17 / 169
ラジトバウム編
2話 精霊の古都ラジトバウム
しおりを挟む
目をさますと、みしらない部屋の中にいた。
節々が痛むカラダをベッドからおこし、あたりをみまわす。
「ここは……」
おそらく民家だろうか。部屋にはタンスやカーペットがある。壁に飾られた額縁には、ハニワに似た絵がかざってあった。
床に置いてあった水桶の水に、自分の顔がうつる。頭に包帯がまかれていた。
これが、俺?
「おお。起きたか」
ドアが開き、そこから出てきた白ひげの老人がそう言った。あまり見慣れない、ゆったりとした民族衣装のようなものを着ている。
「お前さん、北にある雪村のほうからやってきたみたいじゃったぞ。山のふもとで、ボロボロの姿で倒れてたところを、さる冒険士のお方が見つけたんじゃ」
老人が窓をゆびさす。
部屋の窓の外に目をやると、下には高層ビルなどはなく平坦な街が広がっていた。遠くに雪山も見える。
それだけなら俺の地元ととも別に変わらないのだが、建物のどれもが妙にボロいというか、古い西洋風だという印象をうける。
こんな街は俺のいたところにはなかったはずだ。ここは、どこだ?
それより、おかしいな。記憶に混濁がある。
ここに来る前の自分の姿がよく思い出せない。無職だったような気もするし、歳ももっとオッサンだったような気もする……。
さっき水桶にうつった自分は、20歳かそこらの青年だった。だが本当にそれが俺なのか、確信がもてない。
俺はここまでの記憶を思い出そうと頭の包帯をさわる。
カードショップに行って、そこでおかしなカードを見つけて、それで……
やっぱりあれは現実だったのか……?
混乱する俺を、老人は心配そうに見つめている。
「手当てしていただいで、ありがとうございます」
「お礼はあのコに言ってやってくれ」
あけっぱなしになっていた部屋のドアの陰に、小さな女の子がかくれていた。じっとこちらを見ている。
可愛らしい光景に心が和む。まだ10歳とかそのくらいの年齢だろう。
こちらを警戒しているのか恥ずかしがっているのか、それ以上近づいてはこない。
「わしの孫でな。医学の才能がある有望なコなんじゃ」
医学、というのは医療の勉学ということか。
「ありがとう」
お礼を言うと、女の子はしゅっとひっこんでしまい姿が見えなくなった。
「わしはジェルという。このラジトバウムの、いちおう町長をやっとるんじゃ。困ったことがあったらなんでもいいなさい」
「はい。恐縮です」
でもよかった。この人はいい人みたいだ。
「それで、なにがあったのかね?」
老人の問いに俺はすぐには答えられなかった。
「異世界から来たってことはおぼえてるんですけどね……」
「は?」
面食らったかのように町長さんは『何言ってんだこいつは?』と言う表情でこちらを見る。
「そ、相当強く頭を打ったみたいじゃな」
すると突然、町長さんが心臓を抑えて苦しそうにしはじめた。
「うっ、ぐっ……」
咳き込む町長さんに俺はあわてる。ヘンなことを言ってしまったせいで驚かせてしまったのだろうか。
「ああ……心配いらん。ところで、お前さんも天変地異の生き残りかい?」
俺がなんとも言えずに黙っていると、フムと言って町長さんは部屋にある棚に向かう。
ハニワに似た像の前で止まると、
「精霊、イール像」
とつぶやいた。
「これは代々我が家に伝わる家宝でのう。礼節を守る者にオドの祝福を授けてくださると言われておるんじゃ。さいきん天変地異があったことは知っておるかね?」
「天変地異? いや……」
「最近災害や超常現象があいついでな。たとえば火山が爆発したり、嵐がつづいたり……隕石が落ちてきたりしたんじゃ」
「隕石……」
「じゃが、ここラジトバウムはほとんど無傷と言っていいほど被害を受けずに済んだんじゃ」
俺は話を聞きながら、いつまでも座っているわけにもいかないのでベッドから立ち上がる。
「この像には悪を祓う力があるという。きっとわしらを守ってくれたんじゃ」
「そうなんですか」
「せっかくだからさわっておきなさい。なにかご加護があるかもしれん。特別じゃぞ」
「お言葉に甘えて」
棚に近づいてみる。いつの間にかさっきの女の子がまたドアに隠れてこちらの様子を伺っていた。
俺が像にさわった途端、ひびが入り、灰と化す。
「ええええ!?」
「ぞ、像がああああ?! 我が家の家宝がぁぁぁっ」
「あわわ……」
女の子まで顔を青くしている。ドッキリかなにかではないらしい。
「す、すみません! なんかさわり方がまずかったのかな!?」
「な、なんてことじゃ……ゾウに踏まれても壊れないといわれておるほど丈夫なはずのに」
「……像だけに……」
背後から女の子の声がボソボソと聞こえる。ギャグなのかもしれないが、俺にはそれを拾う余裕はなくただひたすら謝りつづけた。
「……も、申し訳ない……」
「いやあ君のせいじゃない。きっと天変地異のことで、加護の力を使い果たされたんじゃろう。形あるものはいつかは滅びる。家宝よりも、君の命が助かったことがなによりじゃよ。きっとイール像様もそういうじゃろう」
助けてまでもらったのに、なんだか申し訳ない気持ちになるな。
「しばらくはここに寝泊まりしていきなさい。行く当てもないのじゃろう?」
「助かります。だけど……あまりお世話になるわけにもいきません。もう体も動きますから」
「そうかの? もう少し休んだほうがいいと思うんじゃが……まあ街の人はみんな親切じゃし、困ることはそんなにないじゃろうが」
街を見て回ろう。話はそれからだ。
最悪の場合、生活の手段も確保しないとな。
ふとポケットに違和感を感じ、まさぐってみる。
「これは……」
なにかの装置だろうか。手のひらサイズの機械だった。
まさかこれは夢で、このボタンを押したら元の場所に戻れるとかそういうことじゃないだろうな。
しかし押し込み式のボタンを押しみても、なにも反応がない。壊れてるみたいだ。
「ほお、珍しい機械じゃな。もしやお主、メカニア科国から……?」
俺は首を横に振る。
この装置自体のことはなんとなく思い出し始めた。たしかテレポートできる魔法の道具。
でも、なんでこんなもの俺が持ってるんだ?
節々が痛むカラダをベッドからおこし、あたりをみまわす。
「ここは……」
おそらく民家だろうか。部屋にはタンスやカーペットがある。壁に飾られた額縁には、ハニワに似た絵がかざってあった。
床に置いてあった水桶の水に、自分の顔がうつる。頭に包帯がまかれていた。
これが、俺?
「おお。起きたか」
ドアが開き、そこから出てきた白ひげの老人がそう言った。あまり見慣れない、ゆったりとした民族衣装のようなものを着ている。
「お前さん、北にある雪村のほうからやってきたみたいじゃったぞ。山のふもとで、ボロボロの姿で倒れてたところを、さる冒険士のお方が見つけたんじゃ」
老人が窓をゆびさす。
部屋の窓の外に目をやると、下には高層ビルなどはなく平坦な街が広がっていた。遠くに雪山も見える。
それだけなら俺の地元ととも別に変わらないのだが、建物のどれもが妙にボロいというか、古い西洋風だという印象をうける。
こんな街は俺のいたところにはなかったはずだ。ここは、どこだ?
それより、おかしいな。記憶に混濁がある。
ここに来る前の自分の姿がよく思い出せない。無職だったような気もするし、歳ももっとオッサンだったような気もする……。
さっき水桶にうつった自分は、20歳かそこらの青年だった。だが本当にそれが俺なのか、確信がもてない。
俺はここまでの記憶を思い出そうと頭の包帯をさわる。
カードショップに行って、そこでおかしなカードを見つけて、それで……
やっぱりあれは現実だったのか……?
混乱する俺を、老人は心配そうに見つめている。
「手当てしていただいで、ありがとうございます」
「お礼はあのコに言ってやってくれ」
あけっぱなしになっていた部屋のドアの陰に、小さな女の子がかくれていた。じっとこちらを見ている。
可愛らしい光景に心が和む。まだ10歳とかそのくらいの年齢だろう。
こちらを警戒しているのか恥ずかしがっているのか、それ以上近づいてはこない。
「わしの孫でな。医学の才能がある有望なコなんじゃ」
医学、というのは医療の勉学ということか。
「ありがとう」
お礼を言うと、女の子はしゅっとひっこんでしまい姿が見えなくなった。
「わしはジェルという。このラジトバウムの、いちおう町長をやっとるんじゃ。困ったことがあったらなんでもいいなさい」
「はい。恐縮です」
でもよかった。この人はいい人みたいだ。
「それで、なにがあったのかね?」
老人の問いに俺はすぐには答えられなかった。
「異世界から来たってことはおぼえてるんですけどね……」
「は?」
面食らったかのように町長さんは『何言ってんだこいつは?』と言う表情でこちらを見る。
「そ、相当強く頭を打ったみたいじゃな」
すると突然、町長さんが心臓を抑えて苦しそうにしはじめた。
「うっ、ぐっ……」
咳き込む町長さんに俺はあわてる。ヘンなことを言ってしまったせいで驚かせてしまったのだろうか。
「ああ……心配いらん。ところで、お前さんも天変地異の生き残りかい?」
俺がなんとも言えずに黙っていると、フムと言って町長さんは部屋にある棚に向かう。
ハニワに似た像の前で止まると、
「精霊、イール像」
とつぶやいた。
「これは代々我が家に伝わる家宝でのう。礼節を守る者にオドの祝福を授けてくださると言われておるんじゃ。さいきん天変地異があったことは知っておるかね?」
「天変地異? いや……」
「最近災害や超常現象があいついでな。たとえば火山が爆発したり、嵐がつづいたり……隕石が落ちてきたりしたんじゃ」
「隕石……」
「じゃが、ここラジトバウムはほとんど無傷と言っていいほど被害を受けずに済んだんじゃ」
俺は話を聞きながら、いつまでも座っているわけにもいかないのでベッドから立ち上がる。
「この像には悪を祓う力があるという。きっとわしらを守ってくれたんじゃ」
「そうなんですか」
「せっかくだからさわっておきなさい。なにかご加護があるかもしれん。特別じゃぞ」
「お言葉に甘えて」
棚に近づいてみる。いつの間にかさっきの女の子がまたドアに隠れてこちらの様子を伺っていた。
俺が像にさわった途端、ひびが入り、灰と化す。
「ええええ!?」
「ぞ、像がああああ?! 我が家の家宝がぁぁぁっ」
「あわわ……」
女の子まで顔を青くしている。ドッキリかなにかではないらしい。
「す、すみません! なんかさわり方がまずかったのかな!?」
「な、なんてことじゃ……ゾウに踏まれても壊れないといわれておるほど丈夫なはずのに」
「……像だけに……」
背後から女の子の声がボソボソと聞こえる。ギャグなのかもしれないが、俺にはそれを拾う余裕はなくただひたすら謝りつづけた。
「……も、申し訳ない……」
「いやあ君のせいじゃない。きっと天変地異のことで、加護の力を使い果たされたんじゃろう。形あるものはいつかは滅びる。家宝よりも、君の命が助かったことがなによりじゃよ。きっとイール像様もそういうじゃろう」
助けてまでもらったのに、なんだか申し訳ない気持ちになるな。
「しばらくはここに寝泊まりしていきなさい。行く当てもないのじゃろう?」
「助かります。だけど……あまりお世話になるわけにもいきません。もう体も動きますから」
「そうかの? もう少し休んだほうがいいと思うんじゃが……まあ街の人はみんな親切じゃし、困ることはそんなにないじゃろうが」
街を見て回ろう。話はそれからだ。
最悪の場合、生活の手段も確保しないとな。
ふとポケットに違和感を感じ、まさぐってみる。
「これは……」
なにかの装置だろうか。手のひらサイズの機械だった。
まさかこれは夢で、このボタンを押したら元の場所に戻れるとかそういうことじゃないだろうな。
しかし押し込み式のボタンを押しみても、なにも反応がない。壊れてるみたいだ。
「ほお、珍しい機械じゃな。もしやお主、メカニア科国から……?」
俺は首を横に振る。
この装置自体のことはなんとなく思い出し始めた。たしかテレポートできる魔法の道具。
でも、なんでこんなもの俺が持ってるんだ?
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
秘密多め令嬢の自由でデンジャラスな生活〜魔力0、超虚弱体質、たまに白い獣で大冒険して、溺愛されてる話
嵐華子
ファンタジー
【旧題】秘密の多い魔力0令嬢の自由ライフ。
【あらすじ】
イケメン魔術師一家の超虚弱体質養女は史上3人目の魔力0人間。
しかし本人はもちろん、通称、魔王と悪魔兄弟(義理家族達)は気にしない。
ついでに魔王と悪魔兄弟は王子達への雷撃も、国王と宰相の頭を燃やしても、凍らせても気にしない。
そんな一家はむしろ互いに愛情過多。
あてられた周りだけ食傷気味。
「でも魔力0だから魔法が使えないって誰が決めたの?」
なんて養女は言う。
今の所、魔法を使った事ないんですけどね。
ただし時々白い獣になって何かしらやらかしている模様。
僕呼びも含めて養女には色々秘密があるけど、令嬢の成長と共に少しずつ明らかになっていく。
一家の望みは表舞台に出る事なく家族でスローライフ……無理じゃないだろうか。
生活にも困らず、むしろ養女はやりたい事をやりたいように、自由に生きているだけで懐が潤いまくり、慰謝料も魔王達がガッポリ回収しては手渡すからか、懐は潤っている。
でもスローなライフは無理っぽい。
__そんなお話。
※お気に入り登録、コメント、その他色々ありがとうございます。
※他サイトでも掲載中。
※1話1600〜2000文字くらいの、下スクロールでサクサク読めるように句読点改行しています。
※主人公は溺愛されまくりですが、一部を除いて恋愛要素は今のところ無い模様。
※サブも含めてタイトルのセンスは壊滅的にありません(自分的にしっくりくるまでちょくちょく変更すると思います)。
正しい聖女さまのつくりかた
みるくてぃー
ファンタジー
王家で育てられた(自称)平民少女が、学園で起こすハチャメチャ学園(ラブ?)コメディ。
同じ年の第二王女をはじめ、優しい兄姉(第一王女と王子)に見守られながら成長していく。
一般常識が一切通用しない少女に友人達は振り回されてばかり、「アリスちゃんメイドを目指すのになぜダンスや淑女教育が必要なの!?」
そこには人知れず王妃と王女達によるとある計画が進められていた!
果たしてアリスは無事に立派なメイドになれるのか!? たぶん無理かなぁ……。
聖女シリーズ第一弾「正しい聖女さまのつくりかた」
五仕旗 3rd Generation
旋架
ファンタジー
その時代では、一部界隈で人気を博していたカードゲーム【五仕旗】。
層上充快は、鞍端風増から誘われたことをきっかけに、その世界に足を踏み入れる。
徐々に五仕旗に魅了されていく充快だったが、あるカードの存在を知ることで想像もつかなかった戦いに身を投じることになる。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
辺境の農村から始まる俺流魔工革命~錬金チートで荒れ地を理想郷に変えてみた~
昼から山猫
ファンタジー
ブラック企業に勤め過労死した俺、篠原タクミは異世界で農夫の息子として転生していた。そこは魔力至上主義の帝国。魔力が弱い者は下層民扱いされ、俺の暮らす辺境の農村は痩せた土地で飢えに苦しむ日々。
だがある日、前世の化学知識と異世界の錬金術を組み合わせたら、ありふれた鉱石から土壌改良剤を作れることに気づく。さらに試行錯誤で魔力ゼロでも動く「魔工器具」を独自開発。荒地は次第に緑豊かな農地へ姿を変え、俺の評判は少しずつ村中に広まっていく。
そんな折、国境付近で魔物の群れが出現し、貴族達が非情な命令を下す。弱者を切り捨てる帝国のやり方に疑問を抱いた俺は、村人達と共に、錬金術で生み出した魔工兵器を手に立ち上がることを決意する。
これは、弱き者が新たな価値を創り出し、世界に挑む物語。
魔力無しだと追放されたので、今後一切かかわりたくありません。魔力回復薬が欲しい?知りませんけど
富士とまと
ファンタジー
一緒に異世界に召喚された従妹は魔力が高く、私は魔力がゼロだそうだ。
「私は聖女になるかも、姉さんバイバイ」とイケメンを侍らせた従妹に手を振られ、私は王都を追放された。
魔力はないけれど、霊感は日本にいたころから強かったんだよね。そのおかげで「英霊」だとか「精霊」だとかに盲愛されています。
――いや、あの、精霊の指輪とかいらないんですけど、は、外れない?!
――ってか、イケメン幽霊が号泣って、私が悪いの?
私を追放した王都の人たちが困っている?従妹が大変な目にあってる?魔力ゼロを低級民と馬鹿にしてきた人たちが助けを求めているようですが……。
今更、魔力ゼロの人間にしか作れない特級魔力回復薬が欲しいとか言われてもね、こちらはあなたたちから何も欲しいわけじゃないのですけど。
重複投稿ですが、改稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる