どうぞ、お好きに

蜜柑マル

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寝室のベッドに私を降ろすと、男は傍らの椅子に腰掛けそのまま私を観察するようにじっと見る。

その冷たい視線が怖いのに、カラダはどんどん熱くなる。キュウキュウして切なくて足を擦り合わせると、胸の頂きをキュッと摘ままれた。ビリビリとした痺れがカラダを駆け巡る。

「キャアァッ」

「服の上からでもわかるくらいに尖らせて…直接見たいな、どんなふうになっているのか」

カラダを起こされ、服を乱暴に剥ぎ取られる。怖いのに、怖いはずなのに、触れられる手の熱さに比例するようにじんわりと凍り付いていた心が溶かされていく。

「…すごい。もう糸を引くくらいねっとりしてる。アリア、甘い匂いがする。男を誘う甘い匂いが…さあ、アリア、言え。俺が欲しいと。おまえのカラダは俺を求めてる」

耳元で囁かれ、その声に頭が痺れたようになる。こんなこと、教えられてない。閨ではただ男性に身を任せればいい、って、そう言われていたのに、自分から誘うなんて、はしたない真似をしちゃいけない、淑女はそんな、

「ほら、アリア…」

ツプリ、と何かが秘処に埋められたとたん、それを締め付けるようにキュウゥッと収縮する感触でカラダが羞恥に染まる。こんな、

「…中が、すごく熱い。俺の指、溶かされそうだよアリア。おまえに溶かされるなら構わない、全部溶かしてくれ、アリア」

中に埋められる質感が増して、苦しいはずなのに…もっと、奥が、苦しい。切なくて、切なくて、頭が、

「俺を欲しいと言え、アリア。俺をおまえの唯一の男だと認めるんだ。俺はおまえを手に入れたい、心まですべてを。俺に、すべて委ねればいい。どんなおまえでも、俺が必ず受け止める。…さあ、言え、アリア」
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