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38 ソレを教えろ
しおりを挟む「あのな、メガンサ。メガンサも知らないだろうから教えてやるが、オシッコする処の近くにライラのものを入れる場所があるんだ」
子供に教えるように言う。
何の知識もなくていきなり経験したら、メガンサは驚くに違いない。河南は自分に言い訳した。
「ライラのものを入れる場所……そんな処はない」
メガンサは鱸膠もない。
「入れられなかったか」
つ、と流し目を無双窓に寄越す。
「ないのだから入れられない」
「無いのか……わははは」
どうやら最後の一線はまだ越えてはいないようだ。
「笑うな。大事なことのようだ。何故私にはないのだ」
メガンサの手が河南の着物の袖を振った。
「メガンサ、焦るな。ライラに任せておけ。ライラがどうにかする」
「本当か」
「本当だ」
「河南は相手もいないのに何故知っている」
メガンサは無双窓の隙間に顔の半分を押し付けて河南を見上げた。
「イキガは先輩から習うんだ」
河南は空を見上げて嘯く。
そんなことは習わなくても男は動物と同じで、身体が求める先に目的の場所があることを嗅ぐ。
「教え合うのか」
「誰彼と無しにこんな話をするんじゃないぞ。人間は勘違いしやすいんだ。お前に乗っても良いと思われたら後が大変だぞ」
「私はライラだけだ」
「だから、他の奴には話すな。乗ったとか擦ったとか……入れる場所が無いとか」
言いながら吹き出しそうになる。
「処で、河南。あの……聞きにくいけどさ……あの……ライラのものって何……」
「うん……そうだな……ライラのものか」
「ライラのものを入れる場所が無かったら、ライラは他の人に入れるのか……何を入れるのだ」
「ううん、俺もよくはわからん」
もうダメだ、吹き出す……と河南は鼻の頭を押さえて口を食い縛る。
「教えろ。河南の勿体ぶり」
「教えられないなぁ。俺様も知らないんだ」
女の身体のことは知らない。
鉈にしか興味がない。
「教えろ」
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