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第五章
殿下との再会②
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カーディナル魔法国に移って3年が過ぎ、私は9歳になった。弟たちは3歳、とても可愛い盛りである。「ねえさまー」と後をついてくる彼らは本当に愛くるしかった。
ふたりも魔力があるが、おばあ様によれば私ほど高い魔力ではないらしい。ただ、ふたりとも特性をふたつずつ持っていて、アレックスは水と植物、カーティスは水と風だった。
「まだまだ先だけど、私がしっかり面倒をみます」と張り切るおばあ様を見て、ふたりがちょっぴり気の毒になってしまったことは秘密だ。
そんなある日、帰宅したお父様から、「ヴィー、明日登城することになった」と言われた。
「明日ですか?」
ずいぶん、急な話に驚いて尋ねると、「今日、ジークフリート皇子が帰国されたんだ」とお父様は顔色も変えることなく言った。
ジークフリート皇子、という言葉に胸がドクンッと音をたてる。
「殿下が…」
「陛下のお兄様も一緒だ。明日、陛下、陛下の兄であるサヴィオン様、ジークフリート皇子、義母上、僕、ヴィー、それと、モンタリアーノ国の王妃陛下、カイルセン皇子がいらっしゃる予定だ」
王妃陛下は、国王陛下が承諾せずまだ離縁が成立していなかった。
「あちらから出て大丈夫なのでしょうか?」
「離宮から出ず、クズとも顔を合わせていないらしいからね、おふたりとも。いるかいないかもわからないだろうし、コリンズ親子が執務時間中はクズを自由にすることはないらしいから問題ないだろうとのことだ」
いよいよ。いよいよ、今回の人生で殿下と顔を合わせる時がきた。
前回は婚約者を決めるためということでの顔合わせだったが、今回は違う。年齢も違う。
私は「お父様、よろしくお願いします」と言って部屋に戻った。
あの時は、何色のドレスを着ていたのだったか…もう覚えていない。
マーサに相談すると、「お嬢様の年齢ですから、可愛らしくピンクがいいかと思います」と言って何着かある中からシンプルなドレスを選んでくれた。
「大奥様から聞きましたので、足が出しやすいドレスを…」
とニヤリとするマーサに思わず笑ってしまう。
緊張はある、けど恐怖を感じる必要はない。
私はその夜も、いつも通りぐっすりと眠ることができた。
ふたりも魔力があるが、おばあ様によれば私ほど高い魔力ではないらしい。ただ、ふたりとも特性をふたつずつ持っていて、アレックスは水と植物、カーティスは水と風だった。
「まだまだ先だけど、私がしっかり面倒をみます」と張り切るおばあ様を見て、ふたりがちょっぴり気の毒になってしまったことは秘密だ。
そんなある日、帰宅したお父様から、「ヴィー、明日登城することになった」と言われた。
「明日ですか?」
ずいぶん、急な話に驚いて尋ねると、「今日、ジークフリート皇子が帰国されたんだ」とお父様は顔色も変えることなく言った。
ジークフリート皇子、という言葉に胸がドクンッと音をたてる。
「殿下が…」
「陛下のお兄様も一緒だ。明日、陛下、陛下の兄であるサヴィオン様、ジークフリート皇子、義母上、僕、ヴィー、それと、モンタリアーノ国の王妃陛下、カイルセン皇子がいらっしゃる予定だ」
王妃陛下は、国王陛下が承諾せずまだ離縁が成立していなかった。
「あちらから出て大丈夫なのでしょうか?」
「離宮から出ず、クズとも顔を合わせていないらしいからね、おふたりとも。いるかいないかもわからないだろうし、コリンズ親子が執務時間中はクズを自由にすることはないらしいから問題ないだろうとのことだ」
いよいよ。いよいよ、今回の人生で殿下と顔を合わせる時がきた。
前回は婚約者を決めるためということでの顔合わせだったが、今回は違う。年齢も違う。
私は「お父様、よろしくお願いします」と言って部屋に戻った。
あの時は、何色のドレスを着ていたのだったか…もう覚えていない。
マーサに相談すると、「お嬢様の年齢ですから、可愛らしくピンクがいいかと思います」と言って何着かある中からシンプルなドレスを選んでくれた。
「大奥様から聞きましたので、足が出しやすいドレスを…」
とニヤリとするマーサに思わず笑ってしまう。
緊張はある、けど恐怖を感じる必要はない。
私はその夜も、いつも通りぐっすりと眠ることができた。
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