逆行厭われ王太子妃は二度目の人生で幸せを目指す

蜜柑マル

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ハロルドの独白

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気がついたら、巻き戻っていた。その日は、俺の8歳の誕生日。

「おめでとう、ハロルド」

かけられた声に顔をあげると、イーストウェル侯爵家に婿入りした叔父上が微笑んでいた。その隣には、仏頂面のコンラッド。…ああ、そうだ。この時にはもう、コンラッドは俺のことが嫌いだったな。

だからと言って、あんな人でなしの所業は赦されない。俺は唯一を、セシリアを喪った。

あのあと、セシリアとともに崖から身を投げたはずなのに、巻き戻ったということは、俺があいつらに復讐したいと願ったその祈りが通じたということだろう。

「叔父上、ありがとうございます」

いつもなら機嫌を取るようにコンラッドにも話しかけていたが、こいつは敵だ。俺を羨みながら努力もせず、あいつらと手を組んで俺を貶め地の底まで叩き落とした。

ふい、と視線をそらし離れる。

後ろから「…おい、」とコンラッドの声がしたが無視する。見てろ。

コンラッド。子爵令嬢。クレイグ。そしてエイサン。

俺から幸せを奪ったおまえらに俺の絶望を味わわせてやる。
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