こわれたこころ

蜜柑マル

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3ヶ月ほど過ぎたある日、「妃殿下がご懐妊です」と告げられた。すぐにも会いに行こうとするカーティスは、しかしローラ付きの侍女に止められる。

「妃殿下はつわりがひどく、起き上がれない状態です。殿下にはお会いしたくないそうです」

「…会いたくない?」

侍女は少し目を細めると、「顔色が優れない姿をお見せしたくないのでしょう」とそっけなく告げた。

それなら、会いたくないなんて言い方をするなと叱りつけたかったが、めでたい時にそんなことをして雰囲気を悪くするのはやめようと我慢した。

夜、寝室に行ってもローラはいなかった。子ができたのだから当たり前なのかもしれないが、手を繋いで安心させたい、ぐっすり眠らせてやりたいと思っていたカーティスはひどくガッカリした。

つわりの時期が過ぎれば、顔を見ることも叶うだろう。そうしたら、一緒に眠ろうと伝えればいい。

しかしその思いは叶うことがなかった。ローラはカーティスに会うことを拒否し続け、出産の日まで妻の姿を見ることはできなかった。
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