逆行厭われ王太子妃は二度目の人生で幸せを目指す

蜜柑マル

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前回と異なること

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「セシリア、このままでいいから。コンラッド、アデルも、今日はありがとう。セシリア、彼らを紹介するね。イーストウェル侯爵家の嫡男で俺の従兄弟の、」

「たぶんご挨拶するのははじめてですね。コンラッド・イーストウェルです。こちらは妹のアデル・イーストウェル。俺とアデルは双子ではないのですが同い年で…セシリア嬢、ハロルドから話を聞いて来年入学する学園でお会いするのを楽しみにしていたのですが、こんなに早くお会いできるとは光栄です。ぜひ、コンラッドとお呼びください」

そう言った男性は、ハロルド殿下と双子ではないかと思うくらいに瓜二つだった。

イーストウェル侯爵は、今の国王陛下の弟で、イーストウェル侯爵家のご令嬢に熱烈な恋をし婿入りされた方だ。人間性も素晴らしく、領民からも慕われていると聞いたことがある。前回、ご子息のコンラッド様は名前は知っていたが、学園でお会いしたことはなかった。だって、

「アデル、おまえもご挨拶を」

「はい、お兄様。セシリア様、お会いできて嬉しいです。アデル・イーストウェルでございます」

そう言って淑女の礼をとり、頭を持ち上げた、その顔は、

「…アデル、様…?」

目の前で屈託なくニコニコと笑う少女は、アリーと呼ばれていた子爵令嬢その人だった。しかしながらあの時の雰囲気が微塵もなく、貴族令嬢として完璧な美しい所作だった。こんな振る舞いをあの令嬢は一度もしたことがない。顔つきもまったく違う。一番違うのは、目だ。あの時のような嘲る色もイヤらしさもまったくなく、優しげな、キレイに澄んだ瞳であった。

あまりに呆然としてしまい、言葉が出ない。瓜二つなだけで、別人なのだろうか?ハロルド殿下とコンラッド様が瓜二つであるように…?

「アデル、セシリアは俺が婚約者だと先ほど知ったばかりで衝撃から抜けていないんだ。また改めてでもいいかな」

「まぁ!ハロルドお兄様は、酷いことをなさるのね、セシリア様、お気の毒に」

「伝えなかったのは俺ではない」

「でも、婚約の申し込みをして了承いただいたのに、セシリア様ご本人にはご挨拶なさらなかったのでしょう?怠慢だわ。セシリア様、今からでもお断りしたほうがよろしくてよ」

「それは困る。アデル、余計なことを言うな、それでなくてもさっき一度断られそうになったんだぞ」

「それが正解ですわ。わたくしはセシリア様の味方です」

アデル様は私の手を取ると、「いつでもお手伝いします」と真剣な顔で言ってからほにゃり、と微笑んだ。
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