聞こえて「お前の好物だろう。獲って来たんだ。ゆっくり味わうと良い。夜は一緒に狩りに行こう」

兵士が立ち去ってから篭を見ると、首を篭に括られた上半身メガネ猿のような大きめのナメクジがいた。

「うわあ、嬉しい」

ノエビアは涙を流しながら獲物の首筋に噛みつく。

シェルリナ、見てごらん
僕は美味しい獲物を貰ったよ
君は相変わらず
死体にかぶりついているのかい
夜は狩りに行くんだ
一緒に連れていって貰えるんだよ
素敵な恋人だろう
とても優しいんだ
君にも獲物を獲ってきてあげるよ
ああ、旨い
こんなに旨いなんて
生き血最高っ


ノエビアがマヌゲラの生き血を啜っていたときに、既に着替えて美しく装ったシェルリナは、やはり洞穴の天井にしがみついて目を覚ました。

夜中、新鮮な血をたらふく啜ったお陰で最強の戦士のように闘志がみなぎる。

これなら、ドラクロエ様の
悪霊退治のお手伝いも
できそうな気がするわ
それにしても、ノエビア
帰ってこないわね
男同士って
そんなに良いの……
もしも
吸血鬼だとバレたらどうするの

もしかしてバレちゃった
だから、帰ってこれないの
ノエビア……死んじゃったの
吸血鬼の癖に死ぬなんて
やっぱりバカよね

一匹の狼がやって来た。

「シェルリナ様、ドラクロエ伯爵から、直ぐに水車小屋に来られたしとの伝言です」

「水車小屋……あの、狼さん。吸血鬼って、日光に当たると死んでしまうのよね」

「シェルリナ様、マントをお持ちでないのですか」

「いえ、持っては来たのですが、寒くはないので、屋形馬車の中に置いて来ました」

「では、私のマントをお使いください」

狼は立ち上がると美形の男に変身した。女でなくても一目で恋に落ちそうな見目麗しい男だ。シェルリナも、心がときめく。

「あ、有り難う、狼さん」

「いいえ、吸血鬼様の為なら狼一族は命懸けで従います。では、ご一緒に参りましょう」

狼男に抱き締められてシェルリナは気を失いそうになったが、気がつくと狼に跨がって風のように日光の下を走っている。マントを頭から被ったことと、鍾乳洞の湿気をびっしょり吸い込んだドレスで守られて、シェルリナは五秒で水車小屋に着いた。

水車小屋の中は夏でもひんやりする。狼男にマントを返してシェルリナは別れるのが寂しくなった。

「私はここで何をすれば良いの」

「吸血鬼様にしかできないことをなさるのだそうです。我ら狼一族も応援致しております」

手を両手でがっしりと握りしめられた。

「狼さん。お名前を教えて……」

「ラルポアと申します。吸血鬼様に名前を聞かれるのは光栄です。美しいシェルリナ様……」

狼男ラルポアは頬を染めてシェルリナを見つめた。シェルリナは横向きになって何とか自信のある胸でハグしたいのに上手くいかない。ラルポアは恐る恐るシェルリナを抱き締めた。

「ああ、シェルリナ様……何て素晴らしい方……」

背中から抱き締められたシェルリナの顔はラルポアに向いている。小鳥のようなキスから始まり後ろについた胸を揉みしだかれて脱がされている。狼男は手が早い。

「狼一族のセックスでは、このように顔と顔が向き合うことが無いもので……」

首を咬まれて挿入された。

♥️❣️♥️❣️♥️❣️♥️❣️♥️❣️♥️❣️♥️❣️♥️❣️
『マヌゲラ』

『狼男の横顔』

『シェルリナ』

ジェットマンズマニさんの
  友情投稿イラストに
 私がスマホ機能で着色しました♥️v♥️

皆様、いつもご愛読有り難うございます🎵

小説は、そろそろ終盤に入って参りました。
今後の展開を、お楽しみくださいね。

          藤森馨髏



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