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番外編~100年に一度の恋へ
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「お母様、それはあまりにも…オリヴィアが、」
アリスちゃんの抗議の声に、王妃陛下の瞳がスッと細められる。
「あまりにも、なにかしら。アリス、貴女はソフィアちゃんが何の気なしに教えてくれたことを自分なりに感じとって、その後ソフィアちゃんが妊娠したことでありがたいことに実地も含め勉強を進めてきたわね。
王女が助産師になるなんて、って陛下はお怒りだったけれど、何にもなくただ嫁いでいくよりも余程国のためになるとわたくしは思う。もし実際に赤子を取り上げるでなくとも、いま貴女が身に付けている知識は必ず誰かの役に立つ。努力してきたことが貴女の代で万が一実を結ばなくても、その種は受け継がれいつか必ず美しい花が咲くはずよ。貴女は地道に、それだけの努力を積み重ねているのだから。
でも、そんな貴女を間近で見てきたのにオリヴィアはいまこのときも、何かをするつもりがない。
王族に生まれた者は、自ら国のために何ができるのかを考え、行動しなければならない、それをわたくしはあなた方に口うるさく言ってきたはずよ。ギデオンが次期国王だからと言って、オリヴィアがなにもしなくていい免罪符にはならない。あの子には、王女だという肩書き以外になんの価値もない。それならばそれを生かす以外、あの子が生きる術はないじゃない。理不尽だと思う?ごく当然のことよ」
王妃陛下の言葉に、部屋の中がシンッ…となる。なんの価値もない、なんて、…私は我が子をそうやって王族として冷静に見切りをつけられるのだろうか。
なんとなく、レインとリオンに視線を向けると、ふたりと目が合って、…ふたりが、ニコリ、と微笑んだ。
「おばあさまの意見だからと肯定するわけではありませんが、俺とリオンもオリヴィア様に対しては思うところがあります。王族に生まれたこと、それは自分が選んだことではないかもしれない。しかし生まれたからには、王族の義務を果たさなければならない。しかしオリヴィア様には、そういう覚悟は見られない。各国の言語や歴史、文化も、申し訳ないが俺たちの知識の方が上です。与えられるものを当たり前だと享受して、のほほんと生きていけばいいというあの姿勢はいただけません。
アリス様、オリヴィア様はセルーラン国についても知識はほぼゼロですよ。言葉もまだ完全ではない。…アリス様は、政略で嫁がされるオリヴィア様が可哀想だと思うのですか?何も義務を果たさない、名ばかりの王女、その名ばかりを生かすしかないと俺は思いますが。むしろ生かす道ができて良かったのでは」
レインの言葉に、アリスちゃんはグッ、と詰まったようになる。
「では、可哀想なオリヴィア様の代わりに、アリス様がセルーラン国に嫁ぎますか?オリヴィア様が可哀想だから、という理由で、今までご自分が努力してきたことを投げ捨てて、形ばかりの王子妃として生涯を終えますか?せっかくの夢を捨ててまで、オリヴィア様の代わりになる、それだけの価値が果たしてオリヴィア様にあるのでしょうか。
おばあさまの話から考えれば、セルーラン国は我が国と結び付きが強くなるならその相手は、オリヴィア様でも、アリス様でも、…なんなら、私でも構わないでしょう。年は離れますが、政略結婚などそんなものでしょう」
レインに続けて、リオンまでが淡々と…自分が嫁ぐ?それは無理だ、だって。
「あらー、ダメよぅ、リオンちゃんたらー。穂高ちゃんにセルーラン国を潰させたいのぉ?全面戦争になっちゃうわよぅ」
「龍彦さん、いらしてたのですね」
いつの間にか部屋の中に、長身のゴツい美女が立っていた。腕には織部さんの第一子、穂高君を抱いている。
「…リオ?」
貼り付けたような笑顔で名前を呼ばれたリオンは、動揺した顔になりビクリとカラダを震わせた。
「穂高ちゃん、ダメよ」
「…わかってる。龍彦さん、降ろして」
穂高君は床に足をつけると、私のベッドの側に歩いてきて頭を下げた。
「義母上、ご出産お疲れ様でした。ご無事で何よりです。父と母からも祝いを預かって参りました」
「穂高君、まだフィーを義母上と呼ぶのはやめてください」
「しかし事実ですので」
「まだ事実になってませんので」
「なります、あと何年かすれば。些細なことです」
5歳児に冷静に言いくるめられ、悪魔はグヌヌと唸っている。…すごいな、穂高君…。
「ありがとうございます、来てくれて嬉しい…ええと、ただ、その…」
「ごめんねぇ、イングリットちゃん、大事なお話中にぃ~。穂高ちゃんが今にも爆発しそうで危なかったもんだからぁ」
龍彦さんの言葉に王妃陛下はニッコリすると、
「いいのですよ、来てくださってありがとう。龍彦さんはもう御存知でしょうが、改めて。こちらの男性が、アリスの未来の伴侶のイアン・ジルコニアさんです」
イアンさんは目を丸くして龍彦さんを凝視している。そりゃそうだよね、いきなり現れた美女が実は男とか…。
「はじめましてぇ、イアンちゃん!あたしは眞島龍彦、ジャポン皇国の玄武州知事の影なんだけどぉ、大事な大事なソフィアちゃんが出産したからお祝いに駆けつけたの~。アリスちゃんのこと、よろしく頼むわねぇ」
フフッ、と微笑んだあと、まったく笑っていない目で、
「ソフィアちゃんの大事なアリスちゃんを泣かせたら殺すからね」
と、目にも止まらない速さでイアンさんに近づいた。その手に握られた何かがイアンさんの首に押し付けられている。
「…無論です。僕がアリス様を泣かせるようなことがあったら、好きにしてください」
この状態で返事ができるイアンさんもすごいけど、龍彦さんの実力ってすごいんだなぁ…。いつもふざけてるから忘れちゃうけど。
「ギデオンちゃんもおめでとう」
「順番が違うように思いますがありがとうございます」
そのふたりの後ろで、リオンが穂高君に抱きしめられている。レインは穂高君に、「ほた、ほどほどにしてやってくれよ。今のは完全に言葉のアヤなんだから」と笑いを噛み殺しながら言っている。…レイン、あなた、4歳なんだよ…。
「ほた」
「リオ。今の発言の真意はなんなの」
そう言って穂高君は、リオンの顔を覗き込んだ。織部さんによく似た、快活で豪快で、優しい男の子であるのに、リオンのことになると穂高君は人が変わったようになる。
「リオは、俺のだよ、って何回も言ってるよね。俺じゃ不満なの、リオ。俺、リオと生涯を共にしたいから、…恩に着せるわけじゃないけど、皇帝陛下に掛け合って法律変えてもらったんだよ。ねぇ、リオ、俺がイヤ?俺はリオが好きだから、リオと結婚したい。俺だけのリオにしたい。でもリオは違うのかな。俺がソルマーレに来てリオと結婚するのはダメなこと?イヤなことなの?」
じっとリオンを見据える穂高君は、目を逸らすリオンの顔を両手で挟み込み、「リオ、逃げないで俺を見ろ」と容赦なくリオンを追い詰める。穂高君は、曖昧を是としない。リオンがきちんと自分の言葉で話すまで、絶対に「もういい」とは言ってくれないのだ。
「リオ。イヤなの」
「…決められたことで、私がどうこうできることじゃない。そう決まってたんだもの、最初から。離して」
「離さない。ちゃんと俺を見て。イヤなのか、って俺は聞いたの。答えないのはズルいだろ。…決まってたから、なんて、そんなこと言わないでくれ、リオ」
リオンは穂高君から目を逸らしたままだ。4歳とは思えないリオンだが、何かあるたびに追い込まれて、穂高君にはまったく太刀打ちできず、しかしここ最近、それに苛立ちを感じ始めているように見える。穂高君は織部さんの息子らしくグイグイストレートに愛情を伝えてくる…リオンが産まれて半年過ぎた頃、ジャポン皇国に顔を見せに訪れた初対面から、穂高君はリオンを離さなかった。まだ赤子のリオンから、1歳の穂高君は離れず、こちらに帰って来るときは大変だった。言葉が話せるようになるとすぐに、織部さんにリオンと結婚すると宣言したらしく、奥さんの藤乃さんが卒倒したと聞いた。
いつものように一歩も引かない穂高君をわかっているレインが、助け船を出す。
「おばあさま、俺たちはこれで失礼します。あとは、よろしくお願いいたします。ほた、行こう。リオンもここじゃ話ができないだろう、な?」
無表情でコクリと頷いた穂高君は、リオンの手を取り、ぐっと引っ張った。
「今日はお祝いの御挨拶にきただけで、すぐに帰らなきゃならない。俺が納得できなければリオもジャポン皇国に連れていくからね。わかった?」
穂高君に囁くように言われ、リオンがギッ、と穂高君を睨み付けた。
「…勝手にすれば」
リオンの言葉に一瞬顔を歪めた穂高君を、苦笑いのレインが宥めて連れ出す。リオンは無表情で扉から出ていった。…大丈夫だろうか。
ククッと笑う龍彦さんにバチッとウインクされた。
「リオンちゃん、大変ねぇ」
…本当にねぇ。
アリスちゃんの抗議の声に、王妃陛下の瞳がスッと細められる。
「あまりにも、なにかしら。アリス、貴女はソフィアちゃんが何の気なしに教えてくれたことを自分なりに感じとって、その後ソフィアちゃんが妊娠したことでありがたいことに実地も含め勉強を進めてきたわね。
王女が助産師になるなんて、って陛下はお怒りだったけれど、何にもなくただ嫁いでいくよりも余程国のためになるとわたくしは思う。もし実際に赤子を取り上げるでなくとも、いま貴女が身に付けている知識は必ず誰かの役に立つ。努力してきたことが貴女の代で万が一実を結ばなくても、その種は受け継がれいつか必ず美しい花が咲くはずよ。貴女は地道に、それだけの努力を積み重ねているのだから。
でも、そんな貴女を間近で見てきたのにオリヴィアはいまこのときも、何かをするつもりがない。
王族に生まれた者は、自ら国のために何ができるのかを考え、行動しなければならない、それをわたくしはあなた方に口うるさく言ってきたはずよ。ギデオンが次期国王だからと言って、オリヴィアがなにもしなくていい免罪符にはならない。あの子には、王女だという肩書き以外になんの価値もない。それならばそれを生かす以外、あの子が生きる術はないじゃない。理不尽だと思う?ごく当然のことよ」
王妃陛下の言葉に、部屋の中がシンッ…となる。なんの価値もない、なんて、…私は我が子をそうやって王族として冷静に見切りをつけられるのだろうか。
なんとなく、レインとリオンに視線を向けると、ふたりと目が合って、…ふたりが、ニコリ、と微笑んだ。
「おばあさまの意見だからと肯定するわけではありませんが、俺とリオンもオリヴィア様に対しては思うところがあります。王族に生まれたこと、それは自分が選んだことではないかもしれない。しかし生まれたからには、王族の義務を果たさなければならない。しかしオリヴィア様には、そういう覚悟は見られない。各国の言語や歴史、文化も、申し訳ないが俺たちの知識の方が上です。与えられるものを当たり前だと享受して、のほほんと生きていけばいいというあの姿勢はいただけません。
アリス様、オリヴィア様はセルーラン国についても知識はほぼゼロですよ。言葉もまだ完全ではない。…アリス様は、政略で嫁がされるオリヴィア様が可哀想だと思うのですか?何も義務を果たさない、名ばかりの王女、その名ばかりを生かすしかないと俺は思いますが。むしろ生かす道ができて良かったのでは」
レインの言葉に、アリスちゃんはグッ、と詰まったようになる。
「では、可哀想なオリヴィア様の代わりに、アリス様がセルーラン国に嫁ぎますか?オリヴィア様が可哀想だから、という理由で、今までご自分が努力してきたことを投げ捨てて、形ばかりの王子妃として生涯を終えますか?せっかくの夢を捨ててまで、オリヴィア様の代わりになる、それだけの価値が果たしてオリヴィア様にあるのでしょうか。
おばあさまの話から考えれば、セルーラン国は我が国と結び付きが強くなるならその相手は、オリヴィア様でも、アリス様でも、…なんなら、私でも構わないでしょう。年は離れますが、政略結婚などそんなものでしょう」
レインに続けて、リオンまでが淡々と…自分が嫁ぐ?それは無理だ、だって。
「あらー、ダメよぅ、リオンちゃんたらー。穂高ちゃんにセルーラン国を潰させたいのぉ?全面戦争になっちゃうわよぅ」
「龍彦さん、いらしてたのですね」
いつの間にか部屋の中に、長身のゴツい美女が立っていた。腕には織部さんの第一子、穂高君を抱いている。
「…リオ?」
貼り付けたような笑顔で名前を呼ばれたリオンは、動揺した顔になりビクリとカラダを震わせた。
「穂高ちゃん、ダメよ」
「…わかってる。龍彦さん、降ろして」
穂高君は床に足をつけると、私のベッドの側に歩いてきて頭を下げた。
「義母上、ご出産お疲れ様でした。ご無事で何よりです。父と母からも祝いを預かって参りました」
「穂高君、まだフィーを義母上と呼ぶのはやめてください」
「しかし事実ですので」
「まだ事実になってませんので」
「なります、あと何年かすれば。些細なことです」
5歳児に冷静に言いくるめられ、悪魔はグヌヌと唸っている。…すごいな、穂高君…。
「ありがとうございます、来てくれて嬉しい…ええと、ただ、その…」
「ごめんねぇ、イングリットちゃん、大事なお話中にぃ~。穂高ちゃんが今にも爆発しそうで危なかったもんだからぁ」
龍彦さんの言葉に王妃陛下はニッコリすると、
「いいのですよ、来てくださってありがとう。龍彦さんはもう御存知でしょうが、改めて。こちらの男性が、アリスの未来の伴侶のイアン・ジルコニアさんです」
イアンさんは目を丸くして龍彦さんを凝視している。そりゃそうだよね、いきなり現れた美女が実は男とか…。
「はじめましてぇ、イアンちゃん!あたしは眞島龍彦、ジャポン皇国の玄武州知事の影なんだけどぉ、大事な大事なソフィアちゃんが出産したからお祝いに駆けつけたの~。アリスちゃんのこと、よろしく頼むわねぇ」
フフッ、と微笑んだあと、まったく笑っていない目で、
「ソフィアちゃんの大事なアリスちゃんを泣かせたら殺すからね」
と、目にも止まらない速さでイアンさんに近づいた。その手に握られた何かがイアンさんの首に押し付けられている。
「…無論です。僕がアリス様を泣かせるようなことがあったら、好きにしてください」
この状態で返事ができるイアンさんもすごいけど、龍彦さんの実力ってすごいんだなぁ…。いつもふざけてるから忘れちゃうけど。
「ギデオンちゃんもおめでとう」
「順番が違うように思いますがありがとうございます」
そのふたりの後ろで、リオンが穂高君に抱きしめられている。レインは穂高君に、「ほた、ほどほどにしてやってくれよ。今のは完全に言葉のアヤなんだから」と笑いを噛み殺しながら言っている。…レイン、あなた、4歳なんだよ…。
「ほた」
「リオ。今の発言の真意はなんなの」
そう言って穂高君は、リオンの顔を覗き込んだ。織部さんによく似た、快活で豪快で、優しい男の子であるのに、リオンのことになると穂高君は人が変わったようになる。
「リオは、俺のだよ、って何回も言ってるよね。俺じゃ不満なの、リオ。俺、リオと生涯を共にしたいから、…恩に着せるわけじゃないけど、皇帝陛下に掛け合って法律変えてもらったんだよ。ねぇ、リオ、俺がイヤ?俺はリオが好きだから、リオと結婚したい。俺だけのリオにしたい。でもリオは違うのかな。俺がソルマーレに来てリオと結婚するのはダメなこと?イヤなことなの?」
じっとリオンを見据える穂高君は、目を逸らすリオンの顔を両手で挟み込み、「リオ、逃げないで俺を見ろ」と容赦なくリオンを追い詰める。穂高君は、曖昧を是としない。リオンがきちんと自分の言葉で話すまで、絶対に「もういい」とは言ってくれないのだ。
「リオ。イヤなの」
「…決められたことで、私がどうこうできることじゃない。そう決まってたんだもの、最初から。離して」
「離さない。ちゃんと俺を見て。イヤなのか、って俺は聞いたの。答えないのはズルいだろ。…決まってたから、なんて、そんなこと言わないでくれ、リオ」
リオンは穂高君から目を逸らしたままだ。4歳とは思えないリオンだが、何かあるたびに追い込まれて、穂高君にはまったく太刀打ちできず、しかしここ最近、それに苛立ちを感じ始めているように見える。穂高君は織部さんの息子らしくグイグイストレートに愛情を伝えてくる…リオンが産まれて半年過ぎた頃、ジャポン皇国に顔を見せに訪れた初対面から、穂高君はリオンを離さなかった。まだ赤子のリオンから、1歳の穂高君は離れず、こちらに帰って来るときは大変だった。言葉が話せるようになるとすぐに、織部さんにリオンと結婚すると宣言したらしく、奥さんの藤乃さんが卒倒したと聞いた。
いつものように一歩も引かない穂高君をわかっているレインが、助け船を出す。
「おばあさま、俺たちはこれで失礼します。あとは、よろしくお願いいたします。ほた、行こう。リオンもここじゃ話ができないだろう、な?」
無表情でコクリと頷いた穂高君は、リオンの手を取り、ぐっと引っ張った。
「今日はお祝いの御挨拶にきただけで、すぐに帰らなきゃならない。俺が納得できなければリオもジャポン皇国に連れていくからね。わかった?」
穂高君に囁くように言われ、リオンがギッ、と穂高君を睨み付けた。
「…勝手にすれば」
リオンの言葉に一瞬顔を歪めた穂高君を、苦笑いのレインが宥めて連れ出す。リオンは無表情で扉から出ていった。…大丈夫だろうか。
ククッと笑う龍彦さんにバチッとウインクされた。
「リオンちゃん、大変ねぇ」
…本当にねぇ。
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