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31) 念じる
しおりを挟む「無理とか言わないで。今は緊急事態だ。あれを見て。人々が死んでいく」
あっ、あああぁぁぁ
酷いっ
緑色は蠢いているのに
生きているのに
光の矢に射ぬかれて
消されていく
止めて止めてやめて‥…
多くの人が死んでいく
地球は確かに
問題の多い星かもしれないけど
だからって
異星人から攻撃される謂れはない
クルダッタゲ
許せない
許さない
「あの虫のように見える緑色の発光体は人間だよ。君はエクストラなんだろう。だったら念じるんだ。チャンスは今しかない。人類救済を君の言葉で念じるんだ」
ネンジル……
「そうだ。手を貸して、エクストラ。二人の手を合わせよう」
璃人さんの手……
大きくて温かい……
不思議……
ここにいる私たちは
二人ともイメージの産物で
物質の身体ではないのに
温かいなんて……
脳ミソの描くイメージでも
温度を感じるのね
「クルダッタゲを殲滅させるために世界中の祈祷師が一丸となって念じているんだ。信念があればできる」
「うん、わかった。クルダッタゲを殲滅させる」
胸が熱い
何か膨らむ
身体を持たない私なのに
胸が熱いよ
合わせた手から黒いものが
うわっ、真っ黒
辺りが真っ暗闇になった
黒い光……
ブラックライトみたいな黒い光
これは緋芙美を撃退したときの……
あれって……
これだったの……
ワタシノヒカリ……
波動が広がる
ビームのように広がる
黒々とした闇が
波紋のように広がる
クルダッタゲの
黒胡麻軍団が見えにくい
それでも闇の範囲に捉えたっ
消滅しろ、クルダッタゲ
地球から去れっ
黒胡麻が揺れる
胡麻粒めっ、旋回しろっ
風に吹かれる籾殻のように
散り散りになれっ
互いにぶつかり合え
爆撃し合え、燃えろっ
あははは
激突して木っ端微塵になったよ
ぶつかり合って
火を吹いているのもある
は……あぁ……
恐ろしい……
暗闇に胡麻粒の
衝突して吹き上げる黒い煙が
なんだか気持ち悪い
もう駄目……
何処まで広がったのか
わからないけれど
私の黒い光は
もう続きそうもない
エネルギー持たない
璃人さん……
エネルギーがほしい
神様……
「エクストラ、あれを見て。あそこに君がやるべきことが示されている」
璃人さん……
見えるのは白い雲と……
空中に浮かぶ大きなスマホ
大きなスマホのキーパッド
幻影か……
動くのかな……
あのキーパッドに
打ち込む力があれば……
下書きのままでもいい
続きを書きたい
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