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『始まりの日』-3-
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その後、学生寮に戻るとエリはすぐさま両親に連絡をした。入口の近くにしか魔法を介さない特殊な公衆電話は無いため、そこを通る女生徒たちに聞かれないように声を潜めて連絡した。
遠方に住む両親は、初等部から中等部、中等部から高等部へ上がる時に二度会ったきりだった。帰郷する機会は無いとまではいかなかったが、どこか億劫に思っていた節がある。
何かあったのではないかと勘違いした母が父を呼ぶ声が電話越しに聞こえ、エリは一人苦笑した。久しく聞いてなかった父の声はしわがれていた。むすっとしたような喋り方をしている父であったが、心なしか浮ついた調子である。
「どうした、急に」
「うん、あのね。私、海外に行くことになったの」
父は面食らったように押し黙ってしまい、長く間が空いた。無言を貫くことはせず、父は意を決したように切り出した。
「一人か」
「そんなわけないじゃない。メリサと学長も一緒なの」
「どこの国だ」
「太陽の国『サンウェーブ』って」
「どれくらい滞在するんだ」
「一年。もう子供じゃないんだから。質問多すぎよ」
重く無言がのしかかる。父は怒っているのだろうか、それとも娘がさらに遠くに行ってしまうことを悲しんでいるのだろうか。何を想っているのだろう。
いつの間にか通りかかる生徒の数は減っていき、静寂が空間を支配していた。しんとした音が耳障りに感じるようになったころ、ようやく父が口を開いた。
「そうか」
父との会話は、そこで終わった。母に電話を渡し、ぎしぎしと木の床を踏み鳴らす音が遠ざかっていくのをエリは聞いていた。
「ありがとう」
父に向けた言葉を口に含むように呟いた。
電話を受け取った母はしきりに会話の内容を知りたがっていたが、それをのらりくらりとかわして、必要な書類を送る旨だけを淡々と伝えた。
「今度、留学が終わったらお土産持ってそっちに行くよ。メリサも連れてく。うん、約束する」
それじゃあ、と告げて電話を切った。これ以上通話を続けたら、ホームシックになってしまうような気がした。
雨がしとしとと降り注いでいる。規則的に窓を叩くその音に耳を傾けながら、エリは静かにため息を吐いた。寮の二人部屋、独りきりでいることはさして珍しいことではない。窓から覗く空模様は灰色だ。窓際に添えられるように置かれた白く美しい花は頭を垂れている。暇を持て余した挙句に杖の手入れを始めたがすぐに飽きてしまった。
ベッドの方に放ったはずだ。腰が重い。
「よいしょっ」
気合を入れるように立ち上がり、エリはひとりでに苦笑した。この程度のことを億劫に思ったことが少し恥ずかしかった。
部屋の薄暗い照明を鋭く反射する、銀色の棒。それがエリの杖だった。通常の杖より長いそれを腰のベルトに素早く着けた。
早朝、メリサは天気予報も見ずに出て行ってしまった。学校の敷地に近いまじないの店でお守りを買うらしい。今頃は雨に降られているだろう。
つい数日前まで祭りのように馬鹿騒ぎしていた生徒たちには気怠さだけが残っていた。校内で大規模な魔法大会が催された。この時期の学校の行事としてはメインなのである。
しかし、パース学長のお付き、もとい雑用係となったエリとメリサはその会場にいなかった。約一か月間は買い出し、海外へ行くにあたっての講習、保険などへの加入などに費やされた。
気を遣わせたのか、パースは海外へ発つ一週間前には休暇を用意してくれていた。今日、旅立つ日が来ることはあらかじめ皆に知らせていたため、昨日はサプライズパーティがあった。イベントの後で疲れていただろうに、無理をしてくれたのだろう。
そんな温かな思い出をぼんやりと考え込んでいると、ふと扉が開いた。メリサだった。思わず目を見開き、エリはそのまま眉をひそめた。
「魔法で雨避けしなかったの?」
肩に届かないくらいの長さの髪はいざ知らず、服からスカートまで濡れ切っている。袖から水が滴り、ぽたぽたと音を立ててカーペットに染み込んでいった。無言でその様子を見ていると、メリサが申し訳なさそうに俯いた。しかし、そのまま不貞腐れた調子で口を尖らせた。
「杖忘れた……」
唖然としながらエリは視線をメリサの勉強机に移した。なるほど、確かにある。木製の飾り気の無いメリサらしい杖だ。
思わずエリが吹き出すと、つられてメリサも大笑いし始めた。ひとしきり笑い終えると、エリは静かに杖をベルトから引き抜き、メリサの服に当てた。いまだに水分を含んだ服はずっしりとした質感を感じた。
「風邪引くわよ。月光魔法《逆光》」
銀の杖先が淡く、青白く発光した。
「水よ、雨粒の姿へ」
制服の繊維の間から水分が染み、外側で結合するとまるで水のドレスを身に着けたような様だった。エリがくるりと杖を小さく回すと、わたがしのように水が集まった。
「メリサ、窓開けて。パース学長が来るまでに完璧に乾かさなきゃ」
メリサが手早く窓を開け放つと、エリは杖を軽く振り払って水を外に放った。ばちゃり、と音がした後に下から「きゃっ」と小さく声が響いた。しかし、雨音にかき消されてその声は聞こえていなかった。
「髪はドライヤーで乾かしなさい。学長ももうすぐ来るわ。なんだか少し緊張してきちゃった」
珍しく緊張を顔に出しているエリを見ながら、メリサは髪を乾かした。
(そうだ、今日。今日が私たちの『始まりの日』なんだ)
メリサは密かにほほ笑んだ。あの時の胸の鼓動がまだ響いている。腹の底を叩くような高揚感も、頬が火照るような興奮もまだここにある。
無言で、机に置いてあった杖をベルトに添えた。
準備が完了すると、胸を張って二人は部屋を出た。振り返ると、エリと二人で過ごした日々が痛いほど心をうった。整理され、がらんと空いた部屋には私物は何も残っていない。友人に預けたか、あげたか、それとも手にしているキャリーケースに入っているのかのどれかだ。
悲観的になることはない。これは、人生の貴重な一つの経験なのだから。そう思い、部屋を後にした。
ロビーに出ると、既に皆が集まっていた。この寮ではメリサとエリを除いて留学生はいない。一斉に、行ってらっしゃいと声がかかった。
思わずサプライズに一瞬、涙ぐんでしまいそうになったが旅立ちに涙は失礼だ。そう自分に言い聞かせたが、涙腺が言うことを聞いてくれない。
空から一筋の光のカーテンが降りてきた。新たな一歩を祝福するようにそこから雲が裂け、太陽が覗く。
「ありがとう、みんな行ってきます!」
メリサが元気にそう言い放ち、女子寮の扉の前に立った。雨の日だけ閉まっている鈍重な木の扉ということもあり、開けるのに随分と手間取った。苦笑するような笑い声、そして同時に扉に当てられた手が増えた。
「手伝うわ」
エリが手を添えると、驚くほど簡単に扉は開いた。背の小さな自分はそれほど非力だろうか。そんなことを考えていると、予想外の眩さに思わず目を細めた。
水たまりが幾千もの細かな反射を繰り返し輝いている。遠くに虹がかかった。
絶妙に心地の良い空気に始まりの気配を感じる。そっと目を閉じ、今は亡き両親にも行ってきますと伝えた。
「それでは、行きましょうか」
輝かしい光景に溶け込むように佇んでいた女性、パースが静かにそう言い放った。笑みを湛えたその表情は、どこか達観したものがあった。
どうやら最初からそこにいたらしい。
そんな彼女は、肩のあたりまで水でぐっしょりと濡れていた。
遠方に住む両親は、初等部から中等部、中等部から高等部へ上がる時に二度会ったきりだった。帰郷する機会は無いとまではいかなかったが、どこか億劫に思っていた節がある。
何かあったのではないかと勘違いした母が父を呼ぶ声が電話越しに聞こえ、エリは一人苦笑した。久しく聞いてなかった父の声はしわがれていた。むすっとしたような喋り方をしている父であったが、心なしか浮ついた調子である。
「どうした、急に」
「うん、あのね。私、海外に行くことになったの」
父は面食らったように押し黙ってしまい、長く間が空いた。無言を貫くことはせず、父は意を決したように切り出した。
「一人か」
「そんなわけないじゃない。メリサと学長も一緒なの」
「どこの国だ」
「太陽の国『サンウェーブ』って」
「どれくらい滞在するんだ」
「一年。もう子供じゃないんだから。質問多すぎよ」
重く無言がのしかかる。父は怒っているのだろうか、それとも娘がさらに遠くに行ってしまうことを悲しんでいるのだろうか。何を想っているのだろう。
いつの間にか通りかかる生徒の数は減っていき、静寂が空間を支配していた。しんとした音が耳障りに感じるようになったころ、ようやく父が口を開いた。
「そうか」
父との会話は、そこで終わった。母に電話を渡し、ぎしぎしと木の床を踏み鳴らす音が遠ざかっていくのをエリは聞いていた。
「ありがとう」
父に向けた言葉を口に含むように呟いた。
電話を受け取った母はしきりに会話の内容を知りたがっていたが、それをのらりくらりとかわして、必要な書類を送る旨だけを淡々と伝えた。
「今度、留学が終わったらお土産持ってそっちに行くよ。メリサも連れてく。うん、約束する」
それじゃあ、と告げて電話を切った。これ以上通話を続けたら、ホームシックになってしまうような気がした。
雨がしとしとと降り注いでいる。規則的に窓を叩くその音に耳を傾けながら、エリは静かにため息を吐いた。寮の二人部屋、独りきりでいることはさして珍しいことではない。窓から覗く空模様は灰色だ。窓際に添えられるように置かれた白く美しい花は頭を垂れている。暇を持て余した挙句に杖の手入れを始めたがすぐに飽きてしまった。
ベッドの方に放ったはずだ。腰が重い。
「よいしょっ」
気合を入れるように立ち上がり、エリはひとりでに苦笑した。この程度のことを億劫に思ったことが少し恥ずかしかった。
部屋の薄暗い照明を鋭く反射する、銀色の棒。それがエリの杖だった。通常の杖より長いそれを腰のベルトに素早く着けた。
早朝、メリサは天気予報も見ずに出て行ってしまった。学校の敷地に近いまじないの店でお守りを買うらしい。今頃は雨に降られているだろう。
つい数日前まで祭りのように馬鹿騒ぎしていた生徒たちには気怠さだけが残っていた。校内で大規模な魔法大会が催された。この時期の学校の行事としてはメインなのである。
しかし、パース学長のお付き、もとい雑用係となったエリとメリサはその会場にいなかった。約一か月間は買い出し、海外へ行くにあたっての講習、保険などへの加入などに費やされた。
気を遣わせたのか、パースは海外へ発つ一週間前には休暇を用意してくれていた。今日、旅立つ日が来ることはあらかじめ皆に知らせていたため、昨日はサプライズパーティがあった。イベントの後で疲れていただろうに、無理をしてくれたのだろう。
そんな温かな思い出をぼんやりと考え込んでいると、ふと扉が開いた。メリサだった。思わず目を見開き、エリはそのまま眉をひそめた。
「魔法で雨避けしなかったの?」
肩に届かないくらいの長さの髪はいざ知らず、服からスカートまで濡れ切っている。袖から水が滴り、ぽたぽたと音を立ててカーペットに染み込んでいった。無言でその様子を見ていると、メリサが申し訳なさそうに俯いた。しかし、そのまま不貞腐れた調子で口を尖らせた。
「杖忘れた……」
唖然としながらエリは視線をメリサの勉強机に移した。なるほど、確かにある。木製の飾り気の無いメリサらしい杖だ。
思わずエリが吹き出すと、つられてメリサも大笑いし始めた。ひとしきり笑い終えると、エリは静かに杖をベルトから引き抜き、メリサの服に当てた。いまだに水分を含んだ服はずっしりとした質感を感じた。
「風邪引くわよ。月光魔法《逆光》」
銀の杖先が淡く、青白く発光した。
「水よ、雨粒の姿へ」
制服の繊維の間から水分が染み、外側で結合するとまるで水のドレスを身に着けたような様だった。エリがくるりと杖を小さく回すと、わたがしのように水が集まった。
「メリサ、窓開けて。パース学長が来るまでに完璧に乾かさなきゃ」
メリサが手早く窓を開け放つと、エリは杖を軽く振り払って水を外に放った。ばちゃり、と音がした後に下から「きゃっ」と小さく声が響いた。しかし、雨音にかき消されてその声は聞こえていなかった。
「髪はドライヤーで乾かしなさい。学長ももうすぐ来るわ。なんだか少し緊張してきちゃった」
珍しく緊張を顔に出しているエリを見ながら、メリサは髪を乾かした。
(そうだ、今日。今日が私たちの『始まりの日』なんだ)
メリサは密かにほほ笑んだ。あの時の胸の鼓動がまだ響いている。腹の底を叩くような高揚感も、頬が火照るような興奮もまだここにある。
無言で、机に置いてあった杖をベルトに添えた。
準備が完了すると、胸を張って二人は部屋を出た。振り返ると、エリと二人で過ごした日々が痛いほど心をうった。整理され、がらんと空いた部屋には私物は何も残っていない。友人に預けたか、あげたか、それとも手にしているキャリーケースに入っているのかのどれかだ。
悲観的になることはない。これは、人生の貴重な一つの経験なのだから。そう思い、部屋を後にした。
ロビーに出ると、既に皆が集まっていた。この寮ではメリサとエリを除いて留学生はいない。一斉に、行ってらっしゃいと声がかかった。
思わずサプライズに一瞬、涙ぐんでしまいそうになったが旅立ちに涙は失礼だ。そう自分に言い聞かせたが、涙腺が言うことを聞いてくれない。
空から一筋の光のカーテンが降りてきた。新たな一歩を祝福するようにそこから雲が裂け、太陽が覗く。
「ありがとう、みんな行ってきます!」
メリサが元気にそう言い放ち、女子寮の扉の前に立った。雨の日だけ閉まっている鈍重な木の扉ということもあり、開けるのに随分と手間取った。苦笑するような笑い声、そして同時に扉に当てられた手が増えた。
「手伝うわ」
エリが手を添えると、驚くほど簡単に扉は開いた。背の小さな自分はそれほど非力だろうか。そんなことを考えていると、予想外の眩さに思わず目を細めた。
水たまりが幾千もの細かな反射を繰り返し輝いている。遠くに虹がかかった。
絶妙に心地の良い空気に始まりの気配を感じる。そっと目を閉じ、今は亡き両親にも行ってきますと伝えた。
「それでは、行きましょうか」
輝かしい光景に溶け込むように佇んでいた女性、パースが静かにそう言い放った。笑みを湛えたその表情は、どこか達観したものがあった。
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