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閑話休題~悪役令嬢たちと、
ギルバート・ハルストーン第2王子の話
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袋から出たクローディアは、俺を見て超絶不機嫌な顔になった。あいかわらずわかりやすい彼女に、思わず顔が緩みそうになり慌てて引き締める。
俺の計画はまだ始まったばかり。クローディアをあのバカげた会場から連れ出す、それがスタート地点。父母である陛下、王妃陛下にとってのゴールは、俺とクローディアの公的に証明された婚約。俺のゴールはそこではない。この、『イングラム侯爵閣下大好き』クローディアを、俺のモノにするのがゴールだ。そう、物理的に。
イングラム侯爵…騎士団長に直々に手をかけてもらえる名誉を理解できず、早々に脱落したバカな兄に代わり、練習相手としてやってきたのがクローディアだった。なんでも、剣が大好きで、また、幼い頃にイングラム侯爵の息子であるメイナードの婚約者候補になり、その頃からイングラム侯爵の手解きを受けてきたらしい。
剣にかけては右に出る者がいない猛者でありながらも、色恋関係には疎く、また、ロリコンでもないイングラム侯爵はクローディアの熱い恋情にはまったく気づいていなかった。隣で見ているギルバートにはすぐにわかってしまったが。
クローディアは、面白い。
剣に情熱を持ちながら、令嬢としての所作も完璧、そしてこれはたぶんイングラム侯爵と話を合わせるために努力をしているのだろうが、博識だった。一年下のギルバートが学園に入った時も、毎日図書室で勉強していた。そんなとこまで必要なくないか、というところまで。
観察しているとすぐに、あのバカ…メイナードに、暴力を振るわれていることに気がついた。そして、それを見る母の影がいることにも。母に面会を求め、昨年6月から始まったというあの腐れどもを制裁する計画に乗ることにした。もちろん、クローディアと堂々と接触するために。
昨年始まったその計画は、両親、イングラム侯爵、カーニー侯爵、腐れどもの婚約者の両親、…今年になって、マクマナス公爵夫妻は離縁したため、ここは母親のみ…と、オブライアン公爵子息、クリスフォードが噛んでいた。
イングラム侯爵夫妻がうまくいっていないことは公然の事実で、俺は独り身になったマクマナス女公爵とイングラム侯爵を巧妙に近づけ、仲を取り持った。イングラム侯爵は不倫じゃないかって?俺がクローディアを手に入れるという大事の前には、そんなことは些細なことだ。彼らは腐れどもと違い大人だから、子どもを作るような愚行には及んでいないよ。
こうして敵を排除し前準備を整えた俺は、クローディアを王宮に連れて帰った。もちろん王宮にはクローディアの両親も呼んである。これから婚約式だからな。
クローディアの両親は、彼女があの卑猥な集団に売り飛ばすと宣言されたと聞き、メイナードをとことん追い詰めてくれと俺の両親とイングラム侯爵に懇願していた。イングラム侯爵はすでに慰謝料を支払っており、謝罪も受け、まったく関わりがないこともわかって、クローディアの両親もイングラム侯爵については特に思うところはないようだった。あのバカ…メイナードを育てたのが、毒婦だということもわかっているから。イングラム侯爵は、「子育てを間違えたのは自分の責任」と言っていたが、クローディアをあの腐れから切り離してくれたのだからチャラだ。少なくとも、俺の中では。
クローディアは、王宮に両親がいることに驚き、その口から「ギルバート殿下と再婚約」と聞いて俺を睨み付けた。いい。ゾクゾクする。
「殿下!わたくしは殿下の婚約者など無理です!」
「でももう決まってしまったので」
いつものごとく猫を被り、しおらしく言ってみると、クローディアはフイッ、と顔を背けてしまった。ほんと、わかりやすくて可愛くて…。そのへんの従順なふりをし、媚びを売るしか能のない令嬢どもとはまったく、違う。牙を剥き出し威嚇してくる、この猛獣を屈服させたい。少なくともベッドの上では俺のことしか考えられず、俺を欲しがり懇願するように躾てやりたい。
「クローディア嬢、そう言えば」
そのためにも、大事なことをとどめに伝える。
「イングラム侯爵は、奥方と離縁が成立しました」
その言葉に顔を歓喜に染めるクローディア。
「そして、日をおいて、アデレイド嬢の母と再婚されるそうですよ。めでたいですね」
一瞬にして絶望に染まるクローディア。ああ、その傷付いた顔…。その口に今すぐ俺のモノを突っ込んで無理矢理奉仕させたい。イングラム侯爵を想いながら、他の男の肉棒をしゃぶらされるなんて、とんでもない屈辱だろう。その時のクローディアの瞳を想像しただけでイキそうになる。最高だ。
しかしそれは、婚約式が終わってからだ。今日クローディアの純潔を奪うことは父母にも了解はとってある。
涙を必死に堪えるクローディアを見て、俺は舌をぺろりとした。今日、全部食らいつくしてやる。
俺の計画はまだ始まったばかり。クローディアをあのバカげた会場から連れ出す、それがスタート地点。父母である陛下、王妃陛下にとってのゴールは、俺とクローディアの公的に証明された婚約。俺のゴールはそこではない。この、『イングラム侯爵閣下大好き』クローディアを、俺のモノにするのがゴールだ。そう、物理的に。
イングラム侯爵…騎士団長に直々に手をかけてもらえる名誉を理解できず、早々に脱落したバカな兄に代わり、練習相手としてやってきたのがクローディアだった。なんでも、剣が大好きで、また、幼い頃にイングラム侯爵の息子であるメイナードの婚約者候補になり、その頃からイングラム侯爵の手解きを受けてきたらしい。
剣にかけては右に出る者がいない猛者でありながらも、色恋関係には疎く、また、ロリコンでもないイングラム侯爵はクローディアの熱い恋情にはまったく気づいていなかった。隣で見ているギルバートにはすぐにわかってしまったが。
クローディアは、面白い。
剣に情熱を持ちながら、令嬢としての所作も完璧、そしてこれはたぶんイングラム侯爵と話を合わせるために努力をしているのだろうが、博識だった。一年下のギルバートが学園に入った時も、毎日図書室で勉強していた。そんなとこまで必要なくないか、というところまで。
観察しているとすぐに、あのバカ…メイナードに、暴力を振るわれていることに気がついた。そして、それを見る母の影がいることにも。母に面会を求め、昨年6月から始まったというあの腐れどもを制裁する計画に乗ることにした。もちろん、クローディアと堂々と接触するために。
昨年始まったその計画は、両親、イングラム侯爵、カーニー侯爵、腐れどもの婚約者の両親、…今年になって、マクマナス公爵夫妻は離縁したため、ここは母親のみ…と、オブライアン公爵子息、クリスフォードが噛んでいた。
イングラム侯爵夫妻がうまくいっていないことは公然の事実で、俺は独り身になったマクマナス女公爵とイングラム侯爵を巧妙に近づけ、仲を取り持った。イングラム侯爵は不倫じゃないかって?俺がクローディアを手に入れるという大事の前には、そんなことは些細なことだ。彼らは腐れどもと違い大人だから、子どもを作るような愚行には及んでいないよ。
こうして敵を排除し前準備を整えた俺は、クローディアを王宮に連れて帰った。もちろん王宮にはクローディアの両親も呼んである。これから婚約式だからな。
クローディアの両親は、彼女があの卑猥な集団に売り飛ばすと宣言されたと聞き、メイナードをとことん追い詰めてくれと俺の両親とイングラム侯爵に懇願していた。イングラム侯爵はすでに慰謝料を支払っており、謝罪も受け、まったく関わりがないこともわかって、クローディアの両親もイングラム侯爵については特に思うところはないようだった。あのバカ…メイナードを育てたのが、毒婦だということもわかっているから。イングラム侯爵は、「子育てを間違えたのは自分の責任」と言っていたが、クローディアをあの腐れから切り離してくれたのだからチャラだ。少なくとも、俺の中では。
クローディアは、王宮に両親がいることに驚き、その口から「ギルバート殿下と再婚約」と聞いて俺を睨み付けた。いい。ゾクゾクする。
「殿下!わたくしは殿下の婚約者など無理です!」
「でももう決まってしまったので」
いつものごとく猫を被り、しおらしく言ってみると、クローディアはフイッ、と顔を背けてしまった。ほんと、わかりやすくて可愛くて…。そのへんの従順なふりをし、媚びを売るしか能のない令嬢どもとはまったく、違う。牙を剥き出し威嚇してくる、この猛獣を屈服させたい。少なくともベッドの上では俺のことしか考えられず、俺を欲しがり懇願するように躾てやりたい。
「クローディア嬢、そう言えば」
そのためにも、大事なことをとどめに伝える。
「イングラム侯爵は、奥方と離縁が成立しました」
その言葉に顔を歓喜に染めるクローディア。
「そして、日をおいて、アデレイド嬢の母と再婚されるそうですよ。めでたいですね」
一瞬にして絶望に染まるクローディア。ああ、その傷付いた顔…。その口に今すぐ俺のモノを突っ込んで無理矢理奉仕させたい。イングラム侯爵を想いながら、他の男の肉棒をしゃぶらされるなんて、とんでもない屈辱だろう。その時のクローディアの瞳を想像しただけでイキそうになる。最高だ。
しかしそれは、婚約式が終わってからだ。今日クローディアの純潔を奪うことは父母にも了解はとってある。
涙を必死に堪えるクローディアを見て、俺は舌をぺろりとした。今日、全部食らいつくしてやる。
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